消えたキオク
誤字・脱字等があれば報告お願いします。
遅くなってしまってすみませんでした・・・・
PVってどうやって見るのだろうか・・そんな事を考え早二ヶ月(機械音痴なんです。すみません)。やっとやり方が分かったかと思えば1000突破していました!!!有難うございますッ!!!
零が・・消えた。
僕の伸ばした手は届かなかった。
その事実は泣いても泣いても流れる事はない。現実を思い知らされた。そして僕は悔やんだ。ぽろぽろと次々に溢れ出てくる雫はやがて地面に落ち、染み込んでゆくだけであった。少年とは思えないほどの泣き崩れっぷりだった。
僕が何も言わなければよかったのだと。
零と深く関わらなければよかったのだと。
何も変えようとしなければ良かったのだと。
何を思っても戻ってくるはずがない。
ただ、戻ってくるという希望に縋り付いていたいだけなのだ。
今までの出来事が全て嘘だと誰かに言って欲しかっただけなのだ。
だが、青々としている空を見ていると笑われているようで、馬鹿にされているようで、現実を見ろと言われているようで、僕は止まらぬ雫を拭い、フッと軽く笑った。雨でも降っていれば泣き続けていたのかもしれない。だが、そんな同情はしてくれないのだ。そう、現実は甘くない。一人が何を願おうが、望もうが、それは単なる願いであり、個人としての望みなだけだ。
気が付くと月菜は泣き疲れて眠っているようだった。
スースーとリズムの良い呼吸を繰り返し、その寝顔を見ていると、まるでこの現実がなかったことのように思えるような・・・・。
むっくっ
月菜が起きた。
「おはよう」
「・・・・・。」
無言だったが、また泣き出すことはなく、ただただ空を見つめ、ボーっとしているだけであった。
「私、何でこんなところで寝てるんだろう?」
「泣き疲れちゃったんだよ。きっと」
僕がそう言うと月菜は首を傾げ
「何で私は泣く必要があったの?」
と聞いてきた。
「覚えていないの?零が・・零が消えちゃったんだよ・・?」
きちんと現実を見たはずの、フッと軽く笑ったはずの僕の声は震えていて今にも泣き出しそうだった。
「零・・・・零って・・誰?」
月菜は驚くべき事を言い出した。零の事を覚えていないと言うのだ。
「~~っっッ?!・・・一緒に肝試し、したじゃないか」
「・・・・。」
ある意味賭けだった。
もしかしたら零が消えてしまったショックで少しの間忘れてしまっているだけだという理由を無理やりこじ付け、忘れてなどいないということを信じ、少しでもその信じたモノに縋り付いていたかった。だが、確かめた後、零が忘れ去られてしまった現実がそこにあるのなら、僕はどうなるのだろうか・・?
「ごめん。真、いくら思い出そうとしてもわからない」
「そう・・なんだ」
僕はあっさり賭けに負けた。
しかも、零の事を忘れているのは月菜だけでなく、この世界にいる僕以外の全員だった。
そして僕は狂ったように笑い出した。
だが、その頬には無数もの雫が伝い、止まる事を知らない。
零と過ごした時間は何の前振りもなく消え、その思い出と重みは僕しか知らない。
その後も零との思い出・・・即ち、零についての記憶は誰が思い出すわけでもなく、進展はなかった。
だから僕は決めたのだ。
零の分も背負って、この世界を一人で変えてやろうじゃないかと・・・・