第5話 魔王の娘(1)
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「どういう事よ?」
ローズマリーはガレディアを睨み、アンペガサスを持ったまま彼女の行く手を阻むように正面に立って彼女を問いただした。
「そのままの意味よ。私、魔王の娘だったらしいの」
「随分下手な冗談ね」
「私も何かの冗談だと思ったけど本当だった。私は魔王の血を引いていた」
「君が魔王の血を引いていた事は分かった。……それで、何故王宮を襲撃した?君はこんな暴挙に出るような子じゃないでしょ」
「ごめん……。それは言えない」
周りが戦闘で騒がしい中、二人の間にしばらく沈黙が訪れ、それを先に沈黙を破ったのはローズマリーだった。
「何があったかは聞かない。だけど私は勇者として君を止める。悪く思わないで欲しい」
「私もこればかりはマリーが相手でも譲れない。私の邪魔をするなら私は貴方を倒して先に進む!」
ガレディアの足元から血のような赤い液体が溢れ出し、その液体は剣の形を作り上げ、彼女はその剣を手に取る。
ローズマリーも目を細めながら凛々しい顔つきでアンペガサスを構え、
「クラウディア王国七勇者が1人。愛の勇者ローズマリー・ヘルゲート、参る!!」
声を大にして自分の名前と肩書きを名乗った後に床を蹴り、ガレディアにアンペガサスを振り下ろした。
ガレディアは赤い液体で作った剣でローズマリーを受け止め、互いの刃がぶつかった金属音は戦場となった大広間の中でもとりわけ大きく鳴り響く。
両者は一歩も引かず、このままでは埒が開かないと判断したのか二人共一歩引き、互いの距離を取った。
「君と剣を交えるのは稽古の時以来かな」
「マリーの稽古、すごく厳しかったなあ。二度とやりたくないくらいね」
「でも君の剣の腕は確かだ、新人の兵士より君の方が遥かに強い。それに魔法の才もある。君には目を見張るものがあった。……こんな事になって残念だよ」
「マリー……」
ローズマリーは視線を落として悲しげな表情で呟き、ガレディアはそんな彼女をただじっと見ている事しか出来なかった。
次の瞬間、ガレディアの真横を何かが通り過ぎた。その直後に彼女の頬から一筋の傷が出来上がり、小量の血が頬を伝いながら流れ出した。
「……!」
何かを察したガレディアが背後を見ると壁に氷の結晶が矢のように突き刺さっており、再びローズマリーの方を向くと彼女の指先は冷気を帯び、先程の悲しげな表情と打って変わって放たれた氷の結晶のような冷たい視線をガレディアに向けていた。
「来なさいガレディア。君の全てを以て私を打ち負かして見せなさい。私は私の全てを以て君を叩き潰す」