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第44話:まずはここから、そしてこれからも

 放課後のバロック。和夢はゆっくりと鞄の中からデッキケースを取り出す。その手元に自然と視線を落としながら、ふと顔を上げてエレナの方へと目を向けた。


 彼女の表情には、どこか柔らかな光をまとった笑みが浮かんでいた。その穏やかさに、和夢は思わず言葉を飲み込んでしまう。


「……エレナ先輩、どうかしましたか?」


 エレナは静かに微笑み、ゆったりとした口調で言葉を紡いだ。


「ふふっ、改めてアルティメットクリアシャインを見つけてくれたのが和夢さんで良かったって、そう思っていたところですわ」


 その一言に、和夢の胸の奥がじんわりと熱くなる。そして彼もまっすぐエレナを見据えて答える。


「何度も言いますけどそれは僕のセリフです。あの時出会えたのがエレナ先輩で僕は幸せ者です」


 静かな時間の中で、二人の視線がそっと交差する。そんな空気を破るように、元気いっぱいの声が和夢の隣に飛び込んできた。


「私も、私も和夢君と出会えて本当に幸せだよ!」


 そう言って明日香が弾むように隣へ座り込む。続けて蓮もゆっくりと椅子に座る。


「まっ、和夢後輩のおかげで色々と上手くいっているしな、あたしも感謝してるよ」


 四人が揃って腰を落ち着ける。和夢は少し照れくさそうに笑いながら、デッキケースから自分のデッキを取り出した。


 それは、ひと目でわかるほどの厚みを持ったデッキだった。およそ六十枚はありそうなカードの束に、エレナ、蓮、明日香の目が揃って大きく見開かれる。


 和夢はその反応を予想していたかのように、頭をかきながら続ける。


「僕も自分のオリジナル――ユニークデッキを作るぞって思ったんですけど、あれもこれも入れたくなっちゃって……でもまずはここから。いっぱい練習して、たくさん考えて、それでそれで」


 一度言葉を切り、しっかりと三人の顔を見据える。そして、心の奥から溢れる決意を込めて叫んだ。


「僕もいつの日か、三人と一緒に大会に出たいです! だからエレナ先輩!」


「はい」


「蓮先輩!」


「おう」


「明日香さん!」


「うんっ!」


「三人ともこれから先もよろしくお願いします!」


 深く頭を下げた和夢に、三人はそれぞれの思いを込めて応える。


「これからも一緒に頑張っていきましょう」――エレナの穏やかな声が、空気を優しく包む。


「ビシビシ鍛えてやるからな」――蓮はにやりと笑い、頼もしさを滲ませる。


「これからもよろしくね」――明日香の明るく澄んだ声が響いた。


 その一つひとつの言葉が、和夢の胸に温かく染み渡っていく。


 和夢は目を細め、こみ上げる感謝と希望を胸に込めて、自然と微笑みながら答えた。


「ありがとうございます!」


 そして、胸の前で両手を強く握りしめる。


 溢れんばかりの想いを胸に抱きしめながら、和夢は静かに心の中で誓った。


 これからも、どんな時も諦めず、三人と共に歩み続けると。


 その決意の先に、確かに、未来へのまばゆい光が輝いていた。


 あとがき


 ここまで和夢たちの物語を見届けていただき、本当にありがとうございます。


『ようこそ、TCGユニークビルドの世界へ』は、今回の更新をもって、毎日更新から週2〜3回の更新に切り替えさせていただきます。


 そのぶん、これまで以上に丁寧に物語を紡いでいきますので、引き続き見守っていただけたら嬉しいです。


 これから先の和夢たちの物語も、楽しんでいただけたら幸いです。


 またもしよろしければ、高評価やブックマークで応援していただけると、これからの創作の励みになりますので、お願いできたら幸いです。


 それでは改めて、これからもどうぞよろしくお願いいたします。失礼します。


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