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罪の追跡者

作者: 田中かなた
掲載日:2024/12/28


薄暗い夜道。

そこを照らすのは微かな家の光と街頭だけ。

月は雲に隠れ雲は月を隠す。

それは何だかとても不吉。

私は怖くなり家に早足で帰路を歩いていた。

鈴虫や虫の鳴き声は更に恐怖を掻き立てるスパイスとなり私を襲う。

後ろから足音が接近していると勘違………じゃない…

私は咄嗟に後ろを振り返る。

そこにはただ野良猫が鼠を加えて歩いているだけ。

その猫はスキップをしていた。

何だとほっと胸を撫で下ろし家に帰った。

一人暮らしと言う事もあってか家に帰って鍵を閉めチェーンを掛けるまでが安心への一歩となる。

私はその全てを終えふかふかのソファーに顔を埋める。

一段落着いた所でケトルに水を入れカップ麺を取り出す。

蓋を開け湯を入れる準備を済ませ沸いたと同時に湯を注ぐ。

私は濃い物が昔から好きで湯は線よりちょっと少なめに注ぎ食べる。

食べ終えると同時に疲れがドバっと体を襲う。

こうなったらやりたい事。

それはお風呂。

一日の疲れを洗い流すシャワー。

一日の疲れ全てを落とす湯船。

風呂は私にとって至福の時間。

ただ少し怖いのは窓と鏡。

窓を少し見る。

何だ…?

今の人…?

いや居ない。

気の所為だ。

鏡を少し見る。

扉の微かな透明の場所に人影?

いや気の所為だ。

相変わらず抜け切らない。

風呂から上がり全裸でアイスを貪る。

裸と言うのは何だか気持ちがいい。

ありのままと言うのだろうかそんな自分に出会えている様な気分になれる。

人前では裸にはなれない。

一人の時にしか味わう事の出来ない優雅な時間。

お洒落じゃない?

少しして髪を乾かし服を着る。

少しテレビを見てアラームをセットし布団を敷く。

横になり一日を終える。

翌朝。

鳥の囀りと携帯のアラームが耳に襲いかかり朝を告げる。

二度寝をしない様に即座に起き上がりアラームを止め洗面台に向かう。

歯を磨き顔を洗い朝食を食べる。

食べる間は暇なのでテレビを見るか携帯でニュース等を漁る。

母からいつも通りの電話を受け毎日繰り返す単語をただ淡々と使い電話を終える。

時間になると鞄を持ち職場に向かう。

職場では同僚の愚痴を聞いたり上司からとやかく言われたりの日常。

いつものルーティン。

普通、はつまらない。

日常茶飯事は退屈。

何か刺激があれば楽しい。

この考え方は理解できない。

普通は安全だし日常茶飯事は時に最悪だけど時に最高だ。

今は最高の日常茶飯事だ。

刺激は十分に経験した。

もう私はこの普通をこの日常茶飯事を一生堪能したい。

もう足は綺麗になった。

そう思いたいだけの言い訳にはなる。

今日も夜道を細々としながら歩く。

あれ?こんな所に花なんてあったっけ?

可愛い花…

何だか見覚えのある様な?

ガサガサ

へ…?

私が振り返るとそこには男らしき人物の足があった。


「綺麗でしょう。その花。ジニア、花言葉は”貴女を見つける”私はこの花の次にインディアンジャスミンと言う香水によく使われる花を育てるつもりでいるんです。貴女は…」


私は恐怖が限界に達し叫びながら逃げ出す。

扉を勢いよく開けて閉め鍵を施錠しチェーンを掛ける。

心臓がバクバクと鳴り響き息が口から必死に逃げ出す。

体の震えが収まらない。

立ち上がり玄関棚に置いた鍵を握る。

何だろう…この良い香り。

棚をよく見るとそこにはジャスミンの入った花瓶があった。

それを恐る恐る持ち上げる。

これは何だったっけ…?

こんな物あったっけ…?

ヒラヒラと何かが落ちる。

花弁?いや紙?

それを震える手で何とか拾い折られた紙を開いていく。

それに書かれている物を見て私は膝が崩壊し崩れ落ちた。

嗚咽は不思議と出ず涙がただただ溢れ出る。

悲しみではなく恐怖の。

扉のドアノブが回転し何者かが開こうとする。


ギィギィと何度もドアノブはゆっくりと唸りをあげる。

コンコンと扉がノックされる。

家に鳴り響く着信音。

私は震える体を押さえ付け掠れる声でこう言った。


「貴方は誰ですか…?」


彼は答えた。


「私は追跡者です。」


私は聞いた。


「何故私を追跡するんですか?」


彼は答えた。


「約束を果たして貰うためです。」


私は聞いた。


「約束とは一体なんですか?」


彼は答えた。


「貴女は察しているはずです。」


私は聞いた。


「はい。貴女は私の***ですね?」


彼は答えた。


「はい。」


私は聞いた。


「貴方は私を恨んでいますか?」


彼は答えた。


「はい。」


私は聞いた。


「憎いですか?」


彼は答えた。


「はい。」


私は聞いた。


「貴方は私を殺しますか?」


彼は答えた。


「約束は守ります。」


私は…扉を開けた。


私はそれから普通なら幸せの行為が不幸な行為となりハッピーと言う名のゴールがバッドとなり幸せの卵が不幸への卵となり運命は繰り返される。

子々孫々に渡り。

人を不幸と言う泥沼に落とした物はそれが鏡が光を反射する様に己に振り掛かる。

他人に災いを与えればその他人は災いを返上する。

世の中の仕組みとは正に輪廻の輪であり罪は罪として周りやがて還り幸福を与えればそれは廻り廻りて還るべき主の元へと還る。

世の真実とは刃物でもありそして傷を癒す絆創膏でもあった。

人は不幸にし不幸となり人は幸福にし幸福となる。

因果と言う名の神はいつも人類を見据えて仕組みを造り上げる。

もし罪を犯そうと考えるならば自分の身に降りかかる災いを覚悟しろ。

災いは災いとして跳ね返るのだから。

因果は誰をも逃がさぬ。

我々は因果の掌の上で結ばれ作り上げられる平等と言う名の紐解きでもありパズルでもある。

罪は故に絶えない。

パズルの1ピースを欠けさせる事は不完全を意味するからだ。

罪の無き世界は不完全である。

君は不完全だが平等な世界か完成に近づける罪のある世界かどちらを選ぶ?

それは各々の独断考え方に偏る。

これもまた不完全に当たる。

世は不完全だから成り立つと私は考える。

完成はしないだろう完全な世界は夢の中で実現させるだけでいい。

罪は罪だが罪自体が罪ではない。

罪を犯し罪は人により罪へとなる。

罪は人に生み出さられるパズルのピースであり因果の玩具。

それはそんな罪を犯した彼女が因果により遊ばれるお話。


最後までお読み下さり大変感謝です。

久しぶりに描いた…

次はいつ投稿するかは分かりませんが今後ともお付き合い頂ければ幸いです。

もし良かった悪かったと思ったら評価して頂きたいです。

ダメだった点等が御座いましたら参考がてら是非とも指摘して頂きたいです。

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