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次元移動を越えて…(物理世界から魔法世界へコールドスリープ?)  作者: 混沌の夢
第4章 ウィステリア領帰郷と7人目のスキルマスター編
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73話 ベルフィント領内の伯爵邸

※何度か読み返し、色々話がおかしくなっている所や誤字・脱字は不定期に修正・加筆をしております。(更新日が多々変更あり)

 翌日、本来ならウィステリアに帰る日である、だが前日のゴラン隊長の報告を受け、ジルベール・ベルフィント一家が領地に戻る為会って欲しいとの言われていた。


「でぇ姉貴どうするんだ?」

「領主代行の代官様が戻るのなら会うしかないでしょ、約束したんだから」

「だからいつ会いに行くんだ?」

「今日あたりといっても何時頃か解らないからねぇ~、ここで待つしかないでしょ」

「だな、それに俺たちはこっちで領主の家には行ってない、もっぱら小屋だったからな」

「そうそう、どこが正門かさっぱり解らん」

「ロドリアさん」

「はい?」

「話が終わったら直ぐに立つから、もし屋敷で話をすると言うのなら、屋敷の前で待っていてもらえます?」

「あぁそれは構いませんが、伯爵家にご迷惑にならないでしょうか?」

「大丈夫でしょう、私が説明するわよ、これ以上領地に戻るのを遅らせるわけには行かないのよ」

「それは確かに……何ヶ月居たんだ王都に、最初は往復2ヶ月半くらいとして考えていたけど、既に半年近く居た気がする」

「あぁウィステリアを出てせいぜい4~5ヶ月程度は経っているとは思うけど……」

「王都では色々有りすぎたわ、だから為政者と関わるのは嫌なのよ」


 そんな事を良いながら待っていた一行は、丁度昼過ぎになっており昼食を取ることにした。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 昼食が済み部屋に戻ろうとした頃に、ベルフィント代官自身が現れた。


「ウィステリア公爵、遅くなり申し訳有りません」

「……代官様自ら宿屋に来るとは思っていませんでしたよ」

「ここにくる途中でゴラン隊長に会いました、ウィステリアに本日立つ予定をされていると、その為直接お迎えに参りました」

「って事はやはり、伯爵邸に行くわけですか?」

「内容が内容ですので、出来ますれば……」

「解りました、全員で行きます。それと話が終われば直ぐにここを立ちますので、ロドリア商隊の一行を屋敷の前で待たせていただきたいのですが、宜しいですか?」

「直ぐにお発ちになるのですか、チヨリ村までは一日で行けますが、話が終わってからとなると夜になってしまいます」

「構いません、野宿は慣れていますし、夜に立てば明日中にはチヨリ村に着きますから」


 雪華の決定は既に決まって居るものであると周囲の者は話している、そしてこれ以上領地に戻るのを遅らせるわけには行かないとの理由も告げた。故に申し出は了承され、ウィステリア領主である雪華と、その弟の夏椰だけはベルフィント代官の馬車に乗ることになった。

 ただ領主宅に着いたら、スキルマスター全てとロドリアも屋敷に入り、他の者は外でに馬車を守るよう命じられた。


「私は父から、ハルシェット辺境泊が仲間とベルフィント領で公爵を追って居る可能性があるという話を聞き、直ぐに王都を出たのです、それで、先に出発したゴラン隊長と合流するようにと陛下よりお言葉があり、公爵をお守りするようにと」

「別に守られる必要性は感じてないんですけどね、相手は雑魚だし、陛下は心配し過ぎじゃないの?」

「……それは伺い知れませんが、ただ此方に戻る途中でゴラン隊長が王都に向かっている所で、少し話をしましたが、急いでいる為、詳しいことは公爵からお聞きするようにとゴラン隊長は言っていたのですが……」

「なるほど、では結論から言いましょう、ハルシェット辺境泊は既に国外に出ている可能性があり、もしくは替え玉で出国したとを装っている可能性があります、出国先は恐らくイルレイア大陸に向かったのでしょうね」

「それはまた何を根拠に?」

「飛行魔法で上空から辺境泊の気配を探っていたのよ、そしたら港に向かう気配を感じて、私はそれを追ったのよ、その先に船があり乗り込んでいった、既に追えないと判断したわ、だからゴラン隊長に報告をして陛下に知らせるよう言ったのよ」

「そうでしたか……」

「それとは反対に、弟はこの領都で怪しい男を発見して追跡していて、辺境泊の家で感じた気配を持つ男が居るからと、兼吾と廉が夏椰と合流して探っていたらしいの、丁度私はゴラン隊長の報告を受けて上空から気配を追っていた頃だから、男の方は恐らく囮だろうと結論づけたわ」

「囮……、その者はどうされたのですか?」

「今朝、そいつが泊まっていた宿屋に確認したら夜も明けぬ頃に出て行ったと言っていましたね」

「辺境泊かもしくは替え玉の脱出に成功したから、姿を眩ませたのね」

「どっちにしても、今の憲兵や冒険者では俺たちが尾行したあの男は捕まえられなかったと思いますよ」

「だなぁアイツレベル200有ったよな」

「200もあったの? 珍しいわねこの時代に」

「人族じゃ無いだろう、間違いなく魔族だ」

「魔族だったの?」

「あぁ、魔族の気配は消していたけどね、俺たちには隠せないよ」

「だな、スキルが低すぎだ」


 レベルが200も有ったとしてもスキルのランクが低ければ、敵ではないとはいえ、今の憲兵や冒険者では相手にならないレベルである。


「そうですか、では此方で捜索しても見つかりませんね」

「無理だろうね、既にこの領地を出ているはずだから」

「イルレイア大陸に逃げ込んだとして、辺境泊を探すために動けば外交問題に発展するだろうから、慎重に事を運んだ方が良いでしょうね、まぁどっちにしても、彼生きていられるかしらね、あの大陸で」

「それは、どういう意味ですか?」

「イルレイア大陸は魔族や獣族の拠点だからな、レベルが3桁なんて普通じゃないの?」

「人族より魔法の扱い上手そうだし」

「辺境泊は魔素は有っても魔法は使えないからな、相手にならないんじゃないのか?」

「まぁみんなの言うとおりなんだけど、一つだけ生き残られるかも知れない方法は有るわね」

「えっ、何それ?」

「魔石よ」

「魔石?」

「そう魔石を使って魔法を使えば、魔素が少なくても対処は出来る」

「でも魔石はそう簡単に手に出来ないだろうに」

「イルレイア大陸なら魔物も強いから多く取れるんじゃない?」

「なるほど、辺境泊が頼っている相手に頼むか、買い取るかすれば手に入れられると言うことだな」

「とはいえ、資金源がいつまでも持つとは思えないし、人族は嫌われているからねぇ~」

「そうだな、魔族からの魔王ではなく人族からの魔王が世界を破滅に導いたわけだからな」

「そう、仮に替え玉ではなくハルシェット辺境泊本人がイルレイア大陸に上陸しても使い捨ての駒扱いをされている可能性だってあるわけよね」

「十分あり得る話だ」


 スキルマスターたちの話を聞いていたベルフィント代官は、少し唸ってどう返答すればよいか解らなかった。


「まぁ、ジルベール様が悩む必要は無いのでは有りませんか?私たちから聞いた内容をお父上である宰相に報告をして陛下にお知らせするだけで十分でしょう」

「……しかし、領土にそのような者が入っていたとなると、今後の事も考えねば……」

「確かに今後は警戒が必要だと思う、でもそれは国王がどういった政策でイルレイア大陸との外交するかを聞いた上で、領土内の守備対策を考えても遅くはないと思いますよ、ウィステリアではないので国からの憲兵がいるのでしょう」

「……確かに国から憲兵は派遣されていますから治安に対しては大丈夫だと考えています、ですが先ほど公爵が仰ったようにレベルが3桁もあるものが、出入りするようなら、今の憲兵では対応は出来ません、私はそこを心配しています」

「それは陛下自身もお考えだと思いますから、ご指示を待つかお父上である宰相自身にご相談なさっては如何ですか?」

「陛下もお考えに?」

「えぇ、今回の王都行きはただの観光だったのに、何故か陛下と会う事になったのよ、しかもこの屋敷の離れにある小屋で、お父上にお聞きしていませんか?」

「……あぁ、そう言えば少しの間だ小屋を使うが誰も近づけてるなって念押しをしていた事が在りましたね、その時ですか?」

「……あの宰相はご自分の息子にも内緒にしていたんですか!しかもあんな小細工をしてまで……」

「実は俺たちスキルマスター全員呼び出されたんです」

「小細工までしていたんですか?」

「えぇ実は……」


 呆れ顔のスキルマスターたちは、ジルベール・ベルフィント代官を見た後、少し笑っていた。それを不思議そうに、どういうことかと聞いてきたジルベール・ベルフィントに対して雪華は説明をした。


「実はね、うちの領土には、いくつもの他領からのスパイが入り込んでいたのよ、当然国王直々のスパイもいたわけ、ウィステリア内の動向を探ることと、私が目覚めるかどうかを含めて情報をとり、領主である私と接触して話をすべくスパイを潜り込ませていたのよ。でぇそんな彼らに知られるわけにも行かない陛下はあなたのお父上に頼んで、私と接触を試みたのよ、誰よりも早く他領に先を越されないためにね」

「そのようなことを、父はしていたのですか?」

「先王陛下の手紙があるからねぇ、一番初めてに会って確認をしたかったのは陛下自身だったんだと思いますよ、俺たちだって正直かなり警戒していたからね」

「そうそう手の込んだ小細工で接触してきたからね」


 そう笑いながら話すスキルマスターたちを見てどんな小細工だったのかも知りたいと思い、聞いてみた、それを聞いて溜息を付きながらも申し訳なかったと頭を下げてきた。


「あなたが謝る必要はないし、あの状況じゃ仕方なかったのは事実なのよ、だから気にしなくても良いわ、ただ領地の管理を含め治安をきっちりしておいて下さい、お隣ですから何か有ってからでは遅い場合も有りますよ」

「はい、肝に銘じて対処いたします」


 ジルベール・ベルフィントの言葉を受けて、出発をしようと雪華が言った時、領主のジルベールが、やはり出発は明朝にしませんかと言ってきた、それに夕食もご用意していますとの事。


「しかしロドリア商隊の皆も居ます」

「もちろん皆様の分もご用意しております、今晩は当屋敷でお休みになり早朝早くに出立なさればチヨリ村には夜には到着できます、その方が魔物の出現も気にせずに済むと思います」

「まぁ確かに、夜よりは昼の方が魔物は少ないかも知れないけれど……」

「姉貴、お言葉に甘えてみてもいいんじゃねぇ、どうせ姉貴の事だからチヨリ村はそのまま一泊せず通過するつもりなんだろ?」

「………あんた良くわかったわね」

「姉貴の性格くらい解る、それで長旅になるくらいなら、俺たちよりもロドリア商隊のみなさんをゆっくり休ませてやりたいよ」

「だなぁ~俺たちは平気だけど、彼らは普通の人だし」

「安全地域でゆっくり休めた方が、俺も良いと思うぜ雪華、どうせ関所を越えたらウィステリア領内だからな、魔物は強くなっている。俺たちは別に良いけど商隊のみんなは安心できないんじゃねぇか」

「………わかったわ、みんながそう言うならジルベール様のご厚意に甘えましょう、でもジルベール様、本当に宜しいの? ロドリア商隊のみんなを泊める部屋は有るのですか?」

「それは大丈夫です、父が皆様をお招きしたあの小屋が有りますから、そちらでお泊まりいただければと……」

「あぁ~あそこか、商隊の人数は泊まれるわね」

「だな小屋だけど、結構広かった」

「じゃ姉貴俺があの小屋の周辺に結界を張ってくるよ、魔物除けのやつ」

「あぁそれが良いわね、頼むわ」

「了解!」


 ジルベール様代官とスキルマスター達の話を聞きながら、一言も話せないロドリアはいきなり決まった事に戸惑った、そして雪華から商隊の皆に伝えて下さいと言われ、夏椰が一緒に同行することになった。


稚拙な文章をお読みになって頂きありがとう御座います。


ご感想に対する返信返しは超苦手なので、出来ないことが多いかもしれませんが、出来るだけ頑張りますので、長い目で見ていただけると幸いです。

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