表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たまずさ  作者: 歩野
37/41

37  現在

 あれから十年以上経つが、それっきり僕と志保は一度も会っていない。

 幸いにも最後に会った日から二年と経たず、風の便りで志保が結婚したと知った。

 配偶者とは知り合って半年だという。

 (かたく)なに結婚を拒否し、自分の血を子孫に残したくないと、断固と思っていた僕も、今は結婚して一児の父親になっている。

 おしどり夫婦とはいかず、不和を起こす事も間々(まま)あるが、とにもかくにも子供は可愛い。

 若い頃は好奇心と困難への欲求から波瀾にとんだ生活を送っていたが、今はサラリーマンになり、平凡に、幸せに暮らしている。

 きっと志保も幸せにしていると僕は信じている。


 志保にとって僕は迷惑以外の何物でもなかったのかもしれないけれど、僕には志保との思い出がかけがえのないものとして残っている。


 志保にはもう会う事はないのかもしれないが、それは問題ではない。

 純粋に生きていたあの頃、僕のそばに志保がいてくれた事が大切なのだ。


 志保との美しい思い出は今でも心の中にひっそりとあり、それは終生消え去る事はないだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ