ダンジョン作成
少々遅くなってしまいました・・・
昨日投稿しようと思っていたのですが、執筆中に寝落ちorz
何はともあれ、これからもよろしくお願いいたします。
「えーと、『ダンジョンは、【ダンジョン作成】発動地点を中心に、最大半径2㎞の範囲をダンジョンとする。範囲は半径2㎞以下なら自由に調整可能』か・・・」
今自分がいるのは、掃除をしていたあの神社だ。幸い、この付近には山が多く、この神社自体が山の中腹の斜面に建てられている。ここから少し移動すれば、最大限範囲を指定できるだろう。
「じゃあひとまず移動するか。」
そして彼は体をくねらせながら進んで行った。
「よーし、登頂!」
今彼がいるのは、あの神社のあった山の山頂。ここなら人の生活圏を強奪することなく、最大までダンジョン範囲を指定できる。また、あの神社も範囲内である。
「それは良いとして・・・お前はいつまで付いて来るんだ?」
振り向くと、そこには一匹の青大将が蜷局を巻いていた。その目はしっかりと自分に向けられており、何故か視線に好意的なものが含まれているように感じた。
「俺は今からいろいろしなきゃいけないんだ。ほら、元の場所に戻りな。」
しかし青大将は頑として動く様子がなく、まるで一歩もここを動かないぞと言わんばかりに、蜷局をより強く巻いていた。
「もしかして《蛇の系譜》の効果か?」
説明には蛇との相性上昇とあったので、きっとその効果で懐かれているのだろう。
「まぁ邪魔にはならないしいいか。それよりダンジョンを造らないと。・・・よし、【ダンジョン作成】!」
スキルを発動。と同時に、自分から何か力のようなものが一気に辺りに放出され、広がっていくのを感じた。
試しにステータスを開く。
名称
種族 神、蛇神 役目 土地神
位階 下級神
存在 … level 1
体力 … 600/1200
神力 … 500/1000
能力値
筋力 … 40
知力 … 70
防御 … 55
精神 … 65
器用 … 50
敏捷 … 50
技術 【ダンジョン作成】【眷属創造】
【蛇神の毒】
称号 《新たなる神》《蛇神》《蛇の系譜》
《白の神聖》《ダンジョンの主》 new!
《ダンジョンの主》支配下にあるダンジョン内
で回復力上昇
「称号が追加されてるってことは成功か。にしても、体力と神力を五割もってかれるとはな・・・正にダンジョンは自分の半身ということか。」
ステータスを閉じて、書物を読みつつ作業を継続。
「ダンジョン範囲も決まったし、次はダンジョンの各種調整をしないとな。・・・えーと、【ダンジョンステータスオープン】!」
名称
支配者 蛇神(名称未定)
等級 level1
設定
・環境
・建造
・配下
・物資
・記録
「ダンジョンにも名前を付けれるんだな・・・ダンジョンが落ち着いたら、自分のも含めて考えるか。今はそれどころじゃないしな。」
名前についてはそのままダンジョンと自分の名前。等級はダンジョンのレベルで、支配者のレベルが上がると同時にレベルアップするらしい。
設定欄にある五つの項目は、それぞれダンジョンの環境、建物や罠などの建造物、ダンジョンに属する眷属、備蓄してある物資、その他様々な情報と分類されており、それぞれ細かい設定ができるようだ。
「じゃ、始めよう!」
環境の項目から、各種調整をしていく。
手始めに、山頂を中心に付近の樹木を撤去、整地してスペースを確保する。山の木々には蔦を這わせ、山中にあった池は拡張した。
そして出入り口を二つ設定。片方は少し特殊になっているが、ここでは説明を省かせていただこう。
環境整備を終了し、建造の項目を開く。次は建物などを整備しなくてはならない。
まずは罠の設置だ。先ほど木々に這わした蔦を、縦横無尽に張り巡らせる。更に、そこかしこに大小様々な落とし穴や段差を設置。これで、山の傾斜も相まって大分進行を遅らせられるだろう。
最後に、山頂付近に作ったスペースに新居として神社を建てる。材料は・・・寂れたあの神社だ。せっかく有用な物があるのだから、使わない手はない。それに、あのまま朽ちさせるのも忍びなく感じたのだ。
「よし、完成だ!」
ダンジョンはひとまず完成。罠も多いし不安はないが、もしも不備があればその際に改善しよう。
「次は眷属を生み出すんだが・・・青大将使えないか?」
首を傾げる青大将を尻目に、書物を読む。すると、眷属の創造には二つ方法があると分かった。
一つは神力で造り出す方法。この方法だと創造時のスペックが統一できるのだが、二つ目の方法に比べて能力がやや劣る。
もう一つは生物を眷属化させる方法。こちらは逆に能力に個体差が出てしまうものの、基本的に能力は高くなる。つまりは一長一短なのだ。
「使えるのなら話は早い。覚悟!【眷属創造!】
再び力の抜ける感覚。しかし今度は程度が軽く、力も目の前の青大将へと集中した。
「シャアアアア!?」
青大将の姿が変わっていく。身体が一回り大きくなり、鱗に白いものが混じる。そして何より目を引くのはその牙だ。まるでナイフのように巨大化し、口内に収まりきらないその様子はサーベルタイガーを彷彿とさせる。
「これで眷属化できたのか?」
配下の項目を開く。するとそこには
配下
総数 … 1
種類 … 1
一覧
と表示されていた。
「うん、成功だな。これからよろしく頼むぞ?我が眷属よ。」
「シャアア!」
頷く元青大将。これからこの国は戦乱の世となるだろう。そして俺はそのただ中を、覇道を進むのだ。あまり甘いことは言っていられないだろうが、なるべく犠牲は出したくないものだと、まだたった一匹の眷属を見ながらそう思った。
「さあ、神力は尽きてしまったし、今日はもう休むことにしよう。・・・ほら、行くぞ」
「シャア!」
そして一柱と一匹は、連れ立って新居へと向かったのだった。
やっとダンジョン作成できました!ここまで何日かかりましたかね?
それはともかく、次回は遂に人間側を書こうと思います。実は作中では、この話でようやく一日経過です。突如一国が超巨大台風で囲まれるという超状現象に、世界は、この国はどうするのか。
それではこの辺で失礼いたします。