少女の答え
誤字・脱字があれば、報告、よろしくお願いします。
あの時、駅にいた少女だ!証拠はないものの、僕にはそうみえた。
「じゃあ、零さんはその席ね」
先生の指先は、僕の席の隣を指していた。
これで分かるかもしれない。少女の、あの言葉の続きが———
「よろしくね。真君」
「よろしく・・・えっ?!なんで僕の名前——」
少女は僕の名前を知っていた。
教えてもいないのにもかかわらず、僕の名前を知っていた。
大事なことなので、二回言ってみた。
「知ってちゃ、だめ?」
「いや・・・。」
‘知ってちゃ、だめ?’
とか、そんな切なげな目で訴えられたって、僕にどうしろっていうんだ。
「ちなみに、僕のこと、どのくらい知ってるの?」
こんな質問、僕はなぜ彼女に投げ掛けたのだろう。
「えーと——」
少女は少し考えた後、僕について言い始めた。
「名前と身長と性別と年齢と・・・・あっ!駅で会った人」
「よかった。知っていることがそれだけで・・・」
少女には、僕の言った言葉は聞こえていないようだった。
少しほっとした。
ホクロの数だとか、体脂肪率だとか、肋骨の太さだとか、マニアックなところまで知られていたら近づけなくなりそうだった。
そこで僕はハッとした。
「今、駅で会った人って言った?」
真剣味が増す。もしそうなら、モヤモヤしていたあの言葉の続きが分かるからだ。
「言ったよ」
「僕に ‘この世界の嘘が嫌いなの?’ って聞いた?」
「聞いたよ」
「じゃあ——」
やはり、彼女は僕があの時見た少女だった。
「じゃあ、その言葉の続きって、なに?」
やっと聞くことが出来る。その答えを———
「この世界の嘘が嫌いなの?」
すると、少女は笑ってこう言った。
———じゃあ、真がそれをなくしたら?———
賛同でも、否定でもなかった。
少女の、僕に対するその答えは思いもよらぬものだった。
それは、簡単には言っているものの、訳せばこうなる。
——じゃあ、真がこの世界を変えたら?——
しばらくの間、沈黙が続いた。
次回の投稿は、少し日が開きそうです。
語彙力のなさについては、申し訳ありません。