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始まってしまった…!  作者: 本見りん


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39 焦りと揶揄い

 そこで、マティアス様はハタと何かに気がつく。そして身体を乗り出して私に問うた。


「! リリアンヌ? まさか……この話をカタリーナにしたなんて事は……!」


 あら、本気で焦ってらっしゃるわ。

 少し可愛くて、揶揄からかってみたい気持ちにもなったけれど、ずっと会えていないお二人なので可哀想なのでやめておく。


「大丈夫ですわ。お話しておりません」


 そう言うと、 マティアス様は安心されたのかほっと力を抜かれた。


「今回カタリーナ様をお訪ねしてお話したのは、主にソドムス侯爵家の事ですわね。途中からシュバリエ公爵もご参加され、知らなかった色んな事実をお聞きしました」


 そしてシュバリエ公爵家でお話した内容をざっと説明する。

 あらましお話しして、 マティアス様も驚かれる事も多かった。特に公爵様からお聞きした新情報よね…。

 勿論もちろん、このメンバーで情報を共有きょうゆうして良いと許可きょかています!


 そして、やはりご兄弟、気になさるのはダニエル様の事だった。勿論もちろんダニエル様に内緒にしてって言われた部分はお話していないけど。


「あのダニエルが……。学園内だけとはいえ君の護衛でいてくれるなんて……」


 成長を喜ぶ兄、と言った感じのようだわね。


「はい。レナルド様と2人でいるのを心配してくださって、かばいに来てくださったのです。そして大船おおぶねに乗ったつもりでいて、と。とても頼もしく思いましたわ。

…何かあれば誰かに怒られる、なんて仰ったりしてましたけど」


 あら最後は余計でしたね。


「怒られる? …誰かに言われて護衛を?」


 あ、しまった。そこに食いつかれてしまったわ。


「いえでも、上司の方に言われたようですけれど、『やっぱり兄上がお気に入りだから』と仰ってましたし、 ノーマン公爵ですよね? お兄様を気に入ってくださっての依頼だからと、一生懸命頑張ってくださっているご様子でしたわ」


 マティアス様はますます怪訝けげんなお顔をされた。


「ダニエルの軍での上司はノーマン公爵ではありませんよ。まだ学生の身ですからね。それにノーマン公爵がダニエルに頼むのは違和感が……。

リリアンヌ、最近ノーマン公爵かその関係者にお会いしたり、してませんよね?」


 あ、コレは、本当の婚約者だったらヤバいやつ? な気がする……。


 お父様にあの時に言われた『お前には婚約者がいるのだからね』ってセリフが頭をよぎった。


「えー、と……。お会い、しました、よ?」


 うふふ、と笑ってみる。


「…へー。どなたと、どちらで?」


 あら! さっきまでカタリーナ様の事で可愛らしかったマティアス様が、ジト目で私を見ていますわ……。

 ちっとも、可愛くありませんわよ……。


 うん、余計な一言って、本当に言わない方が良いわよね……。

 まさかこちらに飛び火が来るとは思わなかったわ……。


 そう思いながら、のがしてはくれないマティアス様に、この間街でノーマン公爵とお会いした時の事を洗いざらいお話する羽目はめになるのだった……。



~~~~~



「――と、いう訳で……。大した事はなかったのですが、ノーマン公爵はとても心配してくださって……。我が家の屋敷の者は皆、恐縮きょうしゅくしておりましたわ……。

公爵がお帰りになった後屋敷に帰った両親は、公爵においでいただいた事を大変光栄と興奮しきり、そしてお会い出来なかった事を心底悔しがっておりましたわ……」


 私があの日ノーマン公爵と会った日のことを説明すると、マティアス様はしばらだまられた。


 ん? この事をお知りになりたかったのよね? 私もしかしてまた藪蛇やぶへびになってた??


「ま、まあ、私が街をフラフラと出歩いていたのが悪かったのです。後で両親にも叱られましたわ……。以後気を付ける事といたします……。

ところで! マティアス様。実はカタリーナ様のドレスの事ですけれども……」


 よし! このまま話題を変えるわよ!


「リリアンヌ」


 いきなり、低い声で呼ばれた。

マティアス様は今までにない、厳しい目をされて私を見た。

 コレは、しかられるヤツでは??


「はいッ⁉︎」


 しまった、声が裏返っちゃったわ!


「…残念だけど、君はもう逃がしてはもらえないよ?」


 は? 何からですか?


「えーと……、別に逃げもかくれもしてませんけれども……?」


 え? というか、第2王子達に狙われてるって事⁉︎


「あのっ! シュバリエ公爵様が仰ったように、レナルド様は多分私に何かしようとされている訳ではないと……」


 焦って説明する私に、マティアス様は首を振り、


「違う。…そうではないよ、リリアンヌ。

君は……。今まで誰にも開けなかった扉を、いとも簡単に開けてしまった。

いくらご本人が気付いていなくても、周りが気付いてしまったら、もう猶予ゆうよはない。確実に君を捕まえに来るだろう」


 へ? 扉?


「いえあの……、何も開けてないですよ?

あぁ、あの、我が家の裏口の扉は開けにくかったのでこの間修理して直りました。

確かにあの扉は開けるのにコツがあって、私以外にはなかなか開けられなかったのですが……」


マティアス様は、がっくりと肩を落とされた。





お読みいただき、ありがとうございます。


マティアスは、リリアンヌの周りで何かが動き出した事を知ります。

本人はまったく気付いていませんが…。


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[一言] 何作目かぶりに楽しめる作品に出会いました。ありがとうございます!
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