なんで俺生き残ってるんだよ・・・
ハァハァ・・・・ちくしょ。
なんでアキラ携帯出ねぇんだよ・・・。
俺は今、崩壊寸前のビルの一階で身を隠している。
周りは真っ暗で灯り一つもない
唯一の灯りは俺の持っているスマホだけだ。
アキラは俺とこの一ヶ月間必死で一緒に逃げてきた中学からの連れ。
何から逃げてきたって?
それは、今ビルの周りを徘徊している元人間、所謂ゾンビ化した人間からだ。
何がきっかけで人間がゾンビ化したのかは分からず世界は破滅的になってしまった。
電気と水はまだかろうじで生きている。もう限界だろうけど。
アキラは一時間ほど前に食料を取りに行くとビルの隣のコンビニに走っていった
それから連絡が途絶えている。ゾンビの特徴はこの一ヶ月でだいたい把握できていた。
よく目が見えていない、音に反応する。と映画とかでも見たことがあったが、全くのその通りだった。奴等はどうも視力は機能してないらしく音で判断している。
アキラはそれを知って音に反応するなら、音を出さなければいいと。
隣のコンビニに入って行った。ビビリでヘタレな俺はこの破滅寸前のビルの片隅で隠れて待っている。
「一時間もかかるのかよ、隣だぞ、隣。アキラどこのコンビニ行ってんだよ・・・。」
アキラの無事を祈りたいが、この状況でそれは難しく俺は泣きそうだった。
まじ怖い、本当に勘弁して、こんな事ならさっさと殺られとけば良かった・・・。
なんで変に俺生き残ってるんだよ。
本当絶望、後悔、死にたい。でもゾンビ怖い嫌だ普通に死にたい。
今にも泣きそう、ってか泣いてる俺。
三角座りをして顔を伏せてると
俺のいるフロアの奥から変な音が響き渡ってきた
ピピッピピッピピッ・・・・・
ピッピピピッピピピ・・・・
や、やばい。これは確実にやばい。
アラーム音だ、ここで殺られた誰かの携帯のアラーム音だ。
今、何時だよ夕方4時だよ。夜勤でもしてた奴の携帯か?お疲れ様だな!
そんなツッコミをしながらでも、俺は完全に焦っている。
冷や汗と涙で身体の水分はもうほぼ無くなってるだろう。
すると、ゾロゾロと音につられてゾンビ達がビルに入ってきた。
あ、ここで俺死ぬ完全に死ぬ。終わったな人生。
武器もなければ知恵も出てこない
腰を抜かして身体が動かない。ゾンビ達はふらふらとビルを徘徊しだした
やがてこっちに近づいて来て俺は噛まれてゾンビ化だな、
できれば痛くない所を噛まれて簡単にゾンビ化したいものだ。
足の小指ぐらいなら耐えれるかな・・・。
フラフラとゾンビ達は俺に近づいてきた。
死を決意した時。
俺の目の前でピカっと閃光過ぎった
「うわ!」と声を出してしまった時
目の前に小柄な少女が現れた。