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魔法使いクラスの忍者先生  作者: メバ
魔法使いクラスの担任
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第30話:忍者の説明を始めます!

「それでは、忍者について改めて説明させていただきます」

寮の談話室で、心太が一同にそう声をかけた。


オリバー先生との手合わせのあと、私達は半ば強引にオリバー先生にここまで連れてこられたの。

目的はもちろん、忍者について説明してもらうため、ね。


元々はオリバー先生が手合わせに勝ったらという条件だったのだけれど、手合わせはオリバー先生曰く引き分け。

それなのに忍者について説明することになるのは、どうなのかしら?


(まぁそれは僕も思ったけどさ、クー。早めに話そうとは思ってたから都合はいいんだよね。それに・・・)

そう私に返事をする心太の視線の先にいるのは、真っ赤な髪を不機嫌そうにクシャッと掻きながらオリバー先生の隣に座る剛力君。


(剛力君はオリバー先生を尊敬しているみたいだからね。オリバー先生が居てくれたら、僕の話も聞いてくれそうだと思うんだ。一応、他の生徒達も聞いてくれるみたいだし、剛力君だけのけ者ってわけにもいかないからね)


心太の言う通り、この場にはM-2組の生徒全員とオリバー先生、そして斎藤ちゃんがいるの。


その中でも心太に興味深そうな目を向けているのは4人。

1人はこの場に全員を連れてきた張本人であるオリバー先生。

まぁ、これで興味なさそうだったらさすがの私でも怒るわ。


それと、ユリアちゃんも興味深そうに心太を見ているわね。

彼女は初日から忍者というものに興味を持っていたようだし、まぁそうなるわね。


あとの2人は犬飼君と吉良君。

2人とも心太の目の前に座っているわ。


忍者にも興味があるのかもしれないけれど、心太への信頼、かしら。

とにかく、心太へ良い感情を抱いているのが分かるわ。

ふふふ。心太を信頼してくれる生徒の第一号、かしら。


それ以外の生徒はどうかしら。

剛力君は心太も言う通りオリバー先生が来たから仕方なくついてきたって感じね。


朧ちゃんと華ちゃんは、なんとも言えないわね。

2人とも興味があるわけではないけど、まだ授業中だし勝手にどこかに行くわけにもいかない、ってとことかしら。


ちなみに整校長はそのままグラウンドに残ったようで、こちらにはついてこなかったわね。


こんなメンバーの中で、心太は忍者についての説明を始めたの。


「先日もお話ししたように、忍者には『忍力』という忍者の力の源ともいえるものがあります。

皆さん魔法使いでいうところの、魔力のようなものです。オリバー先生以外の皆さんには少しお話ししましたが、私はこの2つの力が、もとは1つ力なのではないかと考えています」

「へぇ、それは面白いね。心太、その根拠はあるのかい?」

ここでオリバー先生が割って入ってきたわね。

この前の教室でのやり取りと同じね。


「あー、それについては検証できていないですし、今回の説明とは少しずれてしまうので今日のところは割愛で」

「じゃぁ、その検証ってやつをするときには僕にも声をかけてよ。協力するからさ」


「それは助かります。その際にはお声掛けさせていただきますね。では、説明に戻ります。

先ほど話した忍力には、いくつかの特性があります。

その1つが(クー、出てきて)」


なによ、突然ね。


「この具現化です。クーのような具現獣や、武具を具現化させることが出来ます。多くの忍者は自身の特性に合うとされている武具を、それ以外の忍者は、このように具現獣を具現化することができますが、基本的にそれらは忍者となった一番最初に具現化し、以降別のものを具現化するということは基本的にはありません」


「小嵐教諭殿、その武具と具現獣の具現化、でしたかな。その2つの具現化に、違いや優劣などはあるのですかな?」

今度は吉良君が質問してきたわね。


っていうか心太、私はこのまま居て良いのかしら?

(クーが良ければ、そのまま居て。っと、それより吉良君に答えなきゃ)


「えぇと。特に優劣はないですかね。武具はそれを通して忍術を使うことで効果を上げることが出来たりして応用性があります。対して具現獣は彼ら自身が術を使うことが出来ますが、その分、術者の忍力が必要にはなるので、燃費が良いとは言えません。それぞれ一長一短といったところでしょうか。吉良君、疑問は晴れましたか?」

「はい、ありがとうございます。続けてください」


「では続けます。忍者は、この忍力のほかに別の力も使っています。心・技・体という3つの力です。

技の力は、武具の扱いを司ります。使い方によっては、空中で武具を自在に動かすこともできます。

体の力は、主に身体能力を向上させます。

そして心の力は、幻術などを使用したり、逆に打ち破ったりできるんです」


心太はそう言って、笑顔を全体へと向ける。


「ってことは、僕の魔法で作り上げた武器を操ったのは、その技の力ってやつなのかな?」

「オリバー先生、半分正解です。もしもあの時のたくさんの武器が、その辺に落ちていたものであれば技の力だけで何とかなった可能性はあります。

通常技の力は、自身が具現化した武具に使用して扱う力です。他の忍者が具現化した武具は、そう簡単には操ることができません。今回の場合も、あの武器はオリバー先生が魔法で作り上げたものだったために、技の力だけで操るのは難しいと考えました」

「はっ!ってことは、やっぱ約束破って忍術ってやつ使ったんじゃねーか。インチキしやがって」


そう声を上げたのは、やっぱり剛力君ね。

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