侵入者
長らくお待たせいたしました。
勉強の合間に少しずつ書いたので時間がかかってしまいました…。
勉強なんて嫌いだヽ(`Д´#)ノ
とある大国の大統領執務室。ここでは、先ほどから二人の男が話し合っていた。
「・・・本当によろしいのですか?」
「ああ。アレを放置するわけにもいかんだろう。」
「ですが、アレについてはワープゲートであるということ以外、まだ何もわかっていません。そもそもワープゲートなんて、世界中で未だ研究段階のシロモノ。どこにつながっているかもわからないのに、いきなり内部へ強行偵察など危険です!」
「なら君はこのまま黙って見ていろと言うのか?・・・いいか、これはチャンスなんだ。今あの国で起きているのはまるで前例の無い事態。突如発生した台風の群れ、その上空および付近でのみ起こるあらゆる機械の不調。そして沖合に現れた宙に浮く無数の鳥居。しかもそれは、ワープゲートになっているときた。それらを解決すれば我が国の国際的地位は上がる。それに、上手くすればあの事態を引き起こしている原因を突き止めて、我々が使用できるかもしれないだろう?そうなったらこの国は世界の覇権を握れるんだ。」
「しかし、他国を差し置いて我々だけが突入すれば各国から非難を浴びますよ。現在我が国の調査団が沖合から調査を継続しています。大統領、どうかお考え直しください。」
「バレなければいいんだ。それに他国でもこれぐらい計画しているだろうしな。調査団だって我々だけがやっているわけではない。先手を取らせるわけにはいかないんだ。」
「ですが!」
「いい加減にしたまえ。これはもう決まったことだ。」
「っ!・・・失礼します。」
言って、乱暴に部屋を出て行く官僚。
彼の言葉が正しかったと分かるのは、まだ先のことであった。
※※※※※
神になって3日目。それはダンジョン内を見回っている時のことだった。
「・・・!」
突然、身体中に感じる不快感。まるで異物が入り込んだかのような感覚に、ついにその時が来た事を悟る。
「まったく、まだ三日目だってのに。どこのどいつかは知らないが、ずいぶんとせっかちだな。」
今頃、門番役の草蛇がこのことを知らせに伝令に出ていることだろう。侵入者だ、総員戦闘配置につけ、と。
「シャアア!」
「ん?鏡美、お前も行きたいのか。・・・良いけど、敵はできる限り捕縛しろ。殺すと後々面倒だ。それと・・・絶対死ぬなよ。」
「シャア!」
鏡美は返事もそこそこに、侵入者のいる方へ猛進していった。それに合わせ、自分も移動を開始する。
---眷属達が頑張ってくれるのに、その主たる自分が動かないでどうする。
「さあて、初陣と行きますか!」
※※※※※
まったく、驚きの連続だ。
三日前に発生した異常事態。それの極秘調査に向かわされたかと思えば、目に映るのは水面から少し上に浮いている門。確かトリイ、とか言ったか。
それをくぐり抜けると、本当に周りの景色が様変わりしていて、海の上にいたはずが気付いたら森の中
ときたもんだ。・・・正直もう帰りたい。
「ぼさっとするな。ここが安全とは限らないんだぞ。」
「了解。」
隊長殿に叱責され、俺も他の隊員と同じように、周囲を警戒しつつ進む。隊員は俺と隊長殿を含め五人だ。・・・いくら俺達が特殊部隊とはいえ、こんなところにたった五人で行くなんて自殺行為だと思う。
「いいか、今回の任務は調査だ。なるべく多くの情報を手に入れろと命令されているからな、迅速に行動しろ。」
「「「「了解。」」」」
隊長殿はやる気満々だけど、これから一体どうなることやら。
そのまま俺達は、傾斜の多い森ーーー恐らく山の中にあるんだろうーーーを進んでいた。敵性存在も現れず、行軍は実に順調だが・・・
「妙だな・・・。」
トリイをくぐってから30分。なのに、敵どころか虫一匹見当たらない。目に映るのは木々とそれに絡み付く大量の蔦ぐらいだ。
特にこの蔦の量は異常だ。木の一本一本に執拗に巻きつき、地面や樹上を網羅している様はまるで巨大な蜘蛛の巣を思わせる。今のところは問題ないが、走る時にはさぞ邪魔くさいだろう。
「何でこんなに蔦が多いんだ?」
「おい、そんな不用意に近づくと・・・」
危険だぞ、と言おうとした瞬間ーーー
「シャア!!」
「うぐ!?」
突如何匹もの蛇が隊員に巻きつき、両腕を締め上げた。
「くそ・・・身動きできない。」
なんてこった。蛇達、隊員の腕と蔦に同時に巻き付いてやがる。まるで貼り付けだ。腕を動かせないため、蛇を攻撃して脱出という手も使えない。
「待ってろ、今助け・・・うお!?」
落とし穴だと!?助けに行こうとした一人が落ちちまった。
穴をのぞき込むと、派手な黄色の液体に腰まで浸かっている姿が見えた。
「おい!大丈夫か!」
「か・・・だが・・しび・・」
「まさか・・・この液体神経毒か!?」
まずい。これで二人が戦闘不能だ。戦えるのは、俺を含めて残り三人。ここでもう一押しされたら、恐らく持ちこたえられない。
「ひっ!?うわああ!」
いきなり、無事だった隊員が茂にひきずりこまれる。
「な、なにが起こった!?」
どうやら、悪い予感ってのは当たるものらしい。
隊長殿の声に反応するかのように現れたのは、通常より一回り大きな蛇。だがそいつには、明らかにおかしいところがあった。
身体の数カ所に見られる真っ白な鱗。
刃物を通り越してまるで刀剣のような牙。
ーーーそして何よりも、夥しいほどの蛇を引き連れ俺達を包囲しようとするという、知性的な行動。
俺達はあまりのことに呆然として・・・
「う、うわあああああ!」
逃げた。蔦や地面の窪みに躓きながら。落とし穴みたいな罠があるんじゃないかなんて、考えてられなかった。
途中で隊長殿ともはぐれた俺は、必死に走って走って、急な斜面を這い蹲りながら登りきり、気付けば山頂のトリイの前にいた。
「これを通れば・・・。」
帰れるんじゃないかという期待は、呆気なく崩壊した。
何故なら、トリイの向こうからーーー神が、現れたから。
人など丸呑みに出来そうな程の巨躯。
白く輝く穢れ無き身体。
射抜くような真紅の瞳。
何時の間にか現れた蛇達が、静かに頭を垂れる姿は正に神とその信徒。
「まったく・・・今日は驚いてばっかりだ。」
そして俺は、意識を失った。
正直駄文っぷりに悶絶しております。
急展開過ぎて特殊部隊がメ○ルギアの敵兵並に無能になってしまいました…。
読み仮名をいくつかふってみましたがどうでしょう?自分としては少し難しいかな?くらいの字にふったつもりですが。
ご意見ご感想などお待ちしております。m(_ _)m