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死にたがりの異世界放浪記  作者: オタクな塩/水無月白斗
第一章 死にたがり開幕記
5/12

死にたがり、解呪ができちゃった・・・

不意の女神さまとの邂逅があってから数日が経った。ペトラちゃんの家にお世話になりつつこの世界の事について学んでそろそろ旅立っても良い頃合いかなと判断した俺は、お世話になった人たちに挨拶をして村を出ていくことにした。


「……本当に行っちゃうんですか?カイトさん。」


「うん。いつまでもお世話になるわけにもいかないからね。でも、色々教えて貰えて助かったよ、ありがとうペトラちゃん。大丈夫。二度と会えないわけでもないし、また来るよ。」


「本当ですか?……待ってますね!まだ助けてもらったお礼も返せてませんし!」


うん。それに関してはもう十分に返してもらったと思うけどな。ペトラちゃんとシェイラさん(ペトラちゃんのお母さんの名前)に生きていく上で必要だろう知識を教えてもらったし。


「それだけじゃないですよ!お母さんのことまでお世話になったんですよ!圧倒的に恩返し不足です!」

***

あれは教会から帰った後の事だった。ペトラちゃんの家へ戻るとシェイラさんは倒れていた。どうやらシェイラさんに掛けられた呪いが進行したようで彼女の足は石化したかの如き状態になっていた。


「これは…かなり呪いが進行してしまっていますね…何か心当たりはありませんか?」


「いえ…私はさっぱりで…そもそも母が呪われていたなんて知らなかったんです。」


「……そうですか…だとすると何が原因なのか。…しかし困りました。これほど呪いが進行してしまっているとなると司祭様でなければ解呪は難しいのですがあいにくと司祭様は現在不在なのです。……出来る手は尽くしますが…最悪の場合を考える必要もあるかと…」


「そう…ですか……」


タイミングが悪いというかなんというか……それにしてもペトラちゃんのお母さんは自身が呪われていることをペトラちゃんに伝えていなかったのか。心配かけたくないのならそれは理解は出来るし気持ちも分かるが……それならそれで疑問が残る。なぜ彼女は自身が呪われていることを知っているんだ?そこが分からん。


「出来る手は尽くしました。ひとまずはこれで呪いの進行を抑えることが出来ました。ただこれ以上の処置は厳しいですね…お力になれずに申し訳ありません。」


「いえ、お母さんのためにここまでしてくれてありがとうございます…あ、そうだ…お布施を……」


「それはいただけません。私ではあなたのお母様を癒すことが出来ないのですから。私も教会に戻り調べてみることとしましょう。失礼いたします。」


「はい。本当にありがとうございました。」


そして急ぎで来てくれたシスターは去っていった。手を抜いているとかじゃなくて本当に力不足を嘆いていそうだったな。さて、どうすっかね…俺は赤の他人だ。だから無関係だし首を突っ込むのもお門違い。しかし見捨てるのはなぁ……寝覚めが悪くなる。ふむ…


「カイトさん、お見苦しいところをお見せ……って何をしているんですか?」


少し鑑定をしてみるか。そしたら何かしらヒントがあるかもしれんし。【鑑定】


【名前】シェイラ

【種族】人間

【年齢】女性の年齢を調べるのはマナー違反だぞ☆

【状態】呪い(石化)


もう突っ込まんぞ。……呪いについて詳しく。

《呪い(石化):対象を徐々に石化させていく。呪いのかけられた箇所に関係なくやがては全身をむしばむようになる。石化速度は呪いの強度で異なる。…ちなみにお前なら強引に解呪ができるぞ。》


誰が呪ったのかも分かんないのか。てか強引な解呪ってなんやねん。そこんところ詳しく教えてくれよ!?


……ルシャール様教えてください。な~んちゃっt…

(任せてください。本来なら上位の神聖魔法が必要なのですが海斗さんの場合は【幽世人】に【超健康体】がありますのでこれを使います。呪いの患部に触れて魔力を流すと呪いが魔力流した方に移るんですよこの世界の標準仕様として。しかし海斗さんは【幽世人】で現世から隔離されているに近しい状態です。なので呪いの効果は発揮されなくなります。そして【超健康体】によって呪いは強制的に弾かれますので術者に呪詛返しできます。これで解呪できますよ!簡単ですよね?)


うおっ!?ックリしたぁ……冗談半分だったんスけど。まぁいいや。教えてくれてありがとうございま~す。ではさっそく実践。そういやペトラちゃん何か言ってたか?聞き逃したぞ。


俺はルシャール様のアドバイス通りに患部に魔力を流してみた。抵抗感があるな。こういうのは他人との波長が違うからだろうなぁ。とか考えてたらなにやらきもい感触にぶち当たった。これか。


段々とその物体が俺に流れてきているのが分かる。なんともないけど。それから数分…パンッという破裂音が響くとともにシェイラさんの呪われた部分が綺麗に戻っている。成功したらしいな。


「カ、カイトさん…?その何が…?破裂音がしましたけど…」


「ん?えーっとね…解呪…できちゃった☆」


「ええ⁉だ、だってシスターさんは高度な神聖魔法でなければ治せないって…」


「…ぁ……うん…?」


「お母さん!!良かった……ほんとによかった…お母さん死んじゃう…かと…思っで…よがっだよぉ~~」


無事にシェイラさんを治せたらしい。これで見捨てたっていう罪悪感感じずに寝れそうだわ。


「カイトさんが私を助けてくださったのですね?娘ともども…命を救われてしまいましたね…本当に感謝してもしきれません。本当に……ありがとうございます。」


「いや~、たまたまできただけですよ。なんでもしも感謝をするというのならそうですね……ルシャール様とペトラちゃんの日頃の行いにでも感謝してくださいな。」

***

そういう一幕があった。流石に神が与えるユニークスキルなだけはあるわ。意味わからんけど。そのあとのシェイラさんの体調は快復に向かっている。シスターは驚いていたが偶然俺が浄化の魔道具的なものを持っていたってことで誤魔化した。…ちょっと勧誘が怖かったから。


ま、この見送りの場にシェイラさんは居ないんだけど。長いこと呪いに蝕まれていたからかまだ完全に完治したとは言えない状態らしいからな。


「むぅ…聞いてますか?カイトさん!またこの村に来てくださいね!約束ですよ!その時には今度こそお礼をさせてもらいますね!」


「分かった。また戻ってくるよ。それじゃペトラちゃん、また会おう。バイバ~イ」


こうして俺は旅立った。……すぐに戻ってくるとは思いもせずに。

今回は語ること思いつかないんでパスで。

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