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幼少期からの魔法練習って異世界転生の醍醐味だよねー

 皆、聞いて!! この世界、あのクソゲーの世界だったよ!!! いや、薄々とそんな感じがしてた。してましたとも。

 そうだとわかったのは第五王子の三歳の誕生日を祝う式典があるだのという両親の言葉からだ。『キミガオ』では攻略対象は五人。全員当然ながら王子様。つまり、一応国民には王子の名前が公表されている。それが側妃の子だろうと王妃の子であろうともだ。私が暮らす村にもそういう名前だけは流れてきていた。そして、私の中にもなんとなーく記憶にあったんだよ。王子の名前。全員最後に“シオ”がつく。何故かは知らない。

 まぁ、でも、そうだとしても私が暮らしてるの村だし、関係ないかもね。両親、というか父親が薬師だったから。主人公の出身で薬師なんてのはなかったはずだし、ましてや村娘であるのもなかった。孤児はあったのにね。なので、私は多分モブだね。

 王子様とか見られないけど、まぁ、いいんじゃないかな。ストーリー外だろうから大騒動とかに巻き込まれるわけでもないし、私は私の人生を自由に歩けるというわけだ。その上、魔法があるわけで、早く六歳の適性検査の日にならないかな。





「まほ、つかいちゃい」

「あらあら、ダメよ。もう少し我慢してちょうだい」

「そうだぞ、下手に使うと危ないからな」


 我慢ができず、両親に訴えてみたがダメだった。魔法適性がわかってから初めて魔法を使うんだって。

 ちなみに母は魔法適性が火で火の扱いが上手い。父の魔法適性は土で植物を育てるのが上手い。ただ、適性はあくまで適性でしかない。五段階評価の通信簿で言えば、五や四をもらえている状態というだけ。決して他の属性が使えないというわけでもない。その証拠に母は風魔法を使って洗濯物を乾かしているし、父は水やりを水魔法で補っている。

 つまり、基本的に強弱はあれど誰でも四属性を扱うことはできる。ただ、そこから外れた聖魔法と呼ばれる光魔法や呪魔法と呼ばれる闇魔法の適性はこの世界でも珍しい。無適性の人は基本的には扱えず、光魔法を扱える人は闇魔法を扱いにくく、闇魔法を扱える人は光魔法を扱えづらいという。扱いづらいというのは寿命を削って使用する、ないしは使用する魔力量が通常の数倍必要であったり、発動までに時間を要するなど抵抗が強いことを指す。

 また、これらの六属性以外にも無属性というものがある。無属性に関しては適性云々はない。誰でも使用できるどれにも適さない魔法のことを指す。身体強化、索敵や遠視などは騎士や冒険者がよく利用する無属性の魔法だ。また、専門性が強いものであれば、魔法適性の判定なんかがそうだ。

 ちなみにこれらは魔法に興味を持ち出したことを知った両親が行商が来たときに買ってくれた『子どもでも分かる魔法の基本』と言う本に書いてあったこと。両親は私が文字を読めていることを知らないため、ペラペラ捲って描かれているイラストを見ているのだと思っているはずだ。

 で、魔法適性というのは六歳時に教会で判定するものらしく、まだ幼い私は魔法を教えてもらえない。

 ちなみに教える先生は神父様らしい。小さい村には当然ながら学校はない。親も共働きだったりで教えている余裕などない。でも、魔法は教えておかないと暴発などの危険がある。じゃあ、どうするかとなり、村単位で教会を設置。魔法適性の判定と合わせて指導する形に収まったらしい。集落とかは近くの村まで出てきてもらうか、神父様が訪問する形になるみたい。

 さて、ダメだと言われた私ですが、ここで諦めて六歳まで過ごすかと思う? 思わないよね。思わないんだよ。

 つまり、どうするのかと言うと、内緒でやっちゃおうと思います! ある意味、異世界転生の醍醐味っちゃ醍醐味だよね。勿論、危なくならない程度でやるよ。


「まずは手の中で発現させてみましょう」


 外からそんな声が聞こえる。丸い球体をイメージしてという言葉が続いて聞こえる。

 そう、お隣が教会なのです。盗み聞きじゃないよ。聞こえてくるんだもん。しょうがないよね。

 そして、普段から手のかからない子を演じてるので、両親はそれぞれの仕事をやっているわけで。誰かに見つかるということはないのです!!

 それでは、いざ!





 待って、ねぇ、待って。おかしいんだけど。四属性は問題なく発現できた。いや、これも正直おかしいかも知れないけどさ。


「あかり、ちゅけて」


 手の中にまん丸の光の玉が現れる。これは光属性持ってますね。


「あかり、くるんれ」


 ナニかにくるまれるようにして光の玉が今度は真っ黒になる。これ、闇属性ではないかな。闇属性だよね。


「ばいばい」


 ポッと音をたてて玉は消えた。

 さて、どういうことだろう。ぺたんと床に座り、私は首を捻る。本にはまずこの二つの属性を普通には扱えないって書いてたはずだ。扱えにくいのであれば、どちらかを使うときに何らかの違和感なんかがあっても不思議じゃないんだけど。うーん、抵抗を感じるのもなく怖いくらいにすんなり扱えたな。

 実は幼少期の時は皆平等に全属性が扱えるけど、魔法適性を判定するときに固定化されるとか、そういうのだろうか。私が持ってる本ではそこまで書いてなかったから、判断がつけづらいなぁ。

 ま、いっか。ない頭で考えててもしょうがないし、毎日ちょっとずつ何ができるか挑戦してみよっと。

本日、ラストの更新でござマース!!

まだ、前読んでないよという方は一つ前、二つ前と戻っていただけるといいかなー。

明日からは一話ずつの更新になりますので、ゆっくりのんびりできるかと。

一応、一週間の更新は18時くらいを予定してます。一週間後は多分、時間はまばらになると思います。

彼の登場までしばし、彼女の暴走を温かく見守っていただけると嬉しいですww


ここまで、読んでくださり、ありがとうございます!

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