第4章 凪のクリスマスプレゼント
雪の朝、ツリーの下に置かれた小さな包み。
それは、“家族”として迎える初めてのクリスマスの贈り物でした。
凪の笑顔、柊と環のまなざし――
静かに広がるあたたかさが、冬の朝をやさしく包みます。
翌朝。
凪の「わぁーーっ!!!」という声が、ぽかぽか邸に響いた。
柊と環が寝室から出てくると、
リビングのツリーの下で、凪が両手をいっぱいに広げていた。
ツリーの根元には、小さなプレゼントの包みがひとつ。
「見てください!サンタさん、ちゃんと来てくれたんですよ!」
「そうか、よかったな。」
柊が笑いながら凪の頭をなでる。
環はそっとカップに温かいココアを注ぎ、凪の前に置いた。
「開けてみてください。」
凪がリボンをほどくと、中から出てきたのは
柊と環からのプレゼント――木製の名入りボールペンだった。
「わぁ……!これ、僕の名前が入ってる!」
「うん。凪くんが仕事でも使えるようにと思って。」
「すごい……!ありがとうございます!」
凪は目を輝かせながら、何度もお辞儀をする。
柊と環は顔を見合わせ、穏やかに笑った。
ツリーの灯りがまだやさしく瞬いている。
昨夜降り積もった雪が、窓の外を白く染めていた。
カップから立ちのぼる湯気が、朝の光の中で淡く揺れる。
「いい朝だな。」
柊の言葉に、環がうなずいた。
「はい。世界でいちばんやさしい朝ですね。」
サンタからの贈り物のようでいて、本当は“想いのかたち”そのもの。
名前が刻まれたボールペンは、
これからの凪の未来と、三人の絆を結ぶしるし。
「世界でいちばんやさしい朝」
――その言葉のとおり、
この日もまた、ぽかぽか邸には静かな幸せの光が灯っていました。




