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デス13ゲーム ~死神に命を懸けた者たち~  作者: 鷹司
とある少女のモノローグ
28/58

とある病院にて

 いつもならぐっすり眠りについている時間なのに、今夜はなぜか寝付きが悪かった。妙に精神がそわそわして、落ち着かなかった。



 体調の方に特に変わりはないのに、なんで、こんなに目が冴えてしまっているんだろう?



 胸の中に疑問が生まれた。そして、唐突に感じた。



 なんだか、すごくイヤな予感がする。



 脳裏にお兄ちゃんの顔が思い浮かんだ。毎日お見舞いに来てくれるはずなのに、そういえば今日は来なかった。形をともなわない漠然としたイヤな予感が、兄の顔と重なる。



 ひょっとして、お兄ちゃんの身になにかあったのかも……。

 だから、お見舞いにも来れなかったのかも……。

 それで、虫の知らせで眠れないのかも……。



 そこまで考えて、慌てて悪い考えを振り払う。



 そんなことない。だって、お兄ちゃんは私の為に毎日頑張っているんだから。

 優しいお兄ちゃんに、なにか良くないことが起こる訳がない。

 そうだ。悪いことなんか起きない。絶対に。


 

 心の中で自分に言い聞かせて、心の中で何度もうなずいた。


 そうしていると、ようやく精神が落ち着いてきた。これなら眠れそうだ。


 サイドテーブルに置いてある時計に目を向けた。


 深夜1時すぎ。



 もう寝よう。お兄ちゃん、おやすみなさい。



 目蓋を閉じかけたその時――。



 ベッドがギシギシと揺れだした。

 病室がガタガタと揺れだした。

 病院全体がゴドゴドと揺れだした。


 

 地震だ! それもすごく大きい!



「きゃあああああああああああああああああっっっっっーーーーーーー!」


 知らぬうちに、大きな悲鳴をあげていた。


 廊下からも絶叫が聞こえる。


 誰かを大声で呼ぶ看護師さんの叫び声が聞こえる。



 お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん……。



 私の……意識は……そこで…………途切…………れ…………た……………………。

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