少年の答え
短くてすいません。
誤字・脱字等があれば報告お願いします。
「僕には僕が世界を変えるだなんて、馬鹿馬鹿しいと思った。絶対に無理だと思っている。」
風が止む。まるで、少年の声を、思いを、伝えるかのように。
「それでもこの世界では、それでいいんだ。何も言わなくてもいい。ただ笑っていればそれで——。
僕もその方が楽だと思う。いつだって逃げてもいいんだから。でも——」
「でもそれじゃあ駄目なんだと思う。零に会って、零はこの世界の人みたいじゃないみたいに笑ったんだ。僕はそれに見とれた。正直、今でも何で僕がこんなことを言っているのか分からない。可笑しな夢を見ていたいだけかもしれない。僕の言葉で、僕の表情で、僕の感情で何かが出来るって言うなら、僕も零のように笑ってもいい?こんな僕でも変えたいと思ってもいい?途中で止めてしまうかもしれないし、最悪、殺されるかもしれない。それでも零は僕と一緒にいてくれる?」
少女——零は静かに涙を零し、笑いながら少年に言った。
「うん!!」
その返事に、少年は安堵したのか『は〜』と息を吐き、そのまま地面に座り込んでしまった。そして、少年と少女はこの世界のすべての嘘を忘れさせるように笑い合った。
日は沈みかけ、街はオレンジ色に染まる。
その日のオレンジ色に染まった街を見た少年と少女は声を合わせて言った。
——わぁ、この街はこんなにも綺麗だったんだ——
と。
少年と少女、そして・・・・この世界の未来が動き始めたのは紛れもなくこの瞬間からだろう。
さぁ、あなたは未来に何を望む?
次回は、もしかしたら番外編かなんかにしてあるかもしれません。
番外編の場合、本編とは全く関係がありませんので、読まなくても話は分かります。