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EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season3 〜番外編〜― 柊と環の結婚 ―  作者: 柊梟環
EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season3 〜 番外編 〜 ― 柊と環の結婚 ―
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第1章 凪のひとこと

休日の午後、リビングに流れるのはコーヒーとクッキーの香り。

ぽかぽか邸のいつもの日常から、この物語は静かに始まります。

何気ない(なぎ)のひとことが、(しゅう)の胸の奥に小さな火をともす瞬間です。


午後の陽だまりが、ぽかぽか邸のリビングをやさしく包んでいた。


テーブルの上には、淹れたてのコーヒーと焼きたてのクッキー。

休日の午後らしい、ゆるやかな空気が流れている。


(なぎ)はマグカップを両手で包みながら、

ぼんやりと冬空を眺めていた。


やがて、思いついたように言葉をこぼす。


「柊先輩って、(たまき)さんと結婚しないんですか?」


コーヒーを飲んでいた(しゅう)は、思わずむせそうになった。


「……いきなりだな。」


「だって、もう1年以上一緒に住んでるじゃないですか。

 ふたりとも仲いいし、結婚してるみたいだけど、結婚しないのかなぁって。」


(なぎ)は悪気も打算もなく、

ただ思ったことをそのまま言っている。


その素直さに、(しゅう)は小さく笑った。


「……おまえな。」


「だって僕、ふたりのこと家族だと思ってますから!」


(なぎ)はそう言って、にこっと笑う。


「あ!でも、結婚しても僕、一緒に住んでいいですよね?

 家族ですもん!」


(しゅう)はカップを置き、

しばし|(なぎ)の顔を見つめた。


その真っ直ぐな目に、

なぜか胸の奥が温かくなる。


「ったく……そうか。家族、か。」


(なぎ)は首をかしげた。


「え? なんです?」


「いや……なんでもない。」


(しゅう)は小さく笑い、

コーヒーをひと口飲んだ。

その味は、いつもより少しだけ甘く感じた。

“家族”という言葉を、最初に口にしたのは(なぎ)

その無邪気な言葉が、(しゅう)にとって何よりもあたたかいきっかけになりました。

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