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第一章:古い紙の香りと、冷たい石 p2

信者たちの絶叫は、ついさっきまで敬虔な詠唱が響いていた場所に、不協和音を奏でるパニックの交響曲と化していた。混沌が、迅速かつ無慈悲に、聖なる広間に咲き誇った。磨き上げられた骨白色の鋼の鎧に身を包んだ者たち――その称号自体が暴力的な敬虔さを約束する「 scourge warden / 禍厄の番人」たちが、壁龕や側廊の礼拝堂から殺到した。彼らは祭壇の周りに防衛線を形成し、信仰と研ぎ澄まされた鋼鉄でできた生ける壁となり、その聖別された刃は柔らかく、霊妙な白い光を放ち始めた。彼らの動きは規律が取れており、散り散りに逃げ惑う怯えた会衆とは対照的だった。彼らは教団の免疫系であり、感染を封じ込めるために駆けつけたのだ。


砕けた窓枠に立つ女――「シンダー=ウィッチ / 燃え殻の魔女」。その名は今やリリスの心に響き渡り、この世界の歴史の、読まれることのなかった闇のページから引きずり出されたようだった――は、ギザギザの窓枠から、ただ一度、流れるように一歩を踏み出した。彼女は飛び降りたのでも、下りてきたのでもない。ただ落下したのだ。二十フィート下の石の床へ。着地したのは衝突音と共にではなく、舞い落ちる灰の一片のような、ありえなく、不気味なほどの軽やかさで、膝を曲げて衝撃を吸収し、傷だらけの革のコートが周りに広がった。彼女は全高まで立ち上がり、新たに手に入れた狩場を検分する捕食者のように佇んだ。


間近で見ると、彼女の細部は恐ろしいほど鮮明だった。背は高く、その体は速さと持久力のために鍛え上げられた、引き締まったしなやかな筋肉の集合体だった。顔は鋭く、理知的で、片方の頬から眉の上を走る、古く銀色に光る傷の網目によって、険しい印象を与えていた。だが、真の恐怖を宿していたのは彼女の目だった。黒に近いほど暗いその瞳は、冷たく古の怒りと、それ以上に冷たく、さらに恐ろしい愉悦に燃えていた。これは本能に突き動かされる、思慮のない怪物ではない。これは戦略家、自らこの道を選び、それを楽しむ、思考し、感情を持つ存在だった。彼女はパニックに陥った大聖堂を、敵の拠点としてではなく、これから自分がさらにひどい状況にしてやろうとする、素晴らしく面白い散らかり様として見ていた。


「グレイル」高位聖職者モリアンは、呪いのようにその名を吐き捨てた。かつては心を落ち着かせるチェロのようだった彼の声は、今や純粋で希釈されていない憤怒の、鋭くギザギザな亀裂音だった。彼の静謐な仮面は完全にはがれ落ち、その下に隠れていた狂信者が姿を現していた。「異端者め。忌まわしき者。冒涜者。よくも神の家に、その汚物を持ち込んだな」


魔女、グレイルは、鋭い角度と捕食者の意図だけが込められた、ゆっくりとした嘲りの笑みを浮かべた。それはリリスが今まで見た中で、最も生気に満ち、最も恐ろしい表情だった。「この家は汚物の上に建てられたものよ、モリアン。それを私のブーツで運び込んだと責めないでくれるかしら」


彼女の燃えるような視線は、白熱するほど激怒した聖職者を、怯え、光を放つ番人たちの壁を通り過ぎ、リリスに固定された。ただ一度の、張り詰めた心拍の間、その鋭い瞳には読み取れない感情が宿っていた。それは憐れみではない。優しさでもない。それは剥き出しの、残酷な形の認識だった。彼女は祭壇の上の少女を、聖なる象徴としてでも、神聖なゲームの駒としてでもなく、同類の標本として見ていた。屠殺のために手入れされた家畜を見て、檻の感触を思い出していたのだ。


「構えよ!」番人隊長が、華美なフルフェイスの兜にこもって歪んだ声で怒鳴った。「奴の魔法は血の汚染! 触れさせるな! 教団のために! 魔女を討て!」


六人の番人が防衛線から離脱し、光り輝く刃を高く掲げて突撃した。彼らは義憤の波、聖別された暴力の完璧に同期した部隊であり、その白い鎧は大聖堂の薄明りの中で煌めいていた。彼らは美しかった。恐ろしかった。そして、自らの聖なる目的に絶対の自信を持っていた。


グレイルは武器を抜こうとすらしなかった。彼女は地に足をつけ、嘲りの笑みを絶やさず、ただ手を挙げ、掌を開いて、彼らを制するかのような仕草をした。

先頭の番人、その一歩一歩が力の証である巨大な男が、最初に彼女に到達した。白く神聖な光に包まれた彼のグレートソードが、彼女を真っ二つに断ち切るべく、強力で聖別された一撃となって振り下ろされた。


それは決して届かなかった。


グレイルの頭から半フィートのところで、刃はまるで固い石の見えない壁にぶつかったかのように、空中でぴたりと止まった。番人はうめき声を上げ、その鎧をまとった体は、自らの巨大な勢いが唐突に止まったことで震えた。彼は力を込める。筋肉が張り詰め、刃の聖なる光が不規則に明滅したが、武器は一インチたりとも動かなかった。


グレイルの嘲りの笑みが深まった。「教団の猟犬どもとそのくだらない光の小細工ときたら」彼女は、番人の苦しげな呼吸音にかき消されず、なぜか聞き取れるほどの低い、侮蔑に満ちた喉声で呟いた。「鋼鉄は祝福するくせに、それを握る人間に命を与えているものを忘れる。奴の血管を流れる川を、忘れている」


彼女が手首を、ほんのわずかに、ほとんど知覚できないほど小さく動かした。


番人が痙攣した。兜の呼吸孔から、湿った、詰まったような喘ぎが漏れた。彼の首、鎧の鋼鉄のゴルゲットのすぐ上に、一本の、完璧に真っ直ぐな深紅の線が現れた。それが広がり、突如として衝撃的な動脈血の飛沫が噴出したが――それは落ちなかった。血の雫は番人の前に宙吊りになり、小さな暗いルビーの星座のようにきらめいた。

これこそがエコクルオール。これこそが彼女の異端。単に血を流すだけでなく、血を絶対的に、恐ろしいほどに支配すること。


グレイルのもう一つのさりげない仕草で、浮遊する血は凝固し、一本の、カミソリのように鋭い棘となった。それは復讐の深紅のダーツとなって、ありえない速さで撃ち出された。それは今や崩れ落ちる隊長の真後ろに立っていた番人の兜の目の隙間を貫き、二番目の男を音もなく倒した。


パニックがついに番人たちの規律ある隊列を崩壊させた。ついさっきまであれほど強力で絶対的に見えた彼らの聖なる光は、今やこのような内臓に訴えかける、不敬な恐怖を前にして、脆く、青白く見えた。別の番人が気を取り直し、刃を広く水平に薙いだ。グレイルは目を欺くような速さで、その一撃を、受け流すのではなく、その中に踏み込むことで受け止めた。聖別された刃を、鎧で覆われた前腕で。


火花が散った。刃は彼女の腕当ての革と鉄に深く食い込み、さらにその下の肉にも食い込んだ。グレイルは「ヒッ」と鋭く、痛みに満ちた息を吸ったが、それは番人の勝利の雄叫びにかき消された。彼は魔女に傷を負わせたのだ。

彼の勝利は短かった。


グレイルの目は、獰猛で、恐ろしい喜びにきらめいた。「ありがとう」と彼女は息を吐いた。

彼女自身の血が、濃く、生命力に満ちて、腕の裂け目から湧き出た。だが、それが滴り落ちる前に、渦を巻き、凝固し、うねる、蛇のような液状の深紅の触手となった。それは生ける鞭であり、ありえない速さで打ち付けられた。それは番人の兜をかぶった頭に巻き付いた。一瞬、何も起こらなかった。そして、グレイルが拳を握りしめた。

血の鞭が収縮した。鋼鉄と骨が一緒に砕かれる、吐き気を催すような、湿った音がした。番人は床に崩れ落ち、その兜は破壊され、内側にへこんだ無残な塊となっていた。


さらに二人が、深紅の芸術の旋風の中で倒れた。一人は倒れた仲間の血から鍛えられた槍に貫かれ、もう一人はグレイルがただ指差しただけで、自らの肺の中の血が喉を満たして窒息し、崩れ落ちた。攻撃部隊の最後の生き残りである番人は、恐怖に顔を青ざめさせ、背を向けて主防衛線の比較的安全な場所へと逃げ帰った。


死の鉄錆の匂いが、今や香の甘い匂いを完全に圧倒していた。大聖堂の美しく磨かれた床は、その守護者たちの生命の血でぬるぬると滑りやすくなっていた。

グレイルは殺戮の跡を歩いた。彼女のブーツは、汚れ一つない石の上に血の足跡を残した。彼女は激怒する高位聖職者と、残った番人たちの怯える壁を、まるで装飾的な彫像にすぎないかのように完全に無視し、まっすぐ祭壇へと歩み寄った。彼女は呆然とし、恐怖にかられるリリスの前で立ち止まり、その黒い瞳で彼女を射抜いた。


「奴が差し出すのは、金メッキの鳥籠、美辞麗句、そして一年後にあんたの心臓に突き立てられる鋭いナイフだ」グレイルの声は低く、切迫しており、リリスだけに向けられていた。彼女の言葉は、彼女が窒息させた瀕死の番人の苦痛のうめき声によって句読点を打たれていた。彼女は顎でモリアンを指し示した。モリアンは恐怖ではなく、無力な、神聖な怒りで震えていた。「暖かいベッド、上等な食事、千人の愚か者たちの崇拝。綺麗な嘘だろ? あんたを火刑台に連れて行って、自分の肉体が燃える煙がいかに美しいかを語り聞かせる、その日までな」


それから彼女は、すでに塞がり始めている腕の裂傷を、血に染まった親指で指し示した。「私が差し出すのは、冷たい床、かび臭いパン、そしてあんたが死ぬはずだった日の日の出を見るチャンスだ」

グレイルの瞳はリリスを捕らえ、見られること、理解されることを要求していた。「だが、それは醜く、残酷な真実だ。あんたはそのために血を流す。苦しむことになる。あんたが吸う、一つ一つの、苦痛に満ちた息のために、歯を食いしばって戦うことになるだろう。そしてほとんどの日は、奴の名を呪うよりもはるかに、私の名を呪うことになる。私はあんたを救いに来たんじゃない、異世界からの娘さん。私は、誰も私にくれなかったたった一つのものを、あんたに与えに来たんだ」


選択肢が、大聖堂そのものよりも重く、宙に浮かんでいた。片方にはモリアン。確実で、聖別され、祝福される死を象徴する。それを読むために生きることのない少女のための、おとぎ話の結末。殉教者の目的。もう片方にはグレイル。わずかで、恐ろしく、そしてひどく醜い、生きるための可能性を象徴する。痛みと、異端と、怪物の人生。


リリスは高位聖職者の顔を見た。今やその顔は、彼の静謐な微笑みよりもはるかに正直な、義憤に満ちた憎悪で歪んでいた。彼女は、自分たちの物語がそれを必要とするからという理由で、彼女の死に喝采を送るであろう、群衆の中の思慮のない、崇拝に満ちた顔を見た。彼女は、自分の名や人生など気にもかけない生贄の石板である、冷たく、頑なな祭壇の石を、その身の下に感じていた。彼らは彼女を見ていない。彼らは象徴を、鍵を、生贄を見ていた。

グレイルは、その残酷さと、彼女がもたらす恐怖のすべてにもかかわらず、この狂った世界全体で、生きたいと願う一人の人間を見てくれた唯一の存在だった。


彼女の中のアーキビスト、心地よい嘘よりも何よりも、生々しく、飾りのない真実を求める部分が、決断を下した。それが彼女にできる、唯一の決断だった。

「私は、日の出を選ぶ」リリスは言った。その声は震えていたが、毅然としていた。その言葉は、彼女自身のために書く、新しい誓い、新しい物語だった。


何かの閃き――尊敬か、あるいは厳しい種類の満足か――が、グレイルの黒い瞳をよぎった。「いいだろう」彼女はうなるように言った。「なら、待たせるのはよそう」

リリスが反応する前に、グレイルの、鉄線のように強くしなやかな腕が彼女の腰に巻き付き、まるで彼女に重さなどないかのように、祭壇から引きずり下ろした。シンダー=ウィッチは回転し、リリスを背後にかばった。その時、モリアンがついに声を取り戻し、その命令が血に染まった広間に響き渡った。

「聖別されし者を連れて行かせるな! 彼女は鍵なのだ! 周期は保たれねばならん! 二人とも殺せ!」


残りの番人たちは、聖職者の神聖な命令によって恐怖が一瞬にして焼き払われ、白と鋼鉄の壁となって殺到した。だがグレイルはすでに動いていた。彼女はベルトのポーチに手を伸ばし、小さな鉄の球を地面に投げつけた。

それは炎ではなく、光を覆い隠すだけでなく、音と共にそれを喰らうかのような、濃く、むせ返るような漆黒の煙の雲となって炸裂した。方向感覚を失わせる、息苦しい沈黙が訪れた。リリスは自分が引きずられ、グレイルが殺した番人たちの見えない死体に足をつまずかせているのを感じた。彼女が大聖堂から聞いた最後の音は、不自然な闇に飲み込まれる、高位聖職者の激怒した、絶望的な金切り声だった。


そして彼女は、壊れた窓枠を無理やり通されていた。ステンドグラスのギザギザの縁が、茨の蔓のように彼女の服に絡みついた。アセリアの冷たい夜気が、衝撃的で、解放的な平手打ちのように彼女の顔を叩いた。彼らは外に出たのだ。


リリスは思い切って肩越しに振り返った。イルミナスの大聖堂が背後にそびえ立っていた。美しい嘘の記念碑。その完璧で聖なる顔は今や、ギザギザで、煙を上げる傷によって損なわれていた。彼らの前には、広大で見知らぬ都市の闇だけが横たわり、その向こうには、今や彼女が生き延びて見るために、殺さなければならない太陽の約束があった。


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