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過去編~最悪の結末ってやつか~

公園を抜け、俺たちの通う高校への通学路に出た。

この辺りの土地勘は三人共詳しく、何かあったときに逃げやすい


「とりあえず、歩隆は辺りを警戒してて・・」

とアキラは携帯をいじりながら杏里の手を引いて俺はその後ろをキョロキョロしながら付いていった。


すると、後ろからヨロヨロとこちらに向かって歩いてくるゾンビを発見してアキラの背中を叩いた。


「おい・・アキラ変なの後ろに居てる・・。」


「あぁ、音出すな。できるだけ静かに歩こう。杏里、泣くなよ、大丈夫だから・・・」とアキラは杏里の手を強く握っていた。


アキラが右にある最近できた5階建ての綺麗なビルを指さしあそこに入ろうと合図を出してきた。


「中に入ると危なくないか?」


「作戦会議だ、あっこのビルはスーパーの真後ろだから屋上に上がってスーパーの様子見もしたい。」


「・・・そうだな、分かった。」


俺らは静かにビルに入り様子を伺う、物音もなく中は安全そうだった為三人で屋上を目指した、屋上に着き辺りを見渡すと地上では気づかなかったがあちらこちらでゾンビは徘徊をしていた。


「危なかった、案外いるもんだな・・・アキラどうする?」


「とりあえず、みどりスーパーにはゾンビはいなさそうだ」

と、アキラはカバンから望遠鏡を出して周りを見ていた。

準備がすげぇな・・・。


「杏里・・今から俺と歩隆で食料を取りに行く。

ここは今は安全だから上から俺らを見張ってて欲しい。地上に降りたら俺らはゾンビの場所がわからない、だから杏里がここから確認して俺らにメッセージを送って欲しい。歩隆のリュックに入っていたタオルに赤色と白色のがあっただろ?ミドリスーパーを背にして右は赤、左は白で合図を出してくれ。これ、望遠鏡渡しておくから」


とアキラは自分の望遠鏡を渡して、俺の持参した二枚のタオルも渡した。


杏里も一人で残るのは心細そうだが、アキラの案に乗り首を縦に振った。


「そうと決まれば、行こう。

杏里後は任したよ、すぐに帰ってくるからね」

とアキラは愛おしそうに杏里の頭を撫でて屋内に入った。


「杏里・・・大丈夫か?すぐに戻ってくるから・・・もしもの為に、これ預けておく」

と、俺はキッチンから持ってきた果物ナイフを杏里に渡した。


「う・・うん。私はここにいるだけだからさ

それより、二人共気をつけてね?これ、預かっとく」

と杏里は果物ナイフを着ていたパーカーのポケットにしまい

無理やり笑顔を見せた。



そして俺とアキラはミドリスーパーまで杏里の誘導のおかげで無事に辿り着けた。

スーパーに入り、水と菓子パン、おむすびなどを適当にリュックに詰め15分ほどで食料調達は終わりスーパーを出てビルを見上げると、杏里の姿が無かった。


「・・・・・歩隆・・。」


「あぁ・・・なんでだ。杏里がいねぇ」

俺は最悪な結末ばかり頭によぎる・・・

いや、でもたった15分であそこがバレる事はない、多分杏里の事だ屋上の逆側で顕微鏡をのぞきながら生存者でも探しているんだろう。


俺らは静かに、でも早歩きでビルの前まで戻ると

2体のゾンビがフラフラをビルから出てくるところを発見し姿を隠した。


「・・アキラ・・・」

俺は泣きそうだった、最悪の結末なのか。


「とりあえず、確認するまで何とも言えない」

珍しくアキラのパーカーフェイスも崩れている。


二体のゾンビの後、他に出てくるゾンビがいなかった為警戒しながら屋上に上がった。








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