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死にたがりの異世界放浪記  作者: オタクな塩/水無月白斗
第一章 死にたがり開幕記
7/12

死にたがり、とんぼ返りをする

タイトル考えてないのに投稿しちゃった。

ひとまず謎に使えたヒールでぱっと見血は止まっているし、外傷も見える範囲にはなくなった。それに呼吸もある程度規則正しくなってるし…峠は越えたか?


(はい。恐らくですがあとは彼女を安静にさせておけば問題ないはずですよ。)

聞きたいんですけどルシャール様、俺が使ったヒール明らかに初級の威力じゃないですよね?

(私のアシストの賜物ですね!とにかくこうしている間にも血の匂いに惹かれた魔物がやってくるかもしれませんし早いところ移動しませんか?)

それがいいっすね。……でどう運べと?

(おんぶしかないと思いますよ?)

あぁ…はい。


年齢=童貞の俺。異世界で美少女を背中に背負うことになりました!?ってな。妹にやってたから慣れてるわ。おんぶ。


でも待てよ。これが現代日本だったら倒れてる女性救護したら野次馬にSNSに晒された挙句、やれ痴〇目的の性犯〇者だの、これだからク〇オスはとかぎゃあぎゃあ騒がれて炎上してたんだろうなぁ…善意を悪意で返される世界とか……悲しいもんだねぇ…


俺は少女を背負い、周辺に気を配りながら来た道を辿……辿…………どっちでしたっけ?

(私がナビゲートしますからその通りに進んでください!……海斗さんってもしや、方向音痴なのでは?)

……ノーコメントで。

***

先に言っておくが俺は背負った少女の胸の感触なんて知らんぞ。…めっちゃふにっと柔らかかったなんて知らんからな。少なくとも不可抗力じゃ。

(バリバリ認めてますよね?それ。海斗さんって意外とお約束好きなんですか?)

まぁ、嫌いではないっすね。


ひとまずルシャール様のナビのもとなんとか出発したての村に戻ってこれた。門番さんに「さっき出ていったばかりじゃねぇか。あんちゃん忘れ物かい?」と驚かれそして俺が背中に意識のない少女を背負っていることに気付くやすぐに人を呼んでくれた。どうやらただ事ではないことを即座に察してくれたらしい。マジでいい人だよな。


そしてあれよあれよと教会に通され、司祭様に案内されて少女を医務室?休憩室?に寝かせた。それから事情聴取に。当然の事だな。事件だとしたら調査とかもやる必要があるだろうし、俺も疚しいことなぞないからな。少女を発見した経緯を話した。あと、一応ヒールも掛けたことも。普通はヒールでは大怪我は回復しきれないと言われたが。デスヨネー…


「ふぅ。ありがとうございます。ひとまず状況は分かりました。彼女の傷は確かにある程度治っているようですしあとはこちらで療養させておきましょう。あなたはどうされますか?」


「……あー、本当なら旅に出ようかと思ってたんですけど、せめて彼女が目を覚ますくらいまではこの村に留まろうかなと。いくら素人とはいえ救護したんでその人の安否の確認を見届ける責任はあると思うんで。」


「おお…!とてもご立派な考え方ですね。ところで彼女はあなたのお知り合いではないのですか?お知り合いでないならそこまで面倒見る必要はないはずですが…いえこれは野暮というものなのでしょう。あなたのおかげで尊い一つの命が無残に散るのを防ぐことが出来ました。心より感謝いたします。」


「いえ、たまたまどうにかなっただけです。なのでそんな大層な感謝されるほどのことでは。……司祭様の感謝の御心はありがたく頂戴しますけど。では、そろそろ失礼します。急な滞在延長が決まったものですから宿を決め無くてはなりませんので。それでは。」


そして俺は急遽宿を探しに行くことに決定した。ま、無計画な一人旅だしこういうのもアリだよな。

(一人じゃないですよ海斗さん。なにせ転生の女神にして風の女神である私、ルシャールが一緒ですからね!でも無計画な旅も乙なものですよね分かります。)


海斗が去った後の教会で司祭は呟いた。

「ふむ…あの青年はもしや…女神ルシャール様が遣わせし御使い様なのでは…?そうでなければ赤の他人のためにわざわざあのように気を配ることなぞないのではなかろうか。…ルシャール様のご慈悲に感謝を。そしてあの青年の行く末に幸あれ。」

と。海斗は知らない間に神の御使い様認定され、ルシャール様はルシャール様で知らないうちに信仰が厚くなりより神聖視されるようになったのだった。…当人たちは知る由もないのだが。

***

あ、やべ。俺、金ねーじゃん。終わったわ……どーしよ?

(これは…ペトラちゃんでしたか?あの子の家にお邪魔するしかないのでは?ではでは?)

な、なんかやけにぐいぐい来ますね?なんかあるんですか?

(いえ、ラブコメにならないかなと。それと2割くらいは海斗さんなら守るべき人でも作れば自殺はしないようになるんじゃないかと思いまして。)

それ本人に言っちゃダメなのでは?でもその推測は正しいっスね。俺、他者に迷惑かけて死にたい訳じゃないんで。

***

結局俺はもう数日の間ペトラちゃん家にお世話になることになったのだった。なぜかは知らないけど二人にめちゃくちゃ喜ばれたのだが。……本当になんでやねん。


【海斗の善行ポイントが1加算されました。現在は-994ポイントです】

善行判定は広いけど代わりにすべからく1ポイントのみの可算です。善行、本人が自覚してないものも加算されるので海斗は知らないうちに善行を重ねている。なお当人はそのことを知らない。



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