第73話 パテ
「どれどれ……おおっ!? スキル熟練度が上がってる!?」
早速通知のアイコンをタップして内容を確認したら、俺の唯一持つスキル、『モデラー』のスキル熟練度上昇の通知だった。
「いつの間にか上がってたのか……全然気付かなかった」
スキルレベルが上がれば使える道具が増えるため、改造の幅が広がり、更なる強化が可能になるはずだ。
俺はさっそく自身のステータス画面を開き、モデラースキルの詳細を確認する。
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【イマジニウムパテ】
魔動人形を構成する素材と同等の性質を持つパテを生成する。魔力を流すことで硬化する。このスキルで生成したものは消滅しない。(魔力消費特大)
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「イマジニウム……? これが魔動人形に使われている素材の名称なのか? いや、それよりもこれはもしかして……!?」
パテとは簡単に言うと、プラスチックに近い素材の粘土のようなものだ。プラモデルにおいての役割は、細かい傷を埋めたり、自由に形を作りパーツを成型したりできる。
エーテルコーティングもそうだったが、魔動人形に直接塗ったりするものに関しては、他の道具と違い消滅はしないようだ。その分魔力消費量は増えるみたいだけど。
「イマジニウムパテ生成!」
さっそくスキルでパテを生成する。
すると、俺の手には五センチほどの長さの白い円柱が出現した。学校とかで使われてるチョークぐらいのサイズ感だ。
ぐねぐねとパテを曲げたり引っ張ってみたりして感触を確認する。少し熱を加え、柔らかくなった飴のような手触りだ。
「うん、俺の知ってるタイプのパテみたいだな。これをこねくりまわして形を作るやつだ」
魔力消費量特大と説明文にあったけど、一回の生成では体感できない程度の消費のようだ。
「よーし、それじゃ……」
ポチポチとスマホをタップしていく。スマホ操作をするだけでもスキルの使用ができるのだ。いちいち発動を言葉にしなくて済むので、連続で使う場合はこっちの方が早い。
「う……なんかダルくなってきた……」
何回生成しただろうか。途中から手に持ちきれなくなり、近くにあったテーブルに置いていたのだが、気が付いたらパテが山のように積み重なっていた。
それだけの数のスキルを連続使用したからか、頭がボーッとしてきて、体に倦怠感を覚える。前に魔力切れを起こしたときと症状が似ている、これ以上はマズイな。
この大事な時に寝ているわけにはいかない。体感八割ほど魔力を消費した時点でスキルの使用を止める。
「うん、これだけあれば十分かな」
俺がパテを大量に生成した理由、それはイマジナリークラフターの『素材』として利用できると思ったからだ。
今までは捨てられていたランナーを素材としていたけど、このパテでも代用できるはずだ。
実際に試してみないとわからないが、『魔動人形と同等の性質を持つ素材』と説明文に書かれていたのできっと大丈夫だろう。
「――ま、リンが帰ってこないと試せないし、しばらくは体を休めていよう。少し休憩すればこの倦怠感も抜けるかもだし……」
俺は魔力を大量消費したことで疲れた体を癒すため、しばらく横になることにした。




