いつもの!! って言いたいのです
こんにちは~!! ひだまりのねこです。
馴染のお店とか行きつけのお店とかで「いつもの!!」ってスマートに言いたいですよね?
コロナ禍で外食の機会も無くなりましたが、ものは考えよう。日常生活の中でも、使うチャンスは転がっているのです。
今日はいつもの!! って言いたいだけのお話。
私が出勤してから最初にする仕事はお弁当の発注である。
なぜ私がなんて思わない。一番年下なんだから当たり前の話。
ありがたいことに契約しているお弁当屋さんに注文する場合は、費用は会社持ちとなるので、私は入社以来一度も外食をしていない。皆勤賞だ。
そして注文するのは決まって五穀米弁当。
バランスが良くてヘルシー。毎日食べても飽きの来ない味付けがじつに魅力的な弁当なのだ。
ところが、同僚たちはいつもバラバラ。しかも優柔不断でイライラする。ちょっとは注文をまとめる身にもなって欲しい。
もちろん私にだって仕事がある。早く発注して仕事に取り掛かりたいのに、お弁当の発注で30分近く取られることもある。これは憂慮すべき問題だろう。
そこで私は考えた。
そうだ、全員同じ弁当にすれば万事解決するではないかと。
そうと決まれば実行あるのみ。私は早速啓蒙活動を始めた。
五穀米弁当がいかに素晴らしいか、そして毎日同じものを食べてこそ体調の変化に気付きやすくなり、身体にも負担が少なくなるのだと、科学的な根拠を提示しながら力説する。
私は学生時代のバイトでベテラン社員の記録を塗り替える売上成績を出したことがある。
別に特別なことをしたわけではない。
徹底的に商品の歴史を調べ、他社競合製品の強みと弱みを研究する。
そうすると自社製品の強みと弱みがはっきりとしてくるので、ポイントを絞った売り込みが可能になるのだ。
もちろん自身で実際に使ってみるのは当然だ。実感のこもったトークは必ず相手にも伝わる。
大学を休学して約一年、時には全国を回ってひたすら売りまくった。
私は生まれつき共感性が高過ぎるので、超がつくほど対人が苦痛だ。出来れば一生自室にこもって本を読んで過ごしたいと思っている。
そんな私が大勢の人が集まるイベント会場で販売員をするとか正直死ぬほど辛かったが、生きるために大金が必要だったから選り好みしている余裕は無かった。
普段は封印しているチート、『共感性』をフル活用したおかげで、ぶっちぎりで売上トップとなったのだ。
すっかり各方面で有名になった私の元には、スカウトが殺到した。バイト先の超有名メーカーはもちろん、国内大手航空会社の両方から客室乗務員に指導してくれないかとオファーが来たし、超高級会員制組織からの引き抜きだったり、いくらでも出すと鼻息の荒い社長もいた。
いち学生に何を期待しているのかと困惑したが、当然すべて丁重にお断りした。
一年間という期間限定だったから、命懸けだったからやっただけで、接客を仕事にするなどありえない。
結果的に最低限の費用は稼ぐことは出来たが、精神的には疲弊してボロボロだったのだ。
今にして思う。この経験はきっと社内のお弁当問題を解決するために必要だったのだと。
ようするに同僚のお弁当をコントロールすることなど、私にとっては児戯に等しいのだ。
だが、理屈だけでは本当の意味で人の心は動かせない。
私に言われたからではなく、心からそうしたいと思わせなければ長くは続かないのだ。
そして私にはそのための武器がある。
「ねこってなんでそんなに痩せているの?」
ふふふ、来た来た。そう、私はめちゃくちゃスマートだ。背が高いこともあって、よりその印象が引き立っているのだ。
「え? 毎日五穀米弁当食べているからですよ。おかげで好きなだけデザートを食べられます」
嘘は言っていない。まあ痩せているのは、生まれつきの体質と食費を削るために会社のお弁当とパンの耳しか食べていないからだが。好きなだけデザートというのも、(買える範囲)で好きなだけ食べているから嘘ではない。
同僚は皆妙齢の女性かふくよかなおばさま。効果は抜群だ。
後は社長だが、そもそも社長は私にお任せだから最初から数には入れていない。
毎朝、出社すると私はお弁当屋さんに電話をかける。
「もしもし、いつもの!!」
わずか5秒で終了だ。じつに素晴らしい。
この世の中、思うようにいかないことはたくさんある。むしろ、ほとんど全てがそうかもしれない。
だからといって社会のせい、周囲のせいにして、逃げてばかりでは人生はつまらない。
まずは身近なところから、自分好みに変えてみる。
今日この瞬間、あなたが行動さえすれば、世界はキラッキラに生まれ変わるものなのですよ。