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魔法使いクラスの忍者先生  作者: メバ
魔法使いクラスの担任
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第4話:理事長現る!って魔法使い!?

『我々と違う』


斎藤のその言葉に、心太は違和感とともに少なからず苛立ちを覚えていた。

そこにはどこか、自分達が特別な存在であるとでも言うようなニュアンスを感じたからであった。


「違う、とはどういうことでしょうか。せっかく教師としての道が開けるかもしれないこの状況で、よく分からない理由でそれを拒否されるのは、さすがに納得できません」

心太はその苛立ちのまま、それを斎藤へとぶつける様に返していた。


(やばい。ちょっと感情的になったかも)

と、少しの後悔を抱きつつ。


「そのことについては、(わたくし)からご説明いたしましょう」


心太の苛立ちの言葉に反応したのは、斎藤、ではなかった。

心太の耳に届いた声は明らかに、目の前の3人ではない誰かからの声であった。

そしてその声に、心太は聞き覚えがあった。


(この声、電話の主?ってそうじゃない!今確かにあっちから声が・・・)


戸惑いを感じながらも心太は、声のした方へとそっと顔を向けた。

誰もいないはずの、豪華な椅子の方へと。


「え?」


そして心太は、小さく声を漏らした。

先ほどまで確かに主のいなかったはずの椅子には、淑女然とした老女が、その小さな体を沈めていた。

豪華な椅子に座っているにも関わらず、少しも違和感を感じさせないほどの、何か神聖な雰囲気を漂わせて。


「た、確かにあそこには誰もいなかったはず・・・」

心太は驚きのあまり、そう呟いていた。


他者よりも人の気配に敏感なはずの自分が、この短時間に2度も人がいることに気が付けなかったという事実に、心太は心底驚いていた。


「あ、やっぱり理事長の姿が見えてなかったんだ。笑真ちゃんをかばうつもりはないけど、確かに彼のM-2担任採用には、僕も納得できないな。その辺ちゃんと説明してくれるんだよね?理事長?」

スミスはそう言って、突然現れた老女に興味深げな笑みを向けた。


「スミス先生!理事長に向かってその言葉使いは何ですか!」

理事長と呼ばれた相手へのタメ口に整は厳しい口調でそれを諌めるも、タメ口を使われた当の本人はそれを一切気にした素振りを見せなかった。


「あら、私そのようなこと気にしませんよ?むしろ校長先生も、もっとフランクに私に接してくださって構いませんのよ?」

豪華な椅子に腰掛けた老女は、ニコリと微笑んで整を見つめていた。


「と、とんでもありません。ミエ様にそのような言葉遣いをなど・・・」

菩薩のような微笑みを向けられた整はというと、ただただ恐縮したように老女へとそう返して畏まっていた。


そして、何故か置いてけぼりにされている心太はというと、


(えっと。斎藤先生が笑真(えま)って名前で、理事長はミエって名前なのかな?ってそうじゃない。なんだか僕のことが完全に忘れられてないかな?)


と、1人で悶々としていた。


「あらいやだ。小嵐先生がすっかり置いてけぼりだわ。私ったら、いつもの悪いクセが出ちゃったわね」

理事長は、茶目っ気たっぷりな笑みを浮かべてそう言うと、心太をじっと見据えた。


「小嵐先生。お初にお目にかかります。私、この学園の理事長を務めておりますミエ エバンズと申します。以後お見知りおきを。早速だけれど小嵐先生、斎藤先生に悪意はないの。でも、気分を害してしまったのならば謝るわ。ごめんなさい」

理事長はそう言って、深々と頭を下げた。


「い、いえ。僕、じゃなくて私も感情的になりすぎました。斎藤先生、申し訳ございませんでした」

理事長に謝られて恐縮した心太もまた、理事長と、そして斎藤へと頭を下げた。


「こちらこそ、誤解を招くような言い方をしました。すみません」

斎藤は斎藤で、理事長に頭を下げさせたことに申し訳なさを感じ、素直に心太へと頭を下げていた。


もう、頭下げ祭りである。


「あの〜、話進まないんだけど」

そんな祭りを、スミスが空気も読まずに止めに入る。


「ふふふっ。スミス先生の言うとおりね。話を進めましょう」

理事長は小さく笑い、再び心太へと視線を戻した。


「我々のことを話す前に、まずは小嵐先生に担任となっていただきたいクラスについて話しましょう」

「でもさぁ、いいのかな?彼、()()よね?」


「もう。スミス先生、話が進まないと言ったのはあなたでしょう?せっかく話を進めようと思ったのに。でも確かに、あなたの疑問も分かります。が、それを話す前にまずはこちらのことを話すのが礼儀というものです」

スミスに話を遮られた理事長は、可愛く拗ねてから、スミスへとそう言って話を続ける。


もう、誰も話を止めないでねとばかりに。


「小嵐先生に担任となっていただく予定の3年M-2組は、もう1つの3年M-1組と合わせて、この日本で唯一の『魔法使い』を育てるクラスです。

そして、ここにいる我々4人もまた、そんな彼らを指導するべく集まった、魔法使いなのですよ、小嵐先生」


「はい???」


淑女然とした老女の、突然の突拍子もない言葉に、心太はそんな声をあげるのであった。

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