番外編37:『主に狩猟で成り立つ世界』
いつも私の拙い妄想を読んで下さりありがとうございます。
時間……足りません。
ネタ……出てきません。
更新……だけはしたいです。
という私のわがままだけで作られた番外編です。
番外編で日曜日を迎えたら好き放題やらせていただいております。
本日は私がこれまで書いた二つの作品。
その両方へと感想を下さった二人の読者様に捧げる作品となります。
たった二人の為と他の読者様には叱られるかも知れませんがお許し下さい。
感想は書かなかったけど読んで下さった方が居たら続きとしてお読みください。
また、読んだ事が無い読者様でも短編で楽しめるようには努力をしたつもりです。
思いついたネタが、これ以外に無く、また私が一番書きたかったからでもあります。
どうか読み終わった後は忘れ去って頂けましたら幸いです。
2018/11/11 何遊亭万年
この話は現代日本(?)の話。
全生徒が部活動に参加する事が義務付けられた学校の話。
ドカチーニ達から見たら異世界の物語。
「みんな。準備は良い?」
屋上全体へ東海林司の無駄に大きな声が響く。
司は一切努力無しでも見た目が美しく『天然美人』と名付けられる程の美少女である。
だが彼女と付き合うと『残念美人』とすぐに仇名が変わるほど破天荒で変顔の達人だ。
そして最後に行きついた仇名が『ゼットン』。
残念美人の頭文字の『Z』からきていると言うが、怪獣のような破壊魔から仇名がついた。
「時間が無いからな。キャラクターはゲームのデフォルトで用意されたのを使おう。」
彼の名前は栗戸由宇。
司の幼馴染兼サンドバックである。
不断の努力にて筋肉の鎧を手にして司の直接肉体攻撃に耐える防御力を得た。
司は由宇の鎧が無い所を狙う事を覚えた為、現在は無駄な努力と成り下がっている。
髪型の数だけ好みの女性がいる変態である。
「僕はゲーム機自体持つの初めてなのですよ?もう少し待って下さい。」
彼の名前は根本晶。
彼の家は貧乏で母親が彼の散髪をしている。
晶の髪型は前髪は眉毛で一直線。
後ろ髪はうなじ付近で一直線のショートボブだ。
男子用の制服さえ着ていなければ、可愛い女の子にしか見えない男の娘だ。
「…晶…大丈夫…わたしも初めて…」
彼女の名前は黒井鶴。
学年主席で入学。
入学者代表挨拶で『三年間頑張ります』の一言だけで済ませると言う伝説を作った才女。
だが、司と由宇の影響で急速に二人の色へ染まってきている。
由宇曰く「黒髪ロング。太眉。黒縁眼鏡。黒いセーラー服。黒タイツ。見事なまでの黒に統一された姿にワンポイント白のスカーフ。しかも身長は140センチそこそこ。まるで小学生がセーラー服を着ているようだ。」と彼にだけは外見を高く評価されている。
彼女達は部活動へと必ず参加を義務付けられた学校で他の部活に馴染めない問題児たち。
一時はまとも(?)な部活動をしていたが、様々な理由により部室を取り上げられた。
だが部室を奪われた四人の活動は地下に潜りまだ続いていた。
現在は『地下に潜ったのに』屋上を部室代わりに使って活動をしている。
部活をさぼり屋上で逢引きをしている恋人達にはえらい迷惑な四人だ。
「あたしが簡単にこのゲーム『銀色の月の満月の夜』の説明をするわね。」
「よろしくお願いします。」
「まず目的。街を壊しに来る恐竜みたいな魔物を倒すゲームよ!」
「…恐竜?…」
「みたいな魔物だな。厳密には違うぞ。草食恐竜と思っていたら『ガブリ』と食べられる。」
「食べられちゃうのですか?怖いですね。」
晶が不安そうな顔をしている。
だがゲームを始めなければ話が進まない。
「俺が手取り足取り教えるから、とりあえず晶はデフォルトキャラを選んでみようか?」
「でしたら僕は、この『ネモ』って人にします!僕の苗字は根本ですし。」
「待て!晶!!」
由宇は急いで止めようとした。
だが晶は既にキャラクターを選択をしてしまっていた。
デフォルトキャラの中で一番の地雷キャラとして有名なキャラクターである。
とても初心者向けとは言え無い。
「決めてしまったものは仕方無いでしょ?どのみち晶くんは初心者なのだから。あたしと由宇で護れば良いでしょ?」
「そうだな。鶴はどれにするか決めたか?」
「…熊さん…」
「ベルガーか。魔力の管理も楽だし、初心者には良いキャラだな。」
鶴が首をかしげて、由宇へと質問をしてくる。
「…魔力?…」
「このゲームは『魔力』イコール『生命力』だ。『魔力』が尽きたらキャラは死ぬ。だから魔法を多く使うキャラは管理が大変だ。その点ベルガーは魔力も豊富でそれでいて消費魔力量も少ない優秀なキャラなんだ。俺は初心者には必ずベルガーをお勧めする。」
「…そう…」
「鶴っちはベルガーか。それじゃあたしはやっぱシーリンね。東海林だし?」
「あぁ。お前にはぴったりなキャラだよ。本当に……」
「そうでしょ?魔法も多く使えるテクニカルなキャラだからね!」
由宇のゲーム画面を覗いた司がそのまま彼のキャラ決定ボタンを勝手に押した。
「…ユークリット……由宇栗戸…」
「後衛が必要だったし、これで決まりでしょ?」
「俺はドカチーニを選びたかったんだよ!ユークリットはネモの次に地雷キャラだろうが!?後衛を選ぶならアルフィアの方が遥かに使いやすくて強力だろ?」
「このゲームはキャラクターのキャンセルが出来ません。」
「知ってるよ!このキャラでどうやって晶を護れば良いんだよ?」
「肉の壁??」
「それしか選択肢が無いよな!!」
「…わたしだけ、似た名前が無い…」
鶴の顔が少し曇る。
「大丈夫ですよ!黒井さん。僕も名前は一緒ですが、金髪の凄いイケメンで全然僕と似ていませんから!」
「鶴っちもアップデートされればきっと出てくるわよ?」
「そうですよ。絶対出てきますよ。」
「…分かった…楽しみにしてる…」
「不本意ながらも各自キャラも決まった事だし、ゲームを始めるか?」
「あたしはリアルモードでも良いけど、二人が初心者だし、いつでも街へ戻れるイージーモードでやるわね。しかもチュートリアル的な走り蜥蜴の親玉の討伐よ?鶴っちと晶くんへの接待プレイね!」
「是非そうしてくれ。それでも俺は生き残れる気がしないけどな!」
由宇がすでに一冒険終わったような疲れた顔をして司へと答えてゲームが始まった。
「うわぁぁぁ。」
「どうした?晶。」
「画面の中が凄く綺麗で、本当に異世界みたいです。」
初めて携帯用とは言えテレビゲームをやった晶は興奮していた。
たどたどしい指捌きでフィールドを一人で移動し始めている。
晶の画面に二足歩行のラプトル種のような魔物が現れる。
走り蜥蜴の手下が一匹、晶の画面に出てきている。
「栗戸さん。恐竜です!小さいけど恐竜が居ますよ!?凄いなぁ。」
「晶!すぐ戻ってこい!!俺も今行くからな。」
「なんか近づいてきますよ?あっ、噛まれました!画面に血が飛び散ってます!!」
「司、何やってるんだよ?晶が大変だ!!」
「ん?偵察だけど?親玉を探しているに決まっているでしょ?」
「良いから戻ってこい!」
「栗戸さん!大変です。キャラクターから左腕が無くなりました!」
「晶。絶対そいつを逃がすな!!腕が無いと回復に必要な金銀が膨れ上がる!」
「そんな事言っても、動かそうとしても『痛みで動けません』って画面に表示されます!」
「くそ!イージーだと言うのに無駄にリアルだな!!」
急いで晶を助けに行く由宇の左肩に『ポテン』と重みが乗る。
「鶴さん。鶴さん。俺の肩に顎を乗せて何をやっているのですか?」
「…由宇が一番上手そうだから見てる…」
「あたしの方が上手いわよ!!」
「お前は良いから早く帰ってこい!お願いだユークリットの固有スキル発動するなよ……」
晶を助けに来た由宇が走り蜥蜴と相対する。
敵と近接で相対した瞬間。
無情にもユークリットの固有スキルが発動した。
画面には『固有スキル:ヘタレ発動』と書かれていた。
近接戦闘で武器が届く位置にまでユークリットは走り蜥蜴へと近づけない。
「くそっ!勿体ないけど、晶を助けるにはこれしか無いな!あったれぇぇぇ!!」
画面の中のユークリットが槍を投げる。
投げ槍の威力の高さだけがユークリットと言うキャラの唯一の強みだ。
ただし、ゲーム中13回しか槍は投げられない。
全部投げると槍が無くなり、その後は小刀で戦わないとならないおまけもつく。
そのうえ、小さく素早い相手には命中率が低い弱点もある。
槍が奇跡的にも命中すると『固有スキル:ヘタレ』も解除された。
走り蜥蜴は槍に体を貫かれて地面に倒れ、もがき苦しんでいる。
ユークリットは走り蜥蜴にしっかり止めを刺してからネモの左腕を取り戻す。
ユークリットはそのままネモ本体を担いで、街の教会へと直行した。
イージーモードは城門近くに必要施設が揃っている。
リアルモードだと教会まで運ぶだけでどれほど時間が掛かるか分からない。
「イージーモードで良かった。街にも簡単に帰れるし、教会で安く回復魔法も受けられる。」
「僕は助かったのですか?」
「地雷キャラと言われているネモだが、唯一の強みであり弱点は魔法が良く効く事だ。」
「そうね。このゲームは大怪我をするとリハビリが必要になるけど、ネモとユークリットは部位を失わない限り、リハビリ要らずよ!あたしは囮として最高のキャラだと思うわ!」
「偉そうに言っているけど、仲間を囮にしないで、しっかり小隊をまとめろよ。リーダー!」
リーダーと呼ばれて司がニヤリと笑う。
「良く分っているじゃない?リーダーのあたしにちゃんとついてきなさい!」
「跳躍魔法を使ったシーリンについて行けるキャラはこの中には居ないからな!!」
「分かったわよ。みんな城門に再集合ね。40秒以内よ!」
「無茶言うな!!」
これまで鶴の操るベルガーは一歩も城門から動いていない。
鶴の顎も由宇の左肩に乗ったままだ。
由宇が晶へ操作方法を手取り足取り行う。
その様子を由宇の左肩の上から『じー』と見つめる鶴。
再び全員が城門に集合するまでには90秒掛かった。
「遅い!!」
「晶は初心者なんだから仕方ないだろ?」
「…みんなのとわたしのは画面が違う…」
「ああ。ベルガーは精霊が見えるからな。少し違う画面になるな。」
「…精霊…何か出来るの?…」
「見えるだけよ。」
「…見えるだけ?…」
「ああ。見えるだけだ。」
「…どうして?…」
「あたしも分からないわ。こればかりは作った開発者に聞くしか無いわね。」
「…そう…」
鶴が由宇から離れるとボタンを一つ一つ押しながら、どう動くかを確認するようにベルガーを動かし始めた。
晶も鶴を見習い、キャラの動きを確認している。
「…大体理解した…」
「僕も少しは慣れてきました。」
「仕方ないわね。みんなでまとまって移動するわよ。リーダーのあたしについてきなさい!」
さあ今度こそ冒険の出発だ!
と思った時に部活終了のチャイムが鳴る。
「えっ?これからよね?あたし達の活躍はこれからよね??」
「…もう終わり…」
「ああ。元々俺達の存在は作者の息抜きから始まったんだ。今回の話を作るのに作者が使った時間は約3時間弱。この後、誤字脱字の確認があるだろうが、画面の外で『時間稼ぎをありがとう』と高笑いしている作者が見えるようだぜ。」
「僕達の世界はまた終わってしまうのですか?」
「大丈夫だ!来週の日曜日までに本編が出来ていなければ、作者は多分また俺達を使う!」
「次週。『主に狩猟で成り立つ世界・親玉対決編』期待して待っていてね!」
「俺達の次回予告があてにならない事は読んだ読者様は全員知っているからな……」




