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生存者

カリンを助手席に座らせ、俺は運転をする。


カリンの言われた通りの道を走っていく。


「ちょっと、待ってください。少し集中します。

たしか、この辺りだったと思うんですが・・・。」


「わかった。ここで一回止めるよ。」


車を停止させると、カリンは後部座席のカバンからチョコを取り

ひとくち、口に含めると無言になった。


その間に俺もお菓子を食べ、水を飲む。

もし生存者が一人増えたらまた食料を取りに行かないとな。


「歩隆さん、わかりました。この近くです。

車をあの曲がり角まで走らせてください。そして、その角を右です。」


「おう、了解!」

言われた通り、走らせ角を曲がった

「ここで止めてください、ここからは歩きますので。おそらくこの家に居てるはずです。」

カリンが指をさしてるのはごく普通の一軒家。

「家?ここに居てるのか?」


「はい、ここから感じます。行きましょう!」

行きましょうって言うても、家の周りにはゾンビがウロウロと歩いている。

まぁ、カリンが居てるから大丈夫だけど、それでも足が竦む。


「クス・・・大丈夫です。ゾンビの相手は私がしますので」

「あぁ、助かるよ。」


車から降り、カリンを先頭に家へ向かっていく。

ゾンビはフラフラと近づいてくる、視覚はなくても聴覚が優れてるのか少しの足音にも反応して近づいてくる。

それを、静かに心臓に一刺しで殺めていくカリン。なんて頼もしい。


一軒家は今時の洋風で小さな門があり門を開け中に入りドアを開けようとするが鍵がかかってある。

まぁ、俺が同じ立場だったら普通に閉めるわ。と、納得していると。


ドン!!!


カリンが一発可憐な蹴りを入れドアを壊していた。

あぁ、もう言葉が出ねぇ・・・。

「さっ、入りましょうか!」

カリンはお邪魔しますと言い家の中を徘徊しだした。

音に釣られゾンビはゾロゾロとこっちに向かってくる、俺もカリンに続き家に入った。


「カリン、ヤバイってゾンビこっち向かって来てるよ」

「あぁ、仕方ないですね。さっさと見つけて逃げましょう。無駄な戦闘は避けたいので」

「そうして、本当に命何個あっても足りねえよ・・・」


台所と洗面所、和室を見渡しても誰もいない。

って事は二階か、階段を登ろうとすると

「生存者さん!助けにきました。私達と逃げましょう。出てきてください、ゾンビがもう家の前まで来ています!さっさと出てきてください!」

カリンが大きな声を上げた。もう、ゾンビはこっちに向かってきてるから今更何もしても仕方ない。俺も声を上げた

「出てきてください!早く!」



すると、

二階から物音が聞こえた。

俺とカリンは顔を合わせ二階への階段を走って登った。


階段を上がってすぐに子供部屋があった、そこに入ると小さな女の子がビクビクした表情で押入れから顔を覗かせていた。


「君!無事か?」

俺が駆け寄ると少し安堵した表情で

「お兄ちゃん・・・達、生きてる人?」

声を震わせながら小さな子供は押入れから出てきて抱きついてきた。


キュン・・・・・じゃなくて!


「お兄ちゃんとそこのお姉ちゃんは君の味方だよ。とりあえず、ここから逃げよう。」


「そうですね、もう一階までゾンビが来てます。歩隆さん、その子をおんぶできますか?この際仕方ないので機関銃を使います。その間に、車まで走り抜けましょう。」


「分かった。君こっちにおいで。あ・・・その前に、君どうしても持っていきたいものだけそこのリュックに入れて持って行っていいよ。早く準備できる?」

この家はこの子の家で、今この部屋はこの子の部屋だろう。

小さくても大切なモノの一つや二つは持って行かせてやりたい。


「お兄ちゃんありがとう」と子供は急いで

リュックに落書き帳と服を数枚突っ込み俺に近づいて、もういいよ。と背中に乗ってきた。

案外物分りもよくてこんな状況でもクヨクヨしていない。

俺より立派だ。


「よし、もう時間がありません。行きますよ」

カリンは機関銃を手に持ち、二階から一階に居てるゾンビに乱射していく、合図を見計り俺は子供を背負い走り抜けていく。その後ろを追うようにカリンが走ってくる。


車まで、あと少し・・・・



その時。


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