記憶の狭間で見る夢は
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今回は、完全に零の話ですね。ハイ。
私が不意に口にした少年・・・・なつや。
一体誰なのだろう?
思い出すなと夢の中で誰かに言われてしまったが、モヤモヤしたままにはしたくはない。私は、思い出さなければならないのだ。
でも、今日はもう遅い。寝よう。
そう思うと、私の瞼はゆっくりと閉じていった。
「ようこそ!記憶の狭間へ!!今日僕が君を呼んだのは、最終確認のためだよ」
その記憶の狭間とやらは、その名のとおり様々な記憶が場面となって、真っ白な部屋を埋め尽くす。だが、私のその部屋は、所々黒く染められていた。まるで、誰かが『見るな!!』と言わんばかりに。
誰かの声しかしなかったその部屋には、いつの間にか銀髪の少年がおり、その少年は私を見つめて、言った。
「ねぇ、零。まだ思い出そうとするの?」
銀髪の少年はフワフワと宙に浮きながら少し困ったような顔をしていた。外見的には十二歳ほどだろうか?片手に小さなステッキの飴を持ち、それをクルクルと回していると、その飴は赤と白の縞模様から、青と黄色の縞模様になった。
私は何処かで見たことがあると思いつつも、なかなか思い出せなかった・・。
「思い出しちゃいけないの?」
「いけなくはないんだけど・・・・零の『今』は確実になくなってしまうよ?いいの?」
「・・・?どういうこと?」
「それは・・言えないな。言ったら思い出しちゃうし。それに、僕もね・・・・・」
「あなたもどうかなっちゃうの?」
「・・・・。」
銀髪の少年は悲しげな顔をしたが、苦笑して私に言った。
「さぁ?コストが高いからね。まぁ、あと四・五回は出来るかな?」
「何が?」
私がそう聞くと、銀髪の少年は笑う。
「秘密だよ」
「さぁ、零も起きて!もう外は朝みたいだからね。あっ!零、この事を真にだけは言ってはいけないよ。と言うより、真に『記憶の狭間』という言葉を聞かせてはならないよ。」
その言葉に疑問はあったが、また『さぁ?』と言われるような気がしたので聞かなかった。
真っ白な部屋の奥のほうにはいつの間にか扉があり、そこに行くように言われたので、私はその扉のドアノブを握ると、いつの間にかそこは私の部屋で、時計を見ると朝の六時四十五分だった。
「零はまだその扉しか見えていないんだね。良かった。まだ『今』にいられるよ。でも、この部屋が完全な記憶の狭間となるとき、零は『今』にいられず、真は・・・しまうね。まぁ、そうしたら真が此処に来るんだろうけど・・・・・なんせ僕だってもうそろそろやばいんだ。早くしてくれよ。その望みを叶え、大切な人を救いたいと願うのなら・・ね。」
「さぁて、もうそろそろ動き始めてしまうのかな?楽しくなりそう!僕も準備しておかなくちゃ。零と真が何時来てもいいように。でもね、それはとてもとても重いんだ」
銀髪の少年はそう言って、部屋から去った。