少女の名は——
誤字・脱字があれば、報告お願いします。
あの少女は一体・・・。
あれから僕は、あの黒くて綺麗な長い髪の少女のことが気になっていた。
正確には、少女の発した言葉が、だが。
‘この世界の嘘が嫌いなの?’
僕からみると、これはこの世界を否定している。だが、賛同しているようにもみえる。僕の見間違いではないのならその言葉には続きがあった・・・・はずだ。
聞こえなかったのだから、想像するしかないだろう。
あの時僕だったら何と言う?僕だったら——
‘私もそう思うんだ’
———違う。あくまでこれは僕だったらの話。じゃあ、彼女は?彼女はなんと言う?
否定か?
賛同か?
どっちだ?
その答えを知るために、僕は毎日のように同じ場所、同じ時間に訪れた。休日も、雨の日も、祝日も——
これじゃあまるでストーカーだな。
・・・・・・・。
誰か、否定してくれぇぇ!
それから三日後のことだった。
「皆さん。いきますよ。せーの」
「「「「「今日も笑顔を絶やさずに、平和な日常生活を!!」」」」」
物心ついたときから言わされてきた教訓。
さすがにこの言葉には飽き飽きしている。学校だけではない。朝の六時にはすべてのテレビが切り替わりこれが流れる。この言葉、推し過ぎだろう。『よく飽きずに聞いていられるな』とむしろ感心してしまう。
「———ということで、今日は転校生を紹介します。」
「この時期に珍しいね」
「わー。楽しみ」
「どんな子だろう」
ざわめく。
正直、僕も気になっている。こんな時期に転校生だ。どうせ、ここにいる人達と変わらないとは思うが、少し、期待していた。
「では、零さん。どうぞ」
ガラッ
扉を開けたその少女の髪は風になびく。黒くて綺麗だ。その蒼い瞳もまるで、あの時みたいな———?!
待てよ、僕が見たあの少女も同じ髪を持っていた。同じ目をしていた。
「黒雪零です。これから、お願いします!」
その少女は笑った。明るく笑った。ここにいる人とは何か違う空気を纏い、ホンモノの笑顔で・・笑った。
それで僕は確信した。
‘駅で会ったあの少女だ’
確かな証拠はない。だが、その少女は僕にそう思わせてしまったのだ。
主人公の名前をまだださなくていいのか・・・いいわけないだろ!
次話では必ず出します!このまま、少年Aとかで終わりたくない!
とか言っても、次は登場人物紹介にでもしようと思っているのですが・・・