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ガミキのヘッポコストーリー  作者: ゼロ
黒の姫君 編
25/84

間章 『少女』は『少年』を……

■【■■□■■】シルメリア=ビリーゼ


 最近の私は少し変だ。


 ついこの間出逢ったばかりである人間の少年と旅紛いな事をしている。

 あれだけ他人と関わる事を避けていたのに。それが今となっては自分から彼に付いていく様な形で、生まれた『関わり』を放棄出来ずにいる。


 ───私と関われば、不幸な目に合わせるかもしれないのに……。


 それでも求めて得た他人との『繋がり』を手放す事がとてもとても惜しく思えてしまう。

 可笑しな事に自分でも忘れていた自分がふと顔を出した時、その懐かしさが何だかくすぐったくて温かい。

 だからこそ、その少年の優しさにどんどん甘えていってしまいそうな自分が時折恐くなる。


 ───また私は私の都合で大切なものを失ってしまいそうで……。


 それでも他人と関わる事をしなかった私にある変化が訪れた。

 少年と出逢った日を境に内に宿る忌まわしき魔力が溢れ出す事がなくなった。

 かつてはあんなにも抑える事が難しかった力が嘘みたいに影を潜めている。

 少年といる事がそこに繋がっているのか否かは定かではないが、不思議とそうなのだと思えてしまう魅力が彼にはある。


 ───こうやって私は『繋がり』を深めていってしまっているのかもしれない……。


 傷付く事を恐れて誰彼遠ざけていたあの頃の私からしてみれば、これは成長なのだろうか?はたまた同じ過ちを繰り返すだけの布石を積み上げているに過ぎないのか?

 魔力が抑えられているのはただの偶然で───もしかしたらこの先彼を喰らう事になってしまうんではないかと考えた時、私は堪らなく恐ろしい。


 だからこそこれ以上は関わってはいけないと感じる。



 ……でも、寂しい。



 私はもう独りが堪らなく寂しく思えてしまう。

 彼といた僅かな日々。ただ、それだけで、私はもう二度と独りは嫌だと感じてしまった。




 ただの自己中心的な我儘だとしても───、




 私はユウキを失いたくない…………。

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