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15.お望み通りに



「ってことで、以上がステータスの説明や。

 なんかわからんことあるか?」


「Zzz……」


「って、寝とるやないかーい!!」


「ひゃっ!? あ、終わった?」


「待て待てまーちゃん! ちゃんと聞いとったか!?」


「え? 聞いてるわけないじゃん。

 そんな、ネット小説じゃあるまいし、文字数稼ぎの説明セリフなんていらんとですよ。

 そんなもんは、あとがきかまえがきにでも隔離しろって話ですとよ」


「おっ、おう……」



 ジトっとした目つきで言う言葉は、至極まともな気がする……、いやいや、全然まともじゃねーよ!?

あー、でもなんか苛立ってらっしゃる様子。

ま、まぁ仕方ないか。無駄に説明されてもね、それで理解しろっってのも無理があるしね……?


 ともかく、苛立ちのあまりロールプレイガチ勢なのに、ネット小説とかいうゲーム外の話しちゃってるし、ここは逆らわないでおこう。



「とりあえず、武器選びで重要なんは、攻撃力の数値や」


「攻撃力? 今はええと、7かな?」


「ひっく……」


「うわっ……。私の攻撃力、低すぎ……!?」


「ま、まぁしゃないって。まだステータスに数値振ってないわけやしな」


「攻撃力上げた方がいいの?」


「まぁ待ちいや。そう簡単な話でもないしな。

 それに、攻撃力ちょっと上げたからって、すぐ強なるわけでもないし、まずは武器選びや」


「はーい」



 ご機嫌は直ったのか、素直な反応だ。

まーでも、この後すぐにまた不機嫌になりそうなんだけど……。どう説明したものか……。



「あー……。見たらわかるやろけど、武器にも攻撃力があるやろ?」


「うん。これが高い方が強いってことだよね?」


「とも限らんのが、ややこしいトコなんや」


「へ? なんで?」


「そら考えてみい。慣れてない奴が伝説の剣なんて、使いこなせると思うか?」


「思わなーい」


「せやろ? だから、いい武器やからって使いこなされへんだら、ただの棒とかわらんのや」


「なるほどー?」



 よしよし、先に概念の説明をしたほうが、まーちゃんには良いらしい。

効率厨特有の数字ばかりで語るのは、食いついた後の方がいいってことか。



「んで、ステータスの数字が関わってくるんや」


「7……」


「せや。今のまーちゃんやと、攻撃力10の武器と、100の武器、どっち使っても攻撃力7の武器と同じ効果しかあらへんねん」


「へっ!? 値段は全然違うのに!?」


「せや。武器の攻撃力ってのは、それと同じだけ使用者の攻撃力を求められるんや」


「じゃあ、攻撃力が高くても意味ないの?」


「んー、どっちかっていうと、上限値みたいなもんやな。

 攻撃力100の人なら、武器攻撃力10よりも、100使ったほうが強なるんや」


「んー、それだと、自分の攻撃力と同じくらいの武器使った方がいいんだね?」


「詳しい説明、いるか? 長いで?」


「簡単にお願いします」



 ここは「いらないです」と言ってくれた方が楽だったな……。

どこをどう端折るか悩むじゃないか。



「とりあえずまーちゃん、攻撃力100の武器にしとき」


「え? なんで?」


「100までは自分の攻撃力と同じだけの強さなんはさっきの説明でわかるやろ?」


「うん。私が100になるまでは、これで大丈夫ってことだよね?」


「せや。んで、この武器やと100超えた後は、攻撃力1上がるごとに1%攻撃力上がるんや」


「それって、101だと1%の101ってこと? 同じじゃない?」


「せや。だからこれでええんよ。

 武器攻撃力以上の攻撃力になったら、超えた分の攻撃力1上がるごとに、武器攻撃力の1%が追加されんねん」


「えっと、じゃぁもしかして、武器攻撃力が1000で、自分の攻撃力が1001だと、1%アップの1010になるってこと?」


「せや。呑み込みが早くて助かるわ。

 逆に90の武器を91が使ったら、90.9にかならんのや」


「だから100までは100の武器がいいって事なんだね!」


「せやな」



 と言いつつも、全力で製造職を目指すなら、おそらく攻撃力が100に達することはないんだけどな……。

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