表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法使いクラスの忍者先生  作者: メバ
魔法使いクラスの担任
21/39

第20話:置いて行かれた!

生徒たちがそれぞれカバンから出したものは、心太が『魔法使いが空を飛ぶための定番の道具』と言い切る『箒』ではなかった。


吉良君は、教科書。あれは小学一年生の教科書かしら?かなりボロボロになっているみたい。

犬飼君は、三角定規みたいね。しかも教師が使う大きいやつ。


(え、なに?学用品で飛ぶの?)


心太のツッコミは放っておきましょうね。


剛力君は中華鍋、かしら?すっごくボロボロで穴が開いている。あれじゃ料理には使えそうにないわね。


(あ、学用品以外の物もあった)


ちょっと、心太うるさいわ。


(スーにだけは言われたくないんですけど!?)


さ、心太は無視無視!

ユリアちゃんは、ワイヤレス掃除機?


(あ、ここにきて一番箒に近い!)


そして華ちゃん(彩さんのことね)はジョウロ、朧ちゃん(幻中さんね)はいつも持っているぬいぐるみのクーちゃん、と。


みんな本当に持っているものがバラバラだけど、これでどう飛ぶのかしら?


「では皆さん、行きますよ。今回は町を一周することにします。では姿隠しと飛行、準備!!」

斎藤ちゃんがそういうと、生徒たちから魔力が放出された。


それによってか、それぞれの持っているものが宙へと浮き、みんなが思い思いに飛ぶ体制に入っているみたい。


犬飼君は大きな三角定規にスケボーの上に乗っているようね。

それ以外のみんなは、それぞれのものに座っているみたい。

剛力君も中華鍋に座るのね。ちょっと意外だわ。しかも丸い中華鍋の内側の方が収まりが良さそうなのに、わざわざ外側に座るなんて。


なぜだか、朧ちゃんだけはクマのぬいぐるみ、クーちゃんに抱き着いたまま飛ぶみたいね。

落っこちないのかしら?


「では、出発!」

斎藤ちゃんの合図と同時に、姿隠しをするのと同時に、飛び立ったみたい。

みたい、というのは、私にはその姿が見えなくなったから。


一方の心太はというと。


「は?え!?」

突然の出発にひとり焦っていたわ。


わたし?わたしは具現獣だから具現化されない限り、心太の中にいるの

今もずっと心太の中から話しているから、焦る必要はないのよ。


(だぁもぅ!何の説明も無しに飛ばないでほしいよ!!)


そう心の中で毒づきながら、心太は忍力を周りに薄く、広く展開させた。

こうすることで、この忍力の範囲にある人や物の位置を認識できるの。

こうすれば姿隠しをした魔法使いの居場所もわかるってわけなのよ。


(これ、最初から僕を置いていくつもりだったんだろうな、斎藤先生)


「でも残念!『飛翔の術』、と『忍隠(しのびかくし)の術』!」


その直後、心太の体がふわりと浮いた。



飛翔の術

その名のとおり空を飛ぶことができる忍術よ。魔法使いのように、特に道具は必要ないの。


忍隠の術

『姿隠し』の忍者版だと思ってもらって良いわ。この術を使うと、忍者以外の人には術者の存在が認識されないの。

まぁ調整次第で、声くらいは他者に聞こえるようにはできるのだけどね。



心太はこの2つの術を使って、斎藤ちゃんと生徒達を追い始めた。

術を使いながらも忍力を周りに展開させている心太はすぐに、斎藤ちゃん達に追いついたのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ