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67話 友人琴音と動物園

※何度か読み返し、色々話がおかしくなっている所や誤字・脱字は不定期に修正・加筆をしております。(更新日が多々変更あり)

 翌日8時 動物園前でロドリア一行と合流した。そして今回はベルフィント伯爵一家とウィステリア組とロドリアのみを連れて動物園に入った、当然出迎えたのは管理を担当しているクリス・ブランである。


「よくお出でくださいました」

「うん、今日も前と同じよ、案内は入らないから仕事に戻っていてね、彼らの案内は私がします」

「申し訳ございません公爵様にそのような事を」

「気にしなくてもううわよ、人員不足なんだから」


 雪華はそういって労をねぎらい、彼は持ち場に戻っていった、そして当然ここで雪華やスキルマスター達からの注意事項が発表された、300年前を知るリリアナを除いては厳重に注意を促す。

 攻撃を仕掛けることは絶対に許さないとした、その代償は命で償って貰うとまで言ったのだ。それを取りあえずは了承したベルフィント伯爵一家は、雪華達を先導に歩いていいく。


「ぉ~~動物園だぁ~」

「リリアナなんか楽しそうだな」

「そりゃ楽しみですわよ、お兄さま方、それにこの動物園の匂い、まさしく300年前の動物園よ!」


 そう言いながら目をキラキラさせて歩いている妹の姿を見ている、兄たちや家族は不思議そうに見ていた。


「いつもおとなしいと思っていたんだけどな」

「すごく溌剌と、いつものリリアナではないような感じですね」

「300年前の記憶かぁ~先王陛下と同じ転生者だったとは、全く身内にいるとはな」

「300年前の記憶を持っていれば色々と問題が出てくる危険を知っているのではないでしょうか父上」

「ん~~大学を出て教師をしていたと言っていたな、と言うことは立派な成人だったと言うわけだ」

「見た目は子供でも、中身は大人……ですか、普段はそんな風には見えませんけれど」


 そんな家族をよそにリリアナは檻の前陣取って動物を観察している、草食動物がいる、また隣を見ればキリンもいた、見るものすべてに興奮して声を上げ楽しそうにしている娘を見て家族は何やら複雑な気分である。娘がここの動物を全部知っているというのだから。


「琴音、こっち猛獣エリア」

「猛獣もいるの???」

「いるよぉ~~~」


 そういって入っていったエリアで琴音は声を上げた、当然だライオン、虎などの猛獣が群を作っている。サファリ形式となっているからだ。


「ちょっと雪華!!」

「何よ」

「ここってサファリなの?? こんな放し飼い、群をなしているじゃない!!」

「ここを作った人の意向がね、そうなっているのよ、だから日中はサファリだわね、夜になるとちゃんと檻舎に戻るから心配ない」

「飼育員が少ないんでしょ、大丈夫なの?」

「あぁ~そこは心配ない、私が調教したのもあるけれど精霊達に任せてあるから」

「調教って……、何したの?」

「私獣魔術も使えるのよ、だからそっちで何とかね」

「……なるほど、300年前は無かったわよね」

「あの時代は飼育員がしっかり沢山いたでしょう、今はいないから仕方ない、飼育員と獣医師が揃って本来の動物園開業が出来るようになるまでは、この対応で行くのよ」

「獣医師がいないの?」

「あの移動のせいで獣医師は全滅よ、育てるためにウィステリアでは医師免許や獣医師免許も取得できるカリキュラムをくんでいるわよ」

「獣医師の代わりはどうしているの?」

「精霊達が治癒魔法でね、何とか……、本来の自然じゃないから私も嫌なんだけど、今は目をつむる」

「そう……」

「生物学者としては気になるわよね」

「まぁそうね、でも仕方ない現状があるなら私も目をつむるわ」

「そんな事よりも琴音! もっと見せたい物がある! 今度はこっちに来て」

「そっちってさっきの昆虫館が合った場所でしょ」

「その隣よ、私もびっくりしたのよ、あんたも驚け!」


 そういわれて連れて行かれた場所は、パンダ館である。建物はパンダ館に見えないの為、琴音も疑わしそうにしているが、中に入って更に興奮して声を荒げている。


「何よ、これって! いったいどうなっているのよ!!!」

「だからパンダだよ」

「解っているわよ、そんなの見りゃわかるわよ! だから何でパンダが入るのよ!! 返還したんじゃないの!!!?」

「ツガイを併せて4頭、繁殖できたら良かったんだけどねぇ」

「パンダの繁殖は難しいって聞いたわよ、白浜が一番頑張ってたくさん生んでたけど、上野はそんなに繁殖率高くなかった! っと言うより何でここにいるのよ、説明しなさい!!!」

「リリアナ、そんなに大声を出してはダメでしょ、はしたない、しかも公爵様に対して……」

「……申し訳ありませんお母様、でも……でも……だってあり得ないんですもの」


 少ししょんぼりしながらもパンダに釘付けのリリアナこと琴音、当然である、ここに最初に来たスキルマスター全員ですら驚いたことであったのだから。


「私たちがここに初めてきた時も驚いたんだけどねぇ~、迷宮作っている時はまだ地上に動物園は出来てなくて、その後は放置状態だったのよ、そしたら迷宮管理者のスキルマスターから連絡を貰って、迷宮は地下だから地上は普通の動物園を作ったからって連絡があったのが最後で、見てなかったのよね」

「でぇ300年後に目覚めで来てみれば、こんな状況だった、まさか俺たちだってパンダがいるとは思ってなかったからなぁ~」

「あの末期、こっそりとこっちに隠していたらしいのよね、元々ここのスキルマスターはプロの飼育員だったし、更に言えばうちの病院にパンダの遺伝子情報と飼育と繁殖に付いて書かれた情報ノートが密かに預かってたのよ」

「………何、それそんな事、あの国がする?」

「たぶんあの国がしたのではなく、どさくさ紛れで何とかごまかしたか、あの国の誰かが国に反旗を翻してこうなったかのどっちかだわね」


 それを聞いた琴音は頭を抱えた、パンダが唯一生息する国はパンで外交で有名だった、しかも外交問題で仲も悪い、それなのにどうやってその目を掠めて出来たのか不思議でならないのだ、それ以前に何故ここにあの物理世界の動物が入るのかが解らない、それを雪華に質問してみた。


「あぁ~それね、私も不思議だったんだけど、恐らくあの混乱時期に檻から出た動物や、元々の野生動物が魔物化したんじゃないかって思っているのよね、私としては、でも確証もないから違うかも知れない、知っている動物の魔物化をみた事はないしね、そもそもあの移動で生きているはずがないんだもん、解らない事だらけよ」

「それだけじゃないぜ、琴音、今度はこっちに来いよ、これも驚くから」


 浅井賢吾が言った言葉で、さすがの琴音もまだ何かあるのかと警戒しながらも付いていったのは水族館である。


「これって……水族館……」

「そう、水族館」


 見た目の高さは首が痛くなるほど高い、更に縦横幅もすごく長い、これが水族館と言われて300年前の水族館を思い出そうとしたが、全く規模が違いすぎる事にまず目を疑った。


「本当にこれが水族館なら、まさかと思うけど鯨がいる?」

「まぁ~見て見ろよ、鯨だけじゃねぇよ」


 そう言われて、そのまさかの魚類を見て開いた口が塞がらない状態である。


「…………何よ………これ、何で回遊魚のマグロが入るのよ!!!」

「はははっ、やっぱりそう思うだろう」

「うんうん、マグロ旨いからなぁ~刺身にすればもっと旨い」

「いや、食べたいけどじゃない、回遊魚だよ! 止まったら死ぬじゃない!!」

「だからこのデカさなんだと思うぜ」

「琴音先輩、実はジンベイも入るし鮫も入るんだよ」

「はぁ~~~ジンベイも鮫もいる??」

「うん、俺もみて驚いてる、同じ水槽に入って良いのかって」

「……それで生きていられるの? 弱肉強食が動物界じゃないの?」

「ぁあぁ~一応水は同じで巡回しているけれど、仕切があって交わらないような設備になっているのよ。見たときは驚いたけどね」

「水は巡回してるの?」

「そう綺麗な海水がずっと巡回しているし、まるで満ち潮があるみたいに波もある、完全に海の世界を再現しているって感じよ、ただ違うのは絶滅危惧種もいるから仕切で生殺与奪に制限が掛かった状態かな、深海魚は当然下の方にいるわね、こっちは地下1階で光が届かないようになっているわ」

「……ねぇ突っ込んでも言い?」

「ダメっ!」

「何でよ!!!」

「突っ込まれても説明できないもん、突っ込み所満載なのはあんたに言われなくても私たち全員が思っていることだから」


 雪華の説明を聞いたリリアナこと琴音は他の同級生と夏椰をみた、皆が同じ意見で頷いていた。


「もうぉ~~信じられない!! 何なのこの動物園!! ここを作ったスキルマスターっていったい何者なのよ!!!」

「エドガー・スティーブン、ストラン人で猛獣系の飼育員を目指して動物園に勤めていて獣医師免許も持っていたんだけど、家庭の事情で退社し軍人になった人、無類の猛獣・猛禽を含めた動物好きだった。ついでに魔物にも興味を示し召喚獣を集めるという変人」

「何、その人……」

「あの末期に巻き込まれて死亡、今の迷宮は私が管理者になっている」

「あぁ~ついでに言っておく、この地下にある迷宮は、あいつが召還した魔物が自由気ままに跋扈して歩いていたり生活したり、まぁ動物にありがちな弱肉強食の世界だから」

「しかも魔物レベルは3桁以上だから、入ったら即死だよ」

「………最後の言葉が最悪なんだけど………」

「だから動物園迷宮は閉鎖してあるのよ、地上は人が見に来れるように昔の動物園だから心配ない、とはいえ、今の人はこの動物見たこと無い人ばかりだからね、攻撃でもして反撃喰らって死にましたなんて事になっても困るのよ、一応檻にはすべて私の結界が張ってあるから攻撃したら反撃する魔法を付与してある」

「つまりあれか? あの末期に国を守った雪華の結界?」

「あぁそれそれ、だから無闇に攻撃すれば痛い目を見るのは攻撃した本人って事になるわね」


 それを聞いた琴音ことリリアナ嬢は大きなため息を付いた、雪華が管理しているのなら安全であろうと確信した。

 次元移動前の混乱期に雪華が国全体にかけた魔法は、あの物理世界を知っている者なら全員知っているのだから、下手に手を出せない国になった事を、そしてそれを張ったのが他でもない神崎家当主である神崎雪華、今は雪華・ウィステリア公爵その人である。彼女を敵にまわすバカは死ねって事である。


稚拙な文章をお読みになって頂きありがとう御座います。


ご感想に対する返信返しは超苦手なので、出来ないことが多いかもしれませんが、出来るだけ頑張りますので、長い目で見ていただけると幸いです。

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