02 私、暴走
そんなこんななトラブルの果て、異世界に流れ着いた私!
右も左りも分からない状況で、異世界ストリートに放り出されちまったよい!
でも、私がやってた乙女ゲームの世界なんだから、まだましかな。
知ってる単語、ちょくちょく聞こえるし。
今は原作開始ちょっと前の時期みたい。
でも、それはそれとして。
ただの女子高生を何の説明もなしに、いきなり異世界にほうりこむとか、なくない?
「ああっ、なんて可哀想! 今の私、すごく可哀想っ!」
とりあえず悲劇の主人公ぶってみた。
こうしてれば何かイベント起きるかなって感じで。
私は話し相手になってもらっていた、道端の露天商に詰め寄ってみる。
頭のさびしいおっちゃんだし、眉間に皺よってるけど、そう見えて実は優しくて面倒見の良いパターンだと予想してみた。
おっちゃん助けてSOS.
「お嬢ちゃん、嘘を吐くならもっと頭使って言わないと、つーか商売の邪魔だ。どっかいってくれ」
だけど反応はすげない。
ならば私はめげない!
「嘘じゃなーいっ! 全部本当のことっ! 道に落ちてた本ひろったら、異世界到着なの! 今私ここ!」
「そんな怪しい本拾いなさんなよ」
それはどうだけどもっ!
「ほらほら 店先で騒がないでくれ。まともな客がこなくなっちまうだろ」
失礼な、私がまともじゃないとでも。
そんな意地悪な事を言うおっちゃんなんて、こうしてやるっ。
私は、おっちゃんの髭にかわいい悪戯をしてみた。
むしりむしり。
「うわっ、やめろ、残り少ない髪をむしるなっ。ひげを掴むなっ! 抜こうとするな! 野生動物か何かかあんたは!」
がるるるるっ。
「しかも唸ってる! おーい、誰か助けてくれーっ、おかしな嬢ちゃんに絡まれてるんだっ!」