死の先に在る者
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零という存在が無くなってしまったこの世界を変えてやろうと決意した僕は手始めに僕の通っている学校内から変えていこうとした。初めは小さな事だった。挨拶を思いっきり笑ってしてみたり、ばれない程度に感情を出してみたり・・・・。
そんな事から今では生徒全員、教師という様に僕というこの世界においてイレギュラーな存在の所謂『毒』に侵され、段々とそれはまわってゆき、ついには学校全体が一丸となって色を染めようとしている。それは、僕達の学校から広がり、たまに記者なども来るようになったがそれに比例して危険因子だと見られ、命を狙われる事も多々あった。
それから一年が過ぎたころ、世界の人々は政府に反発した。だが、その反発も虚しく鎮圧される(もちろん、少数によるものだが)。しかし、これが広がれば政府が崩壊すると考えたのだろう。僕のところに警察が来たと思えば、いきなり処刑宣言された。牢にいる時間はとても短く、約一時間といったところだろうか。僕の家に来る前からきっと判決はすでに下っていたのだ。
人通りの多い時間帯、場所のど真中で斬首刑だそうだ。どこの時代なのかと思ったりもした。だが、不思議と死に対する恐れはなく、何故かそれがホッと胸を撫で下ろす。
ガシャン
処刑用の刃物が僕の首を跳ね飛ばした。いつ死んだかも分からぬまま、首はボテッと地面に落ちた。僅か十四の少年だった。
それに泣き喚くものもいれば、顔を逸らす者もいる。そして、政府に従おうと硬く決意するものもいる。恐らくこれが狙いだろう。いい示しになっているはずだ。
だが、その決意は僕の顔を見た瞬間呆気なくなくなる。少年は処刑されたにもかかわらず、最後まで優しい笑みを絶やす事はなかったからだ。
空は晴れ晴れとしており、その夜には綺麗な赤みを帯びた満月が見えたのだとか・・・・。
その後、僅か一年の内に政府は崩壊し、世界は色付く。それは、世界が無色になってから二百年という時の重さと、一人の少年によって色付いたのだ。その少年は後に人々からこう呼ばれた。
【虹色の絵筆】
と。
「・・ろ・・・や・・・・・か・・・」
「起きろ!夏哉!!起きんか!!!」
あぁ、煩い。
「おっはよ~。今授業中だよ?夏哉」
俺の隣の席には零がいた。
・・・主人公は死亡。ヒロインは消える。この先、どうなるのやら・・。