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魔法使いクラスの忍者先生  作者: メバ
魔法使いクラスの担任
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第36話:魔法使いの話は持ち越し!

「確かに、そう思われるのも仕方がありません。しかし、私にそのようなやましい気持ちは一切無いのです!なぜなら―――」

吉良君は少しだけれど涙を浮かべて、必死に、だけどしっかりと自身の想いを伝えている。

しかしそれは、途中で遮られた。


「そんなもの、信じられるわけがないのですわ!吉良のような汚らわしい男の主張なんて、淑女たるワタクシが聞くとでも―――」

「ウィルソンさん。吉良君は今、勇気を出して告白しています。しっかりと聞いてあげてください」

思わず、心太はユリアちゃんの言葉を止めた。


心太、よくやったわ。


「ウィルソン女史。私は、絶対にウィルソン女史や斎藤教諭殿、そして他の女子諸君にやましい気持ちなど抱いてはいないのです。なぜならば私は・・・」


そこで、吉良君は言葉を止める。


―(がんばれ、吉良君!)―


私と心太の言葉が重なったとき。


「私は、ゲイなのです」


「なっ!?」

「・・・・」

「ほぅ」


ちなみにこれはそれぞれ、ユリアちゃん、斎藤ちゃん、オリバー先生の反応ね。


「平助、勇気のある告白だったぜ」

オリバー先生はすかさず、吉良君へと親指を立てている。


斎藤ちゃんは無言で無表情。


そしてユリアちゃんは。


「ゲ、ゲイ?男性が好きだってこと?ってことは確かに、ワタクシの下着に興味を持たないのにも納得はできますわね・・・」

ちゃんと受け止めてくれているようね。


「そうなのです、ウィルソン女史。まぁ、もし仮に女性に興味があったとしてもですよウィルソン女史。あなたの可愛い下着には興味を持つかは疑問ですな。

そもそもウィルソン女史。中学生にもなってウサギちゃんパンツというのは―――おごぉっっ!!」

ユリアちゃんの右ストレートが、吉良君のみぞおちにクリーンヒット。


吉良君、惜しい。すっごーく惜しかったわ。


「な、何故ですか、ウィルソン女史・・・」

その場で蹲る吉良君は、別の意味で涙を浮かべてユリアちゃんを見上げている。


「今の発言、男性が好きとか女性が好きとか、関係ないですわ!デリカシーの問題ですわ!!やっぱり吉良は、最っっっ低ですわっ!!!」


うん、今のはユリアちゃんに激しく同意するわね。


あら。怒っていたはずのユリアちゃん、吉良君に手を差し伸べているわね。


「でも、吉良のさっきの勇気には感服いたしましたわ。それに免じて、今の発言は忘れて差し上げますわ。

あなたたちも、今聞いたことは今すぐに記憶から抹消しなさい!」

ユリアちゃんの鬼のような形相に、心太、犬飼君、そしてオリバー先生は首振り人形のごとく首を縦に振る。


今のユリアちゃんには、逆らわないで正解ね。


「今後はデリカシーの無い発言には気をつけなさい、吉良。()()()()()()、初めての助言ですわ」

「ウィルソン女史?」


「っていうか、その呼び方もいい加減やめなさい。ユリアでいいですわ」

「ユリア女史、ですね」


「その『女史』ってのもいらないのだけど・・・どうしてもというなら、『ユリア殿』にしなさい。

ちょっと時代劇っぽくて素敵ですわ」

「おぉ、ユリア殿は時代劇にも造詣が。これはますます、話が合いそうですな」


と、なんだかんだで無事に話が落ち着いたようで、大いに盛り上がる2人を見つめつつ、心太は心の中で思っていた。


(魔法使いの話はどうなったんだろう)


と。



結局、吉良君のカミングアウトでお昼の時間があまりなくなったこともあり、魔法使いの話は放課後に改めて聞くことになったわ。


オリバー先生含め、この場にいるみんなはどうせ寮に住んでいるし、すぐに集まることが出来るものね。

心太、残念だったわね。


(まぁいいよ。吉良君とウィルソンさんが仲良くなってくれたから)


あら、心太がちゃんと先生してるわね。


(うるさいっての)


あらあら、拗ねちゃって。

さてみんな、残念ながら魔法使いのお話は次回に持ち越しみたい。


もう少し待っててね?

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