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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

お客様の声

作者: 桐原まどか



スーパーなどにある、掲示板。

〈お客様の声をお聞かせください〉の文字とともに、用紙が置いてあり、書いて、備え付けのボックスに投函すると返事が来る、というものですね。

これは以前目撃した、ちょっと怖い〈お客様の声〉…。


いまは移転して無くなってしまったのですが、Cというスーパーがありました。ごく普通の食品スーパーです。

ある冬の日、私は何気なく〈お客様の声掲示板〉を眺めていました。

そこには

「紫色のマスクをしている店員がいました。どうなんですか?」という怒りの声がありました。私は正直「マスクの色なんて、何色でもいいじゃん…」思いましたが、店側の回答は、「店内ルールを設け、徹底していきたいと思います。この度は不愉快な思いをさせてしまい、申し訳ありませんでした」というような丁寧な謝罪でした。普通なら、これで一件落着ですよね?ノンノン、終わらなかった…。

その次に買い物に行った時。

私はまたぞろ掲示板を見ていました。そこには

「紫のマスクってどうなんですか!?」の文字が…。

その後もね…四回くらい…だから合計六回、〈紫色のマスク〉へのクレーム文を見ました。

私が見た以外にもあるとしたら…怖…となりました。


お次はOという、ちょっと高級系のスーパー。オーガニック商品やお取り寄せの珍しい品物を扱っている、若干単価高めのスーパーです。

ある日、私が見たのは…

「先日、こちらで豚バラ肉を購入しました。切り分けて量ってみたところ、半分以上が脂身でした。これが良心的な店のやる事でしょうか?」そうして、ご丁寧に添えられた、そのお肉のものと思しきラベル…。

私は内心「ギャー」と悲鳴をあげました。怖かったんです。

なんでそんな想像をしたのか、自分でも謎ですが、西日の射し込む台所で、部屋の明かりも点けずに、黙々と肉の赤身と脂身を切り分ける女性の姿が脳裏に浮かんだんですね。

下手なホラーより、怖かった。

これなら、頭から粉砕機に突っ込まれる殺人鬼の映画の方が平気。ってくらい、怖かった。

それに対しての回答は

「いつも当店をご利用頂き、ありがとうございます。今回ご指摘の件、反省し、改善していきたいと思います。申し訳ありませんでした」というような感じでした。

それですっかり怖くなった私は、あまり〈お客様の声〉を見なくなりました。

世の中には怖い事がある…。

また、たまに見てみるかな!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 豚バラ肉とかは油食べるようなモンだと思っている…… クレーマーのいう常識ってどんな精神構造の上で成り立っているんだろう? (冷やかしでは無く) 基本は自分の感覚で「正しい」とか「おか…
[一言] 悪質クレーマーは本当怖いですね
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