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劇作家による転生劇  作者: アルヒトバルス
13/16

ぼくの夏期長期休暇

家庭の事情で遅れました

申し訳ないですm(._.)m

こうして、森の中にいるとカブトムシを捕まえたりしに行っていた前世での子供の頃を思い出す、あいにくこの山は夏だというのにセミすら鳴いてないから日本とは生息している虫も違う物ばかりだろう。



私は今ジュリウス少年を待っているところだ。


この山はさすが避暑地というべきか夏の暑さを感じさせない、マイナスイオンとやらが溢れていたりするのだろうか?


ジュリウス少年にメリーを紹介したかったが生憎メリーは体調が優れないとのこと、元からあまり体が強くないのにワクワクで眠れなかったことが響いてるのかもしれない。


付き添ってやるのが友達だろうと息巻いていたが弱った情けない姿を見られたくないと部屋の前で門前払い…武人か!


仕方ないので一人でまた聖書を眺めながらボーッとしている。

20分ぐらい経っただろうか?


ジュリウスがやって来た。


「こんにちはイザーク、待ったかな?」


「いや、そこまで遅くないさ。」


この世界では時計は高価なので子供は基本持っていない、これぐらいの遅刻は全然許容範囲内である。けっして私が友達に甘いわけではないぞ。


「何を読んでいたのかな?」


「あぁ、聖書だよ何時でも世界中でベストセラーの本さ。」


「へぇ都会の本かい?」


「…いや、うん。どこでも買えるかな?」


天然で返されてしまった。聖書は普及させてナンボだから比較的安価で農村にも一冊くらいは伝わっていてもいいはずだが堅苦しいし小難しいのでホイホイ見かけるほど蔓延してるわけではないのかもしれない。


「よかったら貸そうか?」


「いいの?でも本なんて読んだことはないからなぁ…」


ジュリウスぐらいの年齢だと恐らく商業技術の一環として文字を習い始めたばかりなのだろう。


あ、そもそもラテール語だった…


「この本は古い言葉で書かれていて読めると周りから『賢い』と思われるものなんだ、後々役に立つかもしれないからあげる。

教会の牧師様辺りなら読めると思うから学ぶといい。」


「ホントに!」


「あぁ、もう全部覚えたからね」


「なら、イザークは『賢い』んだね!」


「そういうことだ(ドヤァ)」


いや、まぁこの年代の子供は純粋だから簡単に憧れを抱くから別にこれぐらいの賛辞は本当に大して自慢にならないのだが…

友人から尊敬されるのも悪くないものだな。


キラキラした目をこちらに向けながらペラペラとページをめくり

適当なところで止めたジュリウスが


「じゃあさ、53章11節は?」


え?そんな中途半端なとこから!?暗記してるなんて言ったけどさ。


「『主は悪人にも善人にも、平等に機会を与える。悪人に更正を善人には天上への切符を得る機会を』だったかな?」


冷静に考えてペラペラとめくると一番へたれたところが開かれる可能性が高い!よって、この間開いて伏せたままにして癖のついたページに書かれていた言葉でファイナルア〇サー!

要するに当てずっぽうである。


「すごいね!ホントに覚えてるんだ!」


ヤバイ今後のハードルが高くなってる気がする。


その日はラテール語の基礎を教えてジュリウスとは別れた。



翌日、メリーは元気になっていたが病み上がりということもあり一日安静を言い渡されている。

ジュリウスとも会いたいがメリーを放置するのも悪い、今日はジュリウスとはラテール語の復習を軽くしたら早めに切り上げさせてもらおう。


その予定通りにジュリウスと会って復習をしたが物覚えがいいようでミスもほとんどなく驚いた。

ジュリウスに屋敷に待たせている人がいると言ったらすぐに

「ぼくのことはいいから帰ってかまわない」と言ってくれた。

物分かりもいい優良な友だ、流石は私の友達である。



ちなみにもう一人の友人兼待たせている人であるメリーは屋敷に私が帰ってくるなり無邪気に絵本を無限ループをさせている。

無限ループって怖くない?


その日の夜は異国の肌の黒い人を洗い続ける夢をみた。

その人は何度も何度も「白くなるまで洗ってくれ」と繰返し私が洗う手を止めると静かに顔を近づけ感情の無い瞳で

「まだ、白くなっていないぞ」と言ってくる

その静かな脅迫から逃れられずにまた手を動かす…


こえぇよ!マジで!



まぁ悪夢はおいといて本日ようやくメリーとジュリウスを顔合わせさせれると思ったが例の場所にジュリウスがいない。

腰掛けにしていた岩に木片が置いてあった。


「今日は無理 ごめんね」



と書かれていた。何かあったのだろうか?



_________________________


「このっ穀潰しがぁ!」


バシってよりガツンと平手打ちされる、イザークと遊ぶのは兄達から見れば時間の無駄遣いで真面目に働いてる兄達と違って仕事もまだ軽いものしかないぼくがズルをしていると感じるのだろう。



張り倒されたまま死んだフリのように痛がって起きれないような動きをする。


兄達は力が強い、いやになるな…

力は無理でもどうにか兄達より強い立場になれないかなぁ。


何とぞ平にご容赦をm(._.)m

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