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死にたがりの異世界放浪記  作者: オタクな塩/水無月白斗
第一章 死にたがり開幕記
6/12

死にたがり、事故?現場に遭遇する

あ、やべ。前回善行ポイント加点すんの忘れた。次にまとめてでいいかな…

なんだかんだ旅立ちを惜しまれたりしつつも俺の異世界放浪記が幕を開けたわけだけど……どうすっかな。町の方向とか……聞いてこなかったな。まぁいいわ。もしかしたら餓死とかで死ねるかもしれんし?適当に彷徨ってれば死ぬか森を出るかにはなるだろ。……おんなじ所をグルグル回る羽目にならなければ…な。


そういえばルシャール様助けてって言ったら答えがあったんだよn…

(ハイ!ルシャールです!数日ぶりですね海斗さん。それで……お呼びですか?)


変わらず食い気味で来るんですね。それは良いけども…なんで脳内会話が出来るんです?確か…祈ったら駆けつけるみたいな話じゃありませんでしたっけ?俺、祈って無いっすよ。……もしかして…暇なんすか。

(…父が海斗さんに下手な手出しをしないか監視を~…いや苦しいですね。そうです。私基本的に転生を司る神なので暇なんですよ……なので海斗さんの旅路にご一緒させていただきたいな~と。声だけですけどね。なので海斗さんにお会いした時に鑑定機能にちょーっとばかり細工をですね。)


はぁ~、そうなんすか。待って?鑑定に細工?なら鑑定が自我みたいなの持ってそうなのは?

(それは私にも分かりません。初めからそういう仕様だったので…稀にある世界のシステムの不具合ではないかという私の推測を添えておきますね。まあまあ、考えても分からないものは仕方ないですよ気にせず行きましょう。)

……そっすね(不服)


俺は脳内でルシャール様との雑談に興じながらも森をぶらついていた……んだが突然風に乗った血の匂いが俺の鼻腔をくすぐった。嗅ぎなれてない匂いだから不快だな。方角は…北東か?


(そっちは北東ではなく北西です。急ぎましょう、海斗さん。もしかしたら人が襲われているのかもしれません。)

あ、はい。

***

血の匂いを辿っていくと俺は崖の下に出た。そこには横たわり壊れた馬車が見えた。ふむ…そういえば昨日の夜は雨が降ってたな。カーブで曲がり切れずに滑って落下したのか?要救助者が居るかもしれんし見てみるか。救助者じゃなくとも確実に仏さんはいるだろうしな…せめて魔物に食われる前に弔うべきだろう。


魔物に注意を払いつつも馬車周りの様子を見ていくと…この馬車を牽いていたであろう馬とその乗客だろう女の子の死体が発見できた。女の子の方は良いとこのお嬢様だったんだろう。大切に手入れされてきたであろうしなやかな金髪(血と土で汚れてはいるが)に…これは…シスター、じゃないなけど僧侶みたいな服装だ。そして服の上からでも分かるほどの双丘の持ち主だし…この子、教会の関係者だったんじゃないか?


…だがどれだけ探しても一向に御者らしき人物は見当たらなかった。一気にきな臭くなってきたなぁ~。俺には関わりないはずだけど。


そして俺はその少女の遺体を弔うために改めて状態を確認してみることにした。見れば見るほど整った顔立ちしてんなぁ。ん?手を組んだままだ。今わの際までお祈りを続けてたのか?熱心な信徒だったんだろうが…人生どこで恨みを買うか分かんないからな…


「この子も来世は幸せになれるといいが…」

(待ってください海斗さん、この子……まだ生きてますよ!呼吸を確認してみてください!)


噓ぉ!?だって…いや女神さまがこんな場面で嘘言う理由ないか。俺はこの子の呼吸を確認してみた。…確かに分かりづらいが彼女の双丘は微かにだが上下している。ホントに生きてるんじゃないか⁉だがどうしようもないぞ…?

(海斗さん、彼女に触れてください!そうしたら海斗さんなら光魔法もとい回復魔法が使えるようになるはずです!私もアシストするのでやってみてください!)


俺はルシャール様に言われた通り彼女の手に触れてみた。すると俺の内側で確かに力が湧いてきているのが分かる。…やさしさに包まれた暖かな光のような力が…


自然と俺の口から魔法名が零れた。

「【ヒール】」

俺の手を通して彼女の体が光に包まれていく。徐々に徐々に傷も塞がっていっている。と同時に黒い煙のようなものが彼女の体から抜け出ているのも分かる。


(どうやらこの子は呪われていたようですね。恐らくですが…体を動かなくする呪いでしょう。)

それってシェイラさんみたいな?

(それとは別ですね。あっちは石化そのもの。今回はどちらかと言えば肉体の時を止めたのが近いです。そして今回は光魔法で解呪したので今頃術者の下へと呪いは還っていることでしょう。海斗さん、このままここに居座るわけにもいきませんし、あの村へと戻りませんか?より適切な治療が必要です。海斗さんもこのまま見捨てる気はないんですよね?)


まぁ、ね…ここでこの子を放置して死なせたら寝覚めが悪くなるし…それが良いか…まともな寝具もない状態にするよりはね。……まぁ、意気揚々と村を旅立ったにもかかわらずすぐにとんぼ返りする羽目になるとは思わんかったけど…

魔法の習得(初級魔法編)

世間一般的には魔法を覚える方法は2つ。魔導書を読むことで魔法を覚えることと人から教わることである。実際に中級以上の魔法であればその方法で習得可能。初級に関しては属性を持った魔力に触れることで使えるようになる。


呪いに関して前回書かなかったので…

この世界の呪いは魔力を介して他者へと移る性質を持つ。のでやろうと思えば呪いのパンデミックもおこせてしまう。呪いに掛かった患者に触れながら魔力を流すことで魔力の通り道を逆流して他社にも効力を発揮する。ただし光(聖)属性と闇属性を持った魔力の場合は移ることなく解呪される。

光に関しては割愛。闇属性でも解呪が出来る理由は呪いも闇属性を持っているため闇属性の魔力を流すと磁石のように反発し合い、やがて消える。双方とも解呪した際に呪詛返しが起こる。(例外アリ)

例外とは前回の海斗の解呪。前回のは海斗が無属性の魔力を適当に流したので呪いは移ろうとしたが海斗のスキルで体内に侵入することも叶わず爆散した。世界のシステム的には想定外の挙動による解呪のため呪詛返しは起こらなかった。

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