第43話 VS第二王女、決着
防御をしなかったのは、自棄になったからじゃない。俺には、ある確信があったからだ。
散弾がシルバライザーへと直撃し、いくつもの小さな爆発が機体を襲う。機体が小さく揺れるが、あくまでも前進は止めない。
「やりましたわ――えっ」
「残念でした――っと!」
完全に止めたつもりだったのだろう。爆炎の中から一切スピードを落とすことのないシルバライザーが現れたことで、一瞬の硬直が生まれた。
……予想通り、あの散弾も炎属性の攻撃だったようだ。
戦いの前に塗装で火属性への耐性を付けておいて正解だったな、そうしていなければ止められていた可能性もある。
「くらえぇぇぇっ!」
好機を逃すまいと二刀同時に放った斬撃は、ガレオニクスの右足と左手を苦もなく切断した。
「なっ……!」
片足を失ったことにより、ガレオニクスはバランスを崩し仰向けに倒れた。これでチェックメイトだぜ、王女様。
俺は即座にガレオニクスの喉元へとダガーを突き付ける。
「ひ、姫様っ! 今参ります!」
「待ちなさい!」
相手側の僚機がこちらへと近付こうとするが、王女様はそれを制止する。
「――ガレオニクスが倒れた時点でわたくしたちの負けですわ。……降参いたします」
「――姫様」
いま、降参って言ったよな? 勝った……のか?
『――き、決まりましたぁ! 決着です! フラムローゼ様が降参を宣言しましたぁ! なんという白熱した決闘! なんという壮絶な攻防! それを制したのがこの男、奇跡を呼ぶ男ケイタ・サガミだぁぁぁっ!』
わっ、と割れんばかりの拍手や大歓声、興奮冷めやらぬその熱が、魔動人形の中にいる俺にも伝わってくる。それらが俺に勝利を実感させてくれた。
やった、勝った……勝ったぞ。これで俺は平穏な日々を手に入れ――――あら、なんか体がものすごくだるい。
緊張が解けて疲労が一気にこみ上げてきたのかもしれないな。いかんいかん、気を引き締めろ俺。シルヴィアに「勝った」って報告しないとな。
――あれ、やば。なんか急に頭がクラクラしてきたぞ。目の前が真っ暗に……やば、これ、死ぬ……かも――――――。




