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48話 スキルマスターと今後のこと

※何度か読み返し、色々話がおかしくなっている所や誤字・脱字は不定期に修正・加筆をしております。(更新日が多々変更あり)

 雪華と三橋が再び転移して戻ってきた時、既に夜中の1時はすぎていた、翌朝と言っても既に今日の4時には再びギルドに行かなければならない為、少し仮眠を摂ることになった。


「今日は驚かせて悪かったわね」

「いえ……」

「少し仮眠をしてギルドに行きましょう」

「解りました」


 そう言って雪華は彼の部屋から自身の部屋に転移した。三橋はその消えた場所をしばし見つめて、先ほどまで会っていた国王と伯爵との会話を思い出していた、色んな事を突然知ってしまった情報もあるが、口止めされた事は当然と思うことにした。それから着替え仮眠をとった。


 仮眠から目覚めて、雪華と共に軽い食事を摂ってギルドに向かった、当然のごとく親衛隊のゴラン隊長も護衛として付いてくる。

 ギルドは通常通りに開店し、雪華達はギルマスの部屋で引き継ぎの続きをしながら、依頼の仕分けや精査を行っている。変わらないいつもの仕事である。ちょうど一段落したときに、ロジックが来客を告げにきた。


「面会者? 誰だ?」

「それが、その領主様と一緒に牢に入っていた方々で領主様の弟だと仰っているのですが」

「それは夏椰様ではないのか?」

「はいそう仰っていました」

「これは失礼なことをしてはならん、直ぐに夏椰様ご一行をこちらにお通しせよ」

「畏まりました」


 ゴラン隊長はロジックにそのように命じて、自身は部屋の中にいる二人に報告した。


「そう、戻ってきたのね」

「夏椰様達ですか?」

「えぇ、そのようね」


 暫くするとロジックに伴われて夏椰と霧島廉と浅井賢吾が部屋に入ってきた。


「三橋さん、お久しぶりです」

「ご無沙汰しております、夏椰様、それに浅井様、霧島様もお元気そうで安堵いたしました」

「いや、こっちこそ突然王都でギルマス支部長の命じられて大変だったんじゃない?」

「そうそう、雪華は容赦ないからね」

「はははっ、ですが領主様のお陰で仕事はやりやすくなっています、王都支部からの情報はなかなか入ってきていませんでしたし、事後承諾が多くて松永ギルド本部長も困っておりました、皆様に探ってほしいと頼まれたと仰っておりましたから」

「そう、確かに頼まれたんだけど、殆ど姉貴が対処しちゃって俺たちの仕事は無かったね」


 懐かしそうに話をしている彼らを見てゴラン隊長も安心した様で、部屋の外で待機していますと言って、ロジックと共に部屋を出て行った。それを確認して雪華は遮断結界を部屋全体に張った。


「何だ? いきなり遮断結界なんか張って」

「姉貴なんかあった?」

「昨日の事だな、国王と宰相に会ったんだろ、何か有ったな」

「まぁね」


 雪華はそう言いながら夏椰に手伝いを頼みながら、人数分のお茶を用意して皆に配った。そして事のあらましを全て話した。


「マジ……、国王様自分から喋っちゃったの?」

「そう」

「あらぁ~~、三橋さん驚いたでしょ」

「えぇまぁ……」

「そりゃ驚くだろうよ、初めて聞いた時俺たちも驚いた」

「皆様もですか?」

「そりゃ驚くよ、俺たちは何故か眠らされてたけど、まさか転生者がいるとは思わなかったからな」

「300年前の混乱は、正直私たちにも意味不明な所があったしね、目が覚めて何ここ何処?って感じだったもの、そしたら300年経っているなんてあり得んでしょ普通は」

「そうそう、しかも転生者って何だよってマジ思った」

「だな、しかもあの手紙だ、あれは300年前以前の事を知っている人間だけが読めるものだよ」

「そうなんですか?」


 ここで三橋も気になった手紙の件、確かに先王が証拠になる手紙を残していたとレイモンド・フェスリアナ国王は言っていた事を思い出した。


「あれを読めるのは、あの国の人間と、その言葉を学んだ留学生とか他国人だけなんだよ」

「まったく用意周到に手紙を残すなんてな」

「お陰で俺たちが300年前に眠らされた者だって事が証明されたわけだけど」

「あぁ~そう言えば、陛下が私たちに教えてくれなかった事が会ったわね」

「えっ?」

「何かあった?」


 当然不穏な気配を見せたのはスキルマスター達である、レイモンド・フェスリアナ国王と初めて会った時に聞いたのは祖父が転生者であると言うことだったが、他に何かあったのかと怪訝な表情をしたのだ。


「あぁ~初対面の時には必要ないと判断したのかも知れないんだけどね、実は先王が貴族達の間で『転生王』と密かに呼ばれていたらしいのよ」

「『転生王』?」

「それって転生した王だから?」

「まぁ~それはそうなんだけど、それ以外に重要な話があった」

「何だ?」


 ここで雪華は昨夜国王とベルフィント宰相から聞いた貴族達と転生者の関係性を話したのだ。


「何だそれ、危険視って」

「まぁ~有る意味間違ってはいないけど、利用されるのは困るな」

「先王が庇護するようにとの命令も恐らく守ってないでしょうね」

「それを利用して派閥闘争にもなりかねないか……」

「だな……」

「とにかく三橋、この事は絶対に秘密だからね、陛下に迷惑をかけられないし、陛下の立場を考えたら派閥争いや王位継承問題なんかに発展しかねないんだから、解った!」

「はい、重々承知の上でございます」


 そう言って事は大事になりかねない情報だったという事が、改めて解った三橋だった、その後は将棋や囲碁の話をして色々楽しんでいた。他のゲームの事も話した。


「それより雪華よ、後どの程度で引き継ぎが終わるんだ?」

「あぁそれね、引き継ぎは後少しかな、そっちはどうなの?」

「あぁ大方終わったな」

「そうだねぇ、後は経過観測って所かな」

「なるほど……」

「領主様、お急ぎなら私に構わずウィステリアにお戻りください」

「早く帰りたいのは山々だけど、中途半端にしていては後々面倒でしょ、ここはウィステリアを蛮族領と呼ぶ人が多いし、貴族も侮れないんだから」

「ですが……」

「大丈夫よ、それに引き継ぐ事はもうそんなに残っていないわ、予備校の事もまだ全部じゃないでしょ」

「はい」

「そうそう、ハルシェット辺境泊の動向も注意した方が良いと思うぜ」

「ハルシェット辺境泊?」

「このギルドの前の支部長がハルシェット辺境泊の子飼いの男爵と繋がっていたのは聞いただろう?」

「確かにお聞きしました」

「それを考えると、奴はまた別の貴族で探りを入れてくる気配があるんだよ」

「本当なの?」

「あぁ、それにこのギルドに置かれていたカード鑑定魔道具の流通でハルシェット辺境泊の息がかかっている所がヒットしたんだ」

「マジか……」

「だから注意は必要だし、姉貴がいるあいだに対策を考えておいた方が良いと思うぜ」

「解りました、お三方がそろって仰るからには、何か掴んでいらっしゃるという事ですね」

「掴んでいると言うより、既に動向が怪しすぎると思っただけだ」

「だな、絶対に何かある」

「雪華に接触してくるのは間違いないだろう、その次いでという可能性も否定できない」

「俺たちなら何とでもできるけど、三橋さんは難しいだろう、だから注意をしてねってことだよ」

「俺たちが帰ったら、ここの護衛はいなくなるからね、ギルマス三橋さんの冒険者時代の腕が必要になる事も有るんじゃないかな」

「そうね、この王都支部は守ってもらわなきゃ」

「解りました、十分注意はいたします」

「うん、お願いね」


 その後、雪華は引き継ぎの仕事をするからと遮断結界を解除して、男3人組に帰宅準備を頼んだ、いつでも出発できるようにロドリアと相談するように言った。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 引き継ぎが終わってから宿屋に戻った雪華は、男三人と共に夏椰の部屋にいた、当然遮断結界張っての事だ。


「でぇ、ウィステリアに戻って最初にピートの迷宮に行くんだよな」

「…………」

「おい雪華!」

「姉貴、行くんだろう」

「まぁ行くつもりなんだけどねぇ~」

「何だその、つもりって?」

「あんた達も来るの?」

「当然だ! と言うか天神将メンバーは絶対に行くに決まっているだろう、それに夏椰は今回同行しているし、一番最初に気づいたんだからな」

「そうそう、あいつには言いたいことがいっぱいあるし、それに本当なら雪華の家族も知る権利が有ると思うんだけど」

「あぁ~~~まぁ確かに、内容によっては神崎家は知る権利があるかなぁ」

「とりあえず、まず俺たちだけで会いに行くべきだ、家族に話すかどうかはお前と夏椰が決めればいい」

「そうだな、始祖に纏わるなら神崎家にとっては重要事項だし、部外者の俺たちは関わらない方が良い場合もある」

「うん、そうだねぇ~、確かに内容によっては迂闊に動くのは不味いことも有るかも知れないわね、しかし………面倒が増える」


 雪華はそう言いながら、今目の前にいないもう1人の限界突破者の顔を思い出して腹が立ってきた、その気配を3人は気づき雪華に注意を促した。


「怒るのはあいつに会ってからにしてくれ」

「そうだ、お前のその気配だんだん怖くなってくる」

「どういう意味よ!」

「なんだろうねぇ~、ゲーム時代よりも迫力が増したって感じ?」

「夏椰まで!」

「本当の事だぜ、魔素が増えているって事も原因なのか、それ以外が原因なのかわからんがね」


 そんな事を言う弟と元クラスメートを見て溜息をついた雪華は、3人に帰宅準備の話はどうなったのか聞いてみた。


「あぁ~それな、ロドリアさんの店に行って話を付けてきた」

「明日きてくれるって言っていたぜ」

「ここに?」

「いや、ギルドに」

「ワザワザ来て貰わなくても、私もお店みたいわよ!」

「ギルドの引き継ぎ、もう少し有るんだろう?」

「だったらギルドで話せばいいじゃん」


 用意周到に準備したような感じの言い方に少し唸ってみたが、彼らの言い分には貴族対策という事も含まれていた為、同意することにした。


稚拙な文章をお読みになって頂きありがとう御座います。


ご感想に対する返信返しは超苦手なので、出来ないことが多いかもしれませんが、出来るだけ頑張りますので、長い目で見ていただけると幸いです。

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