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ぐだぐだ異世界冒険譚  作者: 大錦蔵
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チート3人 普通のたくさん③

チート3人 普通のたくさん 下 は、あまりにも話が長くなりそうなので、数字で分断することになりました。 語り手の意見と物語が混同してるような表現になり、ところどころ読みにくいかもしれません。

再編集も何回かしております。(一番最後に編集し直したのは2018年2月28日)

・・・・・・すみません、自分の実力不足です。

 ・・・・・・フレイア・・・・・・まだ物語に出てきてないキャラクターなんだけど。


 ねえ作者さん? フレイアは、これから登場する女の子なんだよね? まだ出てきてないキャラクターを、語りナレーター役やらせるって、何を考えているの? 作者あなた


 それにフレイアは、理系で、熟語とか比喩とか大の苦手なんだけど? 大丈夫なの? 


 まあいいわ・・・・・・。もしフレイアが、ナレーションで、恥とかかいたら、憂さ晴らしに作者さんを消し炭にでもするから・・・・・・(蔑んだ目線で、作者を見下すフレイア)。


 (作者がフレイアに、複数の紙束を渡す)。


 コレを読めばいいのね? 大丈夫そう・・・・・・(束になっている書類に目を通すフレイア)。


 それじゃあ、つたなくて申し訳ないけど、今から物語を語らせていただくね。


 ダークエルフのマーマラは、自分の体の震えを止められずにいた・・・・・・いや止めようとしなかったのだ。ゲルタベ国立図書館の館内にある本棚という本棚が、カーブを描いている壁に沿って設置されている。

 他の館とは比べられないくらいなその多種多様な資料数と、天井のガラスに日差しがダイブするたびに、キラキラと輝いている光景を、眺める度自分の心を揺さぶられ、自分の体ごと感激を表現せずにはいられない彼女であった。


 ナナが落ち込んでいることを、自分の心の隅に滲み出しているマーマラであったが、せっかくの彼女の紹介で来た図書館なので、堪能しようと考えてたのだ。


 え? ナナちゃん何があったのかしら? フレイア何も知らないけど。


 「オイラは早速閉架書庫に行かせてもらうぜ?」と、イイキは、マーマラに背を向けながら、館内奥に進んでいった。


 あれ? イイキは、閉架書庫行こうとしてるけど、どういうこと? 普段は一般の人はいけないんじゃ?

 

 「イイキさんいいな~・・・・・・、私はどこのコーナーに行こうかしら、フフッ・・・・・・! 本たちの背表紙を眺めるだけでも、心がウキウキしますね~」と、木製の床をスキップしながら、棚に並べてある本たちを、目視するマーマラ。


「天井全てが~ガラス製~♪ 珍しくってっ珍しくってっ 本が山盛り~♪てんこ盛り~♫ 何読もっかっ何読もっかっ ウッフフのフ~♬ ・・・・・・・」と、マーマラは即興で考えた歌を歌っていた。

 美声なれども音痴なのだが。


 「すみませんが、ご来館のお客様・・・・・・図書館内は、他のお客様に御迷惑をおかけしますので、静かに願えませんか? あと危ないですので走るのは辞めてください」と、スキップしているマーマラに注意する図書館職員。


 「すっ・・・・・・すみません・・・・・・」と、頬を赤らめ、青菜に塩をかけるかのように ・・・・・・何この酷い文章? 神秘的なエルフ相手にたとえる喩えじゃない・・・・・・ ピンッ と立ったエルフ耳を ヘナヘナ と垂れ下げ、申し訳なさそうに謝るマーマラ。


 スキップしていた足を止め、ふと自分を注意した図書館職員の足元に、目線を落とすマーマラ。


 そこに幼女が立っていた。

 その幼女が、自分の存在をアピールするために、職員の裾を引っ張っている。別の手には眠り眼を軽くこすりつけていた。


 「なっなんですか? お客様? 何かご用件でも?」と、少し困惑したような顔をして、少女と目線を合わせるために、膝を曲げ、話しかける職員。


 「・・・・・・ちょっと明るすぎ・・・・・・もっと暗くできない・・・・・・?」


 マーマラにも負けないくらいの可憐な・・・・・・プラス、幼女とは思えないくらいの威厳ある声を、彼女は、職員に発した。


 ちなみに全体が窓カラスでできた天井の弊害が、これである。

 春夏の季節に真昼時では、明るすぎると感じる人もいるのは、仕方がないのである。10月だけど今。

 あと、曇りや夜の場合は、『ミクロサン』と呼ばれる、魔力でできた光の玉を、天井付近各地に、職員が浮かせるのだ。


 「あ~っはい! 了解しました。少し天井ガラスの光透過率を下げておきます」と承諾した職員は、その後自分の左腕を天井に向けるよう上げ、その先の空間に青い魔方陣を出現させた。


 屋内に来る光量は減るも、別に本を読んでも、目に悪影響しない程度まで、職員は加減した。


 幼女「うん・・・・・・ありがと・・・・・・」


 幼女の特徴は、半ば開いている朱色の目に、麗しさと冷淡さと威風堂々さが含まれていた。髪の色は桜色、軽くカーブをえがくショートヘアー。見た目の年齢は10歳~12歳程度。赤と黒の色を組み合わせた仕立ての良さそうなゴスロリを、普段着のように着こなしており、胸元にあるリボンは、ドラゴンの翼を模すデザインになっていた。幼女なれども、マーマラは彼女の顔立ちの良さや漂わせたカリスマ性の雰囲気に、ただただ呑まれて、仁王立ちして黙って眺めていた。・・・・・・見惚れていたのだ。その美しさと威圧感に。

 

 ・・・・・・?


 ・・・・・・あとあの幼女は人外である。頭の両サイドには、怪しい紫色の光沢がある、漆黒色のヤギみたいな角が生えており、額の右ら辺、首元の左ら辺に、角と同じ色のドラゴンのような鱗が覆ってある。その鱗鱗の隙間から、妖しく赤い輝く光が、かすかに漏れていた。そして背中には小さな西洋の竜の翼があ・・・・・・この説明・・・・・・え? 





・・・・・・フレイアのこと?


 ・・・・・・あ~、思い出してきた、あの時は寝ぼけていたからうろ覚えしてたんだよね。たしかにフレイアは、3日前にこの図書館にいて、ダークエルフのお姉さんとか見かけたんだよね・・・・・・つまりフレイアは、延々自分フレイアの説明をしてたってことになるわけ?・・・・・・というか何この書類? ・・・・・・幼女?・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フレイアが?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・作者あいつ本当にあとで、火あぶりにでもしてやろうかな?


 その幼女は・・・・・・もといフレイアのことね、は、トボトボとその場から離れ、自分が座ったであろう席について、自分の腕を枕にするように、隣に設置してある机に顔を伏せて、眠りに落ちた。


 彼女が伏せた机には、経理学やら、経営学などの小難しそうな分厚い本を、多く重ね置きしているのだが、唯一そこらへんに開いている本は、うさぎと亀が会話する描写がなされている、少し不条理的な絵本のみであった。


 ・・・・・・・・・・・・いや、フレイアが、絵本読んでたのは、少し頭休憩するため・・・・・・そう! 休憩するため! 休憩しただけだから・・・・・・ちゃんと勉強しているから。いつも、国に提出する書類とか、フレイアがやらなきゃいけないのは、わかってるのだけど、『アイツ』に任せっきりにしちゃったの。一応私フレイアだって、頑張ってるんだよ? ・・・・・・言い訳とかじゃないからねコレ。


 数分後、マーマラがいる南口主玄関反対方面~。 


 ゲルタベ国立図書館の北口玄関から、とある集団が、入館してきた。


 彼らの殆どは、白色フード付きマントを頭から、足元まで、自分を覆い隠しており、口元に黒色の薄い布を巻きつけていた。その群衆の先頭に立っている白髪ポニーテール式三つ編みおさげ男だけは、別の格好をしている。


 彼の他の特徴は、角ばったメガネを装着しており、服装はローブで、両手に分厚いシルク素材の白色な手袋を履いている。彼の周りには、様々な種類の本を、魔術で浮かせていた。見かけの年齢は20代前半に見える。


 メガネを掛けた男は、館内を見回りしている司書に声をかけた。


 「『冥読本蟲デスブックワーム』はどこにいやがる?」


 司書「はっはい・・・・・・?」


 メガネを掛けた男は、「チッ!!」と舌打ちをし、自分の周りに浮かせてある本の一つを、魔力で開帳し、その開いているページに、手を突っ込んだ。そこから拳銃ピストルを掴んだ状態で、本からその手を離した。


 突っ込まれたそのページには、傷一つついていないが、多々ある文章の中に、数文字ほどの脱字(空白)が生まれた。


 その拳銃の銃口を、司書のこめかみに押し付け、それから「聞こえなかったか? ババア!! あのメガネザルは、この館のどこにいるっつってんだよ!!?」と、脅しつける。


 「あっあの・・・・・・なんですかコレ?」と、メガネを掛けた男に、胸ぐらをつかまれた司書は、いきなりのことで困惑し、見たこともない物体に、疑問を口にする。


 この国に、拳銃を始めとして、ライフルやらガトリング、手榴弾などの銃火器等は、基本的には存在していない。


 メガネを掛けた男「ああっめんどくせえ、見てろ!!」


 彼が銃口を、誰もいない床に向けて、発砲した。 ダンッ!! という激しい衝撃音が、図書館全体に響く。


 「え? ええ!?」と、顔に冷や汗を流し、混乱する司書。・・・・・・いきなりシリアスになった!?・・・・・・どういうこと作者さん!?


 発砲音が響いた後、まるでそれが合図みたいに、彼の後ろにいた人物たちが、合掌を開始・・・・・・その瞬間、館内の床全体に、妖しく光る緑色の魔方陣が出現し、屋内全体に『シールド』の膜を纏わせた。


 半透明の膜を張り付かれた図書館の、全玄関口及び窓には、鼠一匹出入りできなくなってしまったのだ。

 強度は、ナナちゃんの究極技でも、ヒビ一つつかないだろう。


 いきなりのことで、他の職員客員が混乱し、誰かが悲鳴を上げ、まさしく混沌。


 メガネを掛けた男が、再び司書のこめかみに、銃口を押し付けたあと、自分が率いた者達に顔を合わせ、「てめえら、『あの本』を探せ、数人は閉架書庫を物色しろ! 『メガネザル』を発見した際にはすぐに俺を呼べ、邪魔するものは殺せ!!」と命令した。


 フードをかぶった人たちの中の一人「了解しました! 院長!」

 あと、作者が付け足してた。院長の部下が出す声は、布巻きつけているからくぐもっている。


 フードをかぶった者たちは、図書館各地に散らばり、走りながら膨大な本の背表紙を目視している。


 「こっこれは一体・・・・・・あなた達は何を・・・・・・?」と、見慣れぬ武器に怯え、喉が引きつっている中、胸ぐらをつかまれたまま司書は、『院長』と呼ばれる男に目的を問いた。


 「ああっ・・・・・・!? あとで教えてやるよ!! 今はあの女をぶち殺さなきゃならん!! ナナ のことだよ!? 日曜日の午後らへんに確実にここに通っているって情報があんだ!! てめえは黙って俺の言うことを聞けばいいだけなんだよ!! かくしてねえで吐け!! アイツはこの館のどこにいる!?」と、眉毛を釣り上げ、押し付けていた銃の持ち手に力を込め、荒々しく返答する院長。


 



 「ハァッハァッ・・・・・・あなたたち! ゼェ・・・・・・そこで何をやっているのですか!? 司書さんを離しなさい!!」


 院長に啖呵を切る声の主はマーマラ。発砲音を聞き、異常を感じて、数分でここにたどり着いたのである。


 かなりの速度で走ったのか、彼女は、息を荒らしていた。


 院長「あっ!? なんだてめえ!?  死にたくなかったら、下がってろ!!」


 「コレを見てください!!」と言ったマーマラは、天に向けて左手を上げ、自分の頭上に、人鳥ハーピーを始め空を駆ける生物が、自分の攻撃範囲にいないことを チラチラ 三度確認した。


 天井といえば、警備員達は本館ではなく長方形の建物屋上にいた。



マーマラの周辺にいる人々「・・・・・・?」


 マーマラの掌に魔方陣が出現し、そこから青白く光るレーザーが発射された。

 光魔術『ライト』・・・・・・ただ単に暗い夜道や洞窟内に、明るく照らす一筋の光を与える。光魔術の中でも、利便性が高く日用で使われている基本中の基本的な技なのだ。もちろん攻撃用の魔術ではないので、人畜無害である。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・『普通』の人や亜人が使った場合の話なのだが・・・・・・。






 マーマラの周辺にいる人々「・・・・・・え」












 彼女の日用光線が、館内の群衆が強固だと思われた魔力防壁を、半径2メートルほどの大きさで、あっさりと天井ごと撃ち抜き、地響きを生み、そのまま地上から数億キロも離れている、大きさ木星に匹敵する星を安々と貫通した・・・・・・何? このふざけた文章? 作者さん・・・・・・フレイアが寝ている間、本当にこんなこと起きたの?


 (原作者が、フレイアに、とある新聞を見せる。その新聞の内容には、図書館の天井から光線が貫き、そのまま天に轟くのを、住人が目撃したことが記載されてあった)。


 ・・・・・・信用していいの? 新聞コレ・・・・・・本当? ・・・・・・。




 ま、まあ気にせず続けるね・・・・・・。その光景を目撃した賊【院長達を指す】を含める、マーマラの周りにいる人全員は、開いた口を塞ぐのを忘れ、放心していた。・・・・・・だよね・・・・・・。


 「私はこれほどまでの、魔力を有しているのです! あなた! 乱暴はやめて、司書さんを離しなさい!! 見たでしょう!? 私はあなた達をあっけなく殺害する力を備えているのです!!」と、自分の腰が引け、内股になっている両足が震えるのをこらえる中、マーマラは勇気を振り絞り、賊たちに怒涛の恐喝を繰り広げた。


 彼女の威嚇射撃を見たフートをかぶった人たちは、オロオロと自分たちの顔を見合わせ、賊の指揮官らしきメガネ男院長に、指示を下してくれと、己の表情や体全体のジェスチャーで、意思表示を試みようとした。


 フードをかぶった者の一人「そんな・・・・・・隕石がぶつかっても、ヒビ一つつかない魔力防壁が・・・・・・あっさり・・・・・・」



 メガネを掛けた男「落ち着けええええええ!! グズ共おおおおおお!! あのあまは、人に向かって、攻撃なんざできねえ! 思い出したんだよアイツの正体!! たしか医療棟ウチのナースが言っていたこと!」


 ピクリッ と片眉毛を動かし、苦虫を噛み潰したような表情を見せるマーマラ。


 院長「お前・・・・・・マギク魔術専門高校の中退生だろ? マーマラくん」


 「アカネちゃん・・・・・・!?」と、院長の発言に反応し、無意識にとある名前をつぶやくマーマラ。なぜ自分の名前を彼が知ってるのか、気にする余裕もない。


 マーマラの喉が引きつり、自分の拳を ギュッ と握りる。背中に冷や汗を流れるのを彼女自身感じた。

 顔にも出てたのか、マーマラの言葉と様子を眺めて気づいた院長は、逆ハの字になっている眉毛の力を抜き、嬉しそうに優越感に浸っていた。


 院長「 図 ッ ボ ッ シ だな~? 続けて言うぜ? そこの卒業生アカネチャンがよ? 医療棟でお前の陰口言ってたぜ。・・・・・・あのビビリダークエルフがさ、魔力を持ち腐れしているのに全然魔術使おうとしなくて、先生に叱られぱなっしで劣等生! まじうける!! ・・・・・・とかな・・・・・・あのナースを、お前は友達だと思っていたが、仮初だってよ! その友情」 


 信じられないというような顔をしたまま彼の話を聞かされたマーマラは、涙目で ヘナヘナ と自分の膝を床に着けた。 ・・・・・・酷い・・・・・・ダークエルフのお姉さん可哀想過ぎる・・・・・・もうフレイアはあの腐れ院長とかいう悪党を、水素爆発で吹き飛ばしたくなったよッ!!


 「院長・・・・・・彼女が我々を攻撃しない保証を、自分は断定できませんが・・・・・・?」と、二階【この館の二階は、本棚一列含んだ状態の道は幅六メートルで、その二階にいる者は、自分の真下以外は、下の階がだいたい羨望できる】にいるフードをかぶった者の一人が、柵に両腕を乗せ、院長を見下ろした状態で、疑問を表した。



 院長は、質問した部下を見上げ「おおいいぜ?・・・・・教えてやる。このあまはな? な ぜ か『この世界』に分布してあるありふれた魔力のうち、体内に『その七割』を独占してんだ! でっけえ恒星九十八個分のエネルギーがな・・・・・・二百九十三年前の古文書しんぶんしに、占い師の投稿にあった」と説明した。


 「え? 恒星? はっ?」と、キョトンとした顔で、何が何やらわからないという顔を表す賊の一人。


 まあ恒星という言葉はフレイアは知ってるけど・・・・・・たしか自ら光を発する星のことだよね? え? 人の体内に恒星以上のエネルギーがあるってこと? ダークエルフのお姉さんの体に? 九十八個分? もうフレイアも何が何やら・・・・・・。


 「そして・・・・・・」と、淡々と述べている院長は、マーマラに目配せ、つづけて「ククッ! 全然制御できないよなっ? 魔術のオンオフはなんとかできるが、加減は一切できねえ・・・・・・練習しようにも一つ一つの日用魔術使おうもんなら、一挙一動マジモンの神話が生まれるからなあ、邪神がやる・・・・・・」と、彼が彼女についての噂を、高らかにそして愉しそうに語っている途中・・・・・・。



 マーマラ「・・・・・・れない」


 院長「はッ?」


 「・・・・・・れない、折れない・・・・・・折れませんよ!!? どんなこと言われようとも、あなた達の悪行を止めるっ!! ここで諦めたら私は、お姉さまに顔向けできなくなる!! あの時お姉さまが仰ったこと『どんなに自分が憎い人であろうとも・・・・・・どんなに自分が興味がない人であろうとも・・・・・・困っている所を見かけたら、助けてあげてね』という教えを護るため、私は折れません!! 絶対に!!」と、急に彼女は立ち上がり、叫ぶように熱弁した。


 ちなみにナナが言った名言は、本人ではなく、マーマらの脳内お姉さまが、勝手に口にした言葉である。・・・・・・つまり彼女の妄想ってわけね・・・・・・ナナがそんなだいそれたこと言うわけないもの・・・・・・あとナナとも知り合いってわけね・・・・・・どうでもいいけど、主人公ナナだよね? なんかお姉さんがそのイス替わって座るかもしれないけど。


 「ああ、そう・・・・・・」と、つぶやきながら、マーマラの方に向かって歩み寄る院長。

 彼女の全身に、緊張感が走り、激しくこわばる。


 院長が、いきなりマーマラの腕を掴んだ。彼女の鼓動が早くなり、血の気が引く。彼は何を思ったのか、自分の胸板に、彼女の手のひらを密着させた。


 マーマラの頭の中には、クエスチョンマークがまとわり付き、額に冷や汗を流しながらも、 キッ と、その敵に睨みつけた。


 「やってみろよ?」



 マーマラ「えっ?」


 「やれるものならやってみろよ? ほらここ、 ドクンドクン と感じるだろ? ここに魔術で攻撃してやればすぐにこの問題のかたがつくぜ? 俺のデク部下共は、俺が死んだら、どうすりゃいいのかわからずにトンズラこいて失脚する。まあお前の場合は、俺だけじゃなく・・・・・・攻撃したその先の軌道上にある生物も、町も、国も、世界も・・・・・・み~んなハチャメチャのめっちゃくっちゃにするんだがな?」


 「くっ!!」と、マーマラは、自分を掴んでいる院長の腕を解き、院長に背を向け、一目散に駆けていった。彼女は司書を見捨てるつもりは無い。しかし自分が仁王立ちしたままでは、状況は何も好転しないと思い、院長が司書を攻撃しないと賭けて、動くことを選んだ。人質ならそうあっさり殺しはしないだろうと、少し楽観的で、危ない選択を実行してしまった。

 



 相手の銃器での狙いが定まらないように、 ジグザグ に、自分が入った正門入り口まで、走っていく。



 院長の顔が、シラけた・・・・・・彼の言葉で、彼女の苦悶した顔を見れずに、残念としたのだ。


 「チッ!! 意外にもアイツが見捨てるという選択選びやがったな、俺が言うのも何だが、薄情なエルフだ! なんのため、あの司書ババアを人質に取ったのかわかんねえ!! 試しに脅しときゃよかった!! まあ人質になる価値があるかどうかわかったもんじゃねえわなっ! 司書様ッ!!」と、涙目になっている司書に向かって、追い打ちをかけるように悪態をつく院長。


 ご年配に向かって、なんて酷いことを・・・・・・。


・・・・・・う~ん、話し変わるけど、マーマラお姉さんの魔力がすごいって知ったけど、呪術系や付加魔術とかなら、技が暴走しないような印象とかあるけどな・・・・・・え? それらが特に、彼女の技の中で、非常に危険だって? (作者からもう一つの書類を渡されるフレイア) ・・・・・・え~と・・・・・・例の一つとして、仮に彼女が、一人個人のみを対象にした『つもり』の熱耐性強化の魔術を使用した場合・・・・・・魔力が暴走して、数日待たずに世界全体に、氷河期が訪れ・・・・・・生物の種類九割が死滅する・・・・・・うんわかった!


 「おいてめえら!! アイツを追え! アイツのみが、お前らの防御壁を破れる能力を持つ。アイツが外に出て、憲兵団(ハイエナ)を呼び、侵入経路作られたら、洒落にならねえ!! 追え!!」と、院長は、恐れおののいている司書の襟をいまだに離さないまま、自分の連れに怒鳴り散らす。


 マーマラが走っているさなか、机に伏して寝ている女の子が、彼女の視界に入った。・・・・・・フレイアのことだね? なんか少し恥ずかしい・・・・・・。


 ああっ危ない!! あの女の子から、少しでも離れないと、私のせいで敵の攻撃に巻き込まれたら大変!! などと考えながら、息を乱しているマーマラは、幼女のいる席に対して大きな孤を描くように避けて駆けていった。・・・・・・うん・・・・・・フレイアのことを気遣ってくれたんだよね? 優しい・・・・・・あと作者あなたは、フレイアを何度も幼女呼ばわりしたこと後悔させてもいいんだよ?


 











 走っていたマーマラは、いきなり倒れ伏した。転んだのではない・・・・・・ ドッ というような音が彼女の周りから発され、自分の腹部を抱えながら、悲痛な顔を表していた。


 「お姉さん・・・・・・?」


 たまたまその時起き上がり、寝ぼけ眼をこすりつけているフレイアは、瞳を潤わせ、苦痛に怯えているダークエルフの姿を、視界に入れた。



 「成功いたしましたよ! 院長!! 無事あの女郎のお腹に、毒砲弾命中しました!! コレで院長のハートがゲッツできます!!」と、二階で身を潜めていた女性らしき、フードをかぶった者が、マーマラの悶える姿を見ながら、恍惚状態で喜びを語っていた。


 ただその狂喜も長くは続かない・・・・・・いたいけな幼女から発せられた熱気とも言えるオーラが、その賊の背一面に、 ゾアッ と感じるような氷点下ほどの寒気を駆け巡らせた。


 その時のフレイアにとって、マーマラも、賊の一人も、等しくただの赤の他人である・・・・・・私怨も恩義もあったものではない・・・・・・だが明確に敵か、護る対象か、彼女の中で決まったのだ。


 許せなかったのだ・・・・・・苦しむ女性の顔を見ながら、喜んでいる人のことを・・・・・・。


 怒気をかすかに潜めた寝ぼけ眼が、二階にいる敵を眺めている。その賊は、動けないでいた、一言も喋れないでいた・・・・・・フレイアの発する憎しみが、自分の足をすくめ、攻撃態勢を整えるための士気が、根こそぎ取られたような感覚に陥っていた。


 麗しい唇から、こんな一言が・・・・・・。



 「一酸化炭素中毒・・・・・・」


 


  


 



 


   

 




 

 



 


  
















 










 


 


 


 


 


 


 


 


 




 


 


 


 

 フ・・・・・・フレイアちゃん怖い・・・・・・。

 憲兵って、本来の意味は、陸軍内の秩序を護る等の仕事を任された兵らしいのですが、マルウェー国ではもっぱら、国そのものの治安を護ることが、主な業務となっています。

 国家憲兵とかいうのですね。

 

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