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第一話 一文無しの駆け出し冒険者と二流魔法使いの邂逅(Ⅱ)

めちゃムズイっす、それぞれの描写の使い方が分からない状況描写と心理描写を重ねていいのか、そもそも場面はどうやって表すのか、この作品もいって15万字程度だと思いますけれど、完結までに少しはまともな小説を書けるようになっているのか、現状不安はそれだけですね。なんと思われようが書きたいストーリーを何とか文にしているだけですし、読み手に喜ばれる作品になれば自分の妄想を共有できるようになるという事を考えて始めた執筆活動でもありますし、という事で。

 自由落下+魔力の放出エネルギーを加算して更なる加速力を至り、先ほどと同じように首に風穴を開けるべくナイフを突き立て刺突する。避けるにはボス兎の俊敏性が足りず、防ぐにも同じく早さが足りない、その巨体はいかにもパワー型で、一撃必殺の大技が失敗に終わればこちらのターンが続く筈だ。

「貫く!」右手に持ったみすぼらしいナイフで先ほどのリプレイを…。

 貫通を目指したこちらのナイフ野兎の首肉に一筋の切れ目を作って、完全に停止する。冷静に分析するのであれば厚い脂肪か筋肉によって加速の乗った渾身の一撃は止められた。

「『レンガの(ブリィクシールド)』突っ込み過ぎないでください、貴方が言ったように相手はボス兎です!」

 とても堅牢な盾が正面を守り、その直後にその盾を一撃で破壊する攻撃が、ボス兎から放たれる鈍重な一撃とその衝撃を守る様に背中に羽毛の様なモノで包まれた。

「センキュ、魔法使いちゃん。まだ頑張るから、さっきみたいな剣も撃っちゃってー」

「わかっています!けれど貴方が危な過ぎてこちらがカバーしているんです、自覚してください」青髪美少女に怒られてしまう、確かにそちらの事を考えては居なかった。

 ならばこちらは牽制をしつつ今一度、急所もしくはそれに準ずる場所を狙っていって最後の一手を彼女に任せる、動いていない野兎とは言え心臓を一突きで貫いたのは紛れもない事実、ならばこれがきっと最善策だろう。

 ちょこまか血を吸う為に集う蚊の様に、生肉にたかる蠅の如く、見れば処理したくなるような鬱陶しさでボス兎の周辺を飛び回る、彼女は知らないだろうがもうそろそろタイムリミットだ、やっぱり手を放す前に伝えるべきだったかもしれない。

「魔法使いちゃん、もう少しでこっちバテると思うからあと三手くらいで決めてくれーい」

「無茶言わないでください、あの魔法も細かな調整がいるんですよ?」

 動かない敵であれば、簡単に狙えるが動く敵には狙いが定めにくい、当たり前の話だった。それならばどうしたモノかと考える、勝ちの見込みがないと彼女を抱え逃げの一手を取るか、それとも彼女が信じた両方が得をする未来を掴み取るか。

「あ、そうだ狙いが定めやすい方法わかったー、簡単な事だったよ俺の居る位置をその剣の生成点にすれば、何もない空間を狙うより簡単じゃない?」

 我ながら完璧な作戦だ、時間も無いしこちらの腹辺りから剣を生やして貰えば一緒にボス兎の腹を貫けて、無駄な微調整も要らない、まさに一石二鳥の作戦だ。

「貴方のお腹を虚ろな剣が貫きますが、それでも大丈夫ですか?」

「……、遠慮しておきます」そう言われると怖い、(はらわた)をグチャグチャにと言う事、怖い。

 けれども時間は止まらないし、巻き戻る事も無い、ただ無為に過ぎていくリミットを前にして、動きを止める手立ても、倒す手立ても思い浮かばない、妙案は浮かばない。

「こうなったら賭けです、空から降らせます。勝手に避けてくださいね?『偽りの(ソードフィクション)』」

 こちらの返答も聞かずに魔法詠唱を完了させ、空に虚ろな剣が顕現し始める、きっと狙う事を諦めたという事だ、ただ空にある剣を落下させ当たればラッキー100本もあればその作戦でも間違いは無いのだろうが、見えるのは精々10本程度。

「行きます!全砲門発射準備!とにかく当てれば貫くだけの力はあります、心臓には…」

 不安そうな声を聞いて、当たれば貫く事が出来るという事実を聞いて、一つだけ妙案が思いつく。商品としての値が下がってしまうからこの手は余り使いたくないと思っていたが、内側であればきっとバレない、詐欺に近いかもしれないが殺す事はきっとできる。

「当てる事だけに集中してくれ、こっちは何とか態勢を崩すから」

「わかりました、砲門を調整します」

 きっとこれでリミットは使いきる、けれど使いきっても奥の手は使える力はある。

 地面に足を着き、クラウチングスタートの構えを取る、走る訳では無いがその状態の方がきっと初速が出しやすいとこの構えだと睨んでの結果だ、駆け出すと同時に空中を蹴飛ばし、その体制のまま後は背中から自身の後方という後方から、魔力を放出した。

「くらえ!冒険者キーック!」

 ボス兎の顔面をやや斜め下から上に蹴り上げる。全開速度から放たれる一撃は相手どころかこちらに決して軽くないダメージをもたらす事だろうが、しかしここは魔法の世界きっと治す術もあるだろうし、このボス兎ならばお金も少し弾んでもらえると信じて―。

「剣、発射します!」その声が聞こえたという事は、ボス兎の態勢は崩せたのであろう。

 残った魔力を戦闘機のバク転になるように放出し、丁度ボス兎の真上で魔力放出魔法を解除して、そのまま重力に任せて自由落下する、きっとボス兎の豊満なお腹で衝撃は少し軽くなる、そう淡い期待を抱きあとはやるべき事をやるだけ、昔から良く解らずに使えていた魔法でもない、けど大して役に立つことは無かった不思議な力。魔法の様な詠唱も変換も顕現すら必要ない、ただ一つ念じるだけ、けれどそれでは無意識に使ってしまうので詠唱というセーフティーを掛けた、本来はそれすらも要らない結果のみを起こす現象。

「中身を、心臓を潰せ『圧縮(プレッシング)』!」

 彼女の剣で開いた傷口に手を突っ込み、生暖かい内臓の感触を確かに覚えながらも、確かに動き生命の脈動を感じさせるものこの手で触る。本来は要らない筈のセーフティーを解除した。故にその力で起こる現象は魔法の様に詠唱、変換、そして顕現その全て一切を無視し、ただ一つの力の行使であれば望んだ通りに結果だけを生むその力。

 名称なども知らない、セーフティーに使っている名前もただ、そういう結果だからそう名付けたに過ぎない。起こす結果はただ一つ、物を圧縮する事のみ。

 脈動していた心臓らしき物を、一瞬で確実に圧縮しワンブロックサイズまで圧縮し潰す。確実に心臓の脈動を止めた事を確認し、ボス兎から腕を引き抜く。

「ふへぇー終わり―、これで生きていたら、もうそういう運命だと受け入れる―よー」

 圧力で押さえつけていた、ボス兎の心臓付近に通っていた血が一気に溢れ始めた。

「一体何をしたんですか?傷口に手を突っ込んだと思ったらいきなり、苦しみだしましたけれど…、本当に一体何をしたんですか?倒せたんですか、私達…」

 青髪の少女はキョトンと膝をつきこちらを眺めている、どこまでも間抜けなその顔を今は笑ってやりたいが、それよりも今はゆっくり空を見よう。心身両方が疲れた、街の外を出る時はお出かけ日和の晴れ模様だったが、次第に雲が流れゆき生憎の雨に変わりそうな曇り空へと移ろいゆく、だからこそ急いで帰らなければならないが今はもう少しだけこの余韻を味わいたい、達成感。前世でも殆ど味わった事が無かった、味わう前に死んだその感情を胸に、青髪の少女に一言伝える。

「倒せたらしいよ、ハハッ、思った以上にやれるじゃん、俺達」

「そう…ですね、これで今日の路銭くらいは、きっと…」

 野兎ではなく、ボス兎を倒したのだ、きっと報酬もたんまりと…。

「随分と大きい兎を飼ってきた所悪いが、コイツは毛皮くらいしか売れねーぞ?そもそもなんでお前らみたいな駆け出しがこんな奴相手にしてるんだ?コイツは厄介なだけで金にはならねぇーと嫌煙されていて…」

「そんなぁ、嘘だろ?俺はこれが駆け出し向けの依頼だって言われて倒したんだぞ?」

「私も気のいい男性にこれが一番向いていそうだと言われて」

 青年と少女は交渉する、だってあれだけ苦労したというのに、きっと何かの間違いだと信じている。本当にあれだけ苦労したのにもらえる金額はきっと宿代にも満たない。

「お前ら騙されているぞ?この街はそういう奴が偶にいるからな…、この街で冒険者をやっていくつもりなら気を付けた方がいい。だが、兎どものボスが居なくなったんだったら、交易路も一つでも作れるだろうから、少しは弾むさ」

 少しだけ弾むというだけあって、二人の依頼料を足せば一泊できる程度にはなった。

「まぁこの街に定住する気は更々ない、せめてアンタは駆け出し冒険者にはこういう嘘を吐かない人間のままでいてくれよ、割増してくれてさんきゅーな」

 元々決めていた事だ。後はなるようになれ死んだら死んだ、行ける場所は行って、運命の人に会えたら会う、会えなかったら会えない運命という訳だ、ほら良い人生だろう?

「定住しないんですね、定住した方が生活は安定しますよ?」

 青髪の彼女が語るもっともな意見だ、反論の余地は一切無い、普通に暮らすのであればそれでいいが、まぁそうはいかないのが自分の嫌な所だ。

「それもいいけど、俺の生き方には合わないから別にいいや」

「そうですか、わかりました。それじゃあお別れですね…、何とか宿代は手にはい…」

「嬢ちゃん悪いが、それじゃあどこの宿も泊まれないぞ?」

「えぇーーーー!?」

 青髪の少女の叫びがこの街に全体に広がった、だから絶望した少女の腕を引き、宿に連れて行き二人分の依頼料を宿屋代として払う、これで一日の穴風凌げる場所は確保完了さて俺はよくても、彼女はどうすればいいのやら。

「って、宿に連れ込んで何をするつもりですか?」

「何もしないよ一人で寝てろ、こっちは椅子で寝るから、それと今日はありがとう」

「それはどうも、ありがとうございます…」

 青髪の少女は素直に礼をした、どこか初々しく、そして恥じらいを持っている、まぁ年頃の人間であれば当然の反応な気もする。けれどこちらとしては、運命の人以外にときめかないという自負がある、そして事実上現在の年齢は38歳、肉体年齢が38歳な訳でも無いが、生きている年数は間違いなく38年。考え方を変えてしまえばそれ+19歳もうアラフィフ以上?マジで考えたくも無い。

「明日は明日の俺が決めるとして、それよりもだ。俺の名前はピース・トフェイ明日までの宿仲間だけどよろしくな!そして改めてさんきゅー」

 ずっと言いそびれていた事を青髪の彼女に話す、獲物を奪われて、奪われた事に激高して脅して、泣かして、納得して、そして協力して、今は同じ宿に居る、自分のクソっぷりが酷すぎて嫌われても止む無しと言った所。彼女は先程の反応から見るにこの街で冒険者を続けるのだろう、魔法だって俺なんか一生かかっても到達できない極地に居る。今日はたまたまあのクソジジイに騙されただけで、きっとやっていけるだろうだから今日だけの仲間だけど改めて手を差し出す。

「あぁ…、そう言えば私達自己紹介がまだでしたね、私はツフギ・ニティスィー、ツフギと呼んでください、こちらこそありがとうございました。さんきゅーですっ!」

 何か一つ違和感をピースは覚えるけれどそれに気づく事は一生ないだろう。ピースが差し出した手をツフギが両手で大事に掴む、何の問題も無いただの挨拶できっとこれからの人生の何気ない一部始終。

 明日にはどうにか街を出立するピース、そして街に残る選択肢を選ぶツフギ、いつかまた相見えた時はそれこそ、それぞれの宿を取れるくらいにはお金を持ち、あの時は最悪な出会いだったと言えるような知り合いになれるといいが、はたして自分にはそういう運命が待っているのかは、きっとその時が来るまでわからないだろう。


ここまで読んで頂きありがとうございました。

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