人名一覧(永禄元年)・簡易年表
永禄元年(一五五八)
◯道祖家
道祖長三郎 通称:長三郎
天文八年(一五三九)二十歳
織田信長の馬廻り、知行百貫文(二百石相当)
代官や奉行などの吏僚として活動。
お妙 十九歳、道祖長三郎の妻
林秀貞の養女となり、長三郎に嫁いだ。
篠岡八右衛門 通称:八右衛門
道祖長三郎の初めての家臣。現在、知行十貫文。
長三郎の代わりに知行地の村を統率している。
林新次郎 通称:新次郎
林秀貞の一族、まもなく元服の予定。
道祖家に残りたいと思っている。
前田基勝 通称:孫十郎
天文八年(一五三九)二十歳
元は美濃の武士であったが長三郎の家臣になる。
現在、知行八貫文。史実の前田玄以。
道家清十郎 通称:清十郎
道家一族の出身で、守山に住む。
現在は長三郎の知行地に居候中。
道家助十郎 通称:助十郎
清十郎の弟。兄とともに槍を巧みに扱う。
現在は長三郎の知行地に居候中。
◯織田家
織田信長 通称:上総介
天文三年(一五三四)二十五歳
尾張を支配する織田家当主。
帰蝶 二十四歳、信長の正妻。
養子の奇妙丸を日本一の男にするのを目標にしている。
小さな壷にへそくりを貯めている。
奇妙丸 弘治元年(一五五五)四歳
帰蝶の養子で、父親の信長が抱き上げると大泣きする。
奇妙は並外れて優れているという意味で、出典は『三国伝記』。
吉乃 小折城城主の娘。
夫、土田弥平次が怪我がもとで死亡した後に信長の側室になる。
現在妊娠中。
織田信広 通称:三郎五郎
信長の異母兄。謀反を起こすが赦免されている。
娘が信長の養女となって丹羽長秀と婚約中。
土田御前 織田信長の母親。
孫の奇妙丸を可愛がっている。
また、松岳道悦の息子たちにも会いに行っている。
お市の方 天文十六年(一五四七)十二歳
斯波義銀が追放されたことで婚約を解消した。
次の相手をめぐって家臣団内で火花を散らす。
想 亡き斎藤道三の娘で帰蝶の妹。
信長の庇護下にある。
◯織田家家臣
前田利家 通称:又左衛門(又左)
天文六年(一五三七)二十二歳
信長の馬廻りで、槍の又左の異名で呼ばれる。
家臣として村井長八郎がいる。
佐々成政 通称:内蔵助
信長の馬廻り。比良城主である佐々隼人正の弟。
村井貞勝の娘のお香と結婚している。
木下藤吉郎 通称:藤吉郎
天文六年(一五三七)二十二歳
城仕えから武士に出世を遂げた。
浅野長勝に面倒を見てもらっている。
丹羽長秀 通称:五郎左衛門尉(五郎左)
天文四年(一五三五)二十四歳
家老の一人。那古野城改築の縄張りをしている。
織田信広の娘と婚約中。
滝川一益 通称:左近尉(左近)
大永五年(一五二五)三十四歳
蟹江城城主。伊勢方面を担当している。
林秀貞 通称:佐渡守
養女の妙が長三郎に嫁いでいる。
信長の筆頭家老であり、奇妙丸の傅役。
柴田勝家 通称:権六
大永二年(一五二二)三十七歳
家老の一人。攻勢では、自ら先頭になって戦う。
佐久間信盛 通称:半羽介
家老の一人。守勢の指揮官で真価を発揮する。
佐久間盛重 通称:大学助
家老の一人。卒なくなんでもこなす指揮官。
池田恒興 通称:勝三郎
天文五年(一五三六)二十三歳
信長の乳兄弟で近習筆頭。
河尻秀隆 通称:与兵衛尉(与兵衛)
大永七年(一五二七)三十二歳
信長の馬廻り。謀略の実行担当になることが多い。
祝重正 通称:弥三郎
信長の側近で諜報を担当。能が得意。
佐脇良之 通称:藤八郎
前田利家の弟。佐脇藤右衛門の養子になる。
信長の小姓。
斎藤長龍 通称:新五郎
斎藤道三の息子。
森可成 通称:三左衛門尉(三左)
大永三年(一五二三)三十六歳
足軽を率いる部将。
村井貞勝 通称:吉兵衛
織田家の吏僚筆頭。
娘のお香が佐々成政に嫁いでいる。
島田秀順 通称:所之介
軍事関係の吏僚。那古野城改築の奉行の一人。
塙直政 通称:九郎左衛門尉
信長の馬廻り。吏僚の村井貞勝の下でも活動している。
妹の直子が信長の庶子を生んでいる。
簗田政綱 通称:四左衛門
九坪城城主。
簗田広正 通称:左衛門太郎
簗田政綱の息子。信長の馬廻り。
浅野長勝 通称:又右衛門
弓衆を率いる足軽組頭。
寧々の養父。
◯その他
まつ 天文十六年(一五四七)十二歳
前田利家の従姉妹。前田家の家事一切を取り仕切る。
寧々 天文十七年(一五四八)十一歳
浅野長勝の養女。まつの親友。
お香 佐々成政の妻であり村井貞勝の娘。
気が強い女性。
斯波義銀 天文九年(一五四〇)十九歳
尾張守護であったが、追放される。
今川義元 通称:治部大輔
永正十六年(一五一九)四十歳
海道一の弓取りと呼ばれる大大名。
武田、北条と婚姻同盟を結んで尾張を狙っている。
斎藤高政 通称:新九郎→治部大輔
大永七年(一五二七)三十二歳
隠居した父斎藤道三を殺し、美濃の実権を握る。
重臣による合議制で盤石な政治情勢を構築済み。
◯故人
お通 享年十八歳
道祖長三郎の姉。帰蝶の侍女から織田信長の側女になる。
信長との間に奇妙丸が生まれる。出産後、死去する。
弟の長三郎が本当の長三郎でないと知っていた。
松岳道悦 織田信長の同母弟。
織田信勝や織田達成と名乗っていたが、出家により僧名になる。
織田信長の毒殺を謀ったことで殺された。
織田秀俊 通称:喜蔵
信長の異母兄で信広の弟。守山城で暗殺される。
史実では安房守とも名乗っていたが、そうなる前に死亡した。
織田秀孝 通称:喜六郎
享年十六歳。信長の同母弟、守山城周辺で謀殺された。
太原雪斎 享年六十歳
今川義元の軍師であり、黒衣の宰相。
尾張を舞台に信長包囲網を構築するが、志半ばで倒れた。
年表(年齢は長三郎)
天文十六年 九歳
長三郎、目覚める
天文十七年 十歳
三月、第二次小豆坂の戦い 長三郎の父が戦死
長三郎と織田信長が出会う
織田信秀と斎藤道三が和睦
天文十八年 十一歳
織田信長と帰蝶が結婚
九月、今川による西三河侵攻 長三郎が元服
十月、安祥城攻防戦 長三郎初陣
十一月、安祥城降伏 織田信広と松平竹千代との人質交換
天文二十一年 十四歳
三月、織田信秀死去
四月、鳴海城の山口親子が弾正忠家を離れて今川につく
赤塚の戦い
八月、織田大和守家によって松葉城と深田城が陥落
萱津の戦い 長三郎が中条家忠とともに坂井甚助を打ち取る
長三郎、道祖の名字と五貫文の禄を貰う。
十一月、今川と武田が婚姻同盟
天文二十二年 十五歳
閏正月、平手政秀自害
四月、聖徳寺の会見
熱田・津島・那古野間の道普請が行われる
天文二十三年 十六歳
一月、今川の侵攻によって重原城が落城し、村木砦が築かれる
美濃からの援軍安藤守就が那古野に到着
今川に味方する寺本城を落とす
村木砦を攻め落とす 長三郎の禄が十貫文になる
四月、斯波義統と織田信光が清洲城で織田大和守家に殺される
那古屋城籠城戦
斯波義銀を旗頭に清洲城を攻め落とす
五月、道祖長三郎が三十貫文の知行を貰う、姉お通が織田信長の側女になる
七月、今川と北条が婚姻同盟
十月、津島において今川の姿が確認される
十二月、武田と北条が婚姻同盟
天文二十四年・弘治元年 十七歳
五月、織田信長の嫡子奇妙丸が生まれる
六月、織田秀孝が守山城付近で謀殺される
八月、服部党と今川によって蟹江城が攻撃される
織田信勝が織田弾正忠達成を名乗り謀反
織田信長が織田伊勢守家を攻め、犬山城の織田信清に姉を嫁がせる
守山城の織田秀俊が暗殺され、織田達成に攻め落とされる
九月、織田信長と織田達成の間で休戦が成立
十月、天文から弘治に改元
閏十月、太原雪斎死去
十一月、美濃で斎藤利尚が謀反
弘治二年 十八歳
四月、長良川の戦い、斎藤道三戦死、長三郎の足軽戦死
八月、稲生の戦い
長三郎がお妙と婚約
織田達成が出家して松岳道悦になる
弘治三年 十九歳
二月、長三郎がお妙と結婚
七月、浮野の戦い、岩倉城を包囲
九月、織田信広が美濃の斎藤高政と共謀して謀反
織田信広、赦免される
岩倉城が落城、織田信長が尾張の大半を統一した
十月、織田信長が病に倒れる
十二月、松岳道悦によって斯波義銀が追放される
織田信長を毒殺しようとした松岳道悦が殺される