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45話 将棋・囲碁、ゲームの話

 雪華達の宿屋を後にしたゴラン隊長はその足で王宮に向かい、陛下に直接謁見を願い出た、親衛隊長である彼は止められることもなく謁見を得る。


「なるほど、話は分かった、でぇその新しいギルドマスターはどのような者なのだ?」

「はっ、誠実そうな人物にお見受けしました。またウィステリア侯爵や夏椰様や他のスキルマスターお二人からも信頼をされているようです」

「ほう、ギルドマスターとして来るのだから、冒険者としても一流なのか?」

「ウィステリアの本部長に次いでレベルは高いと侯爵様が仰っておりました」

「なるほど、解った検討することにしよう、お前は明日も侯爵の護衛をしっかり頼む」

「はっ承知いたいました」


 ゴラン隊長は敬礼をして部屋から出ていった。レイモンド・フェスリアナ国王は溜息を付いた。今度こそまともになるのだろうかと少々不安も残ってはいたが、侯爵が信頼を置いているのであれば大丈夫だろうと思うことにした。


 翌日レイモンド・フェスリアナ国王は宰相のマルク・ベルフィント伯爵を呼び出し、ある一室において二人だけで話をしていた。もちろん側仕えをはじめとした者は皆退出をさせられている。また盗聴などの危険も考え、声を落として語っていた。


「ほぉ~その新たなギルドマスターはそれほど信用されているという事ですか?」

「あぁ、報告によればそうらしい」

「らしい?」

「昨夜の遅い時間の報告でな、また侯爵は早めに帰郷したいと仰っておられた事もあり、早急に連絡を取って欲しいと希望されたとか」

「なるほど……では早急に対応するといたしましょう、ですが周りの貴族の目もあります故、内密にというのはそういう事でしょうな」

「恐らくはな……」

「ならば、陛下の我が領土への視察がございましたでしょう、それを利用いたしましょう」

「またそなたの屋敷を借りることになるが、よいのか?」

「それはかまいません、先方は私にも目通りをさせたいそうなのでしょ、都合がよいと思います」

「解ったでは、前回と同じ様に対応をしてくれ」

「畏まりました」


 大事な話は本人の前でと雪華が話していたと報告が入っていた事もベルフィント伯爵に話し、慎重に動くようにと念を押しでも命じた。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 雪華がゴラン隊長に謁見願いをお願いしてから半月程経った朝、ギルド支部で引継をしている所に、ゴラン隊長がやってきた、そして謁見が叶うとの事だ。


「でぇ期日は、これに……」

「封書のメモ?」


 雪華は封を開け中のメモを読んだ、「今夜22時頃前回と同じ場所で、お迎えに上がります」と書かれていた。


「了解したわ、このメモの内容だけど、ゴラン隊長はご存じ?」

「いいえ、私は渡された封書をそのままお持ちしただけで、中身は存じません」

「そぉ、じゃゴラン隊長、悪いけど今夜の護衛は入らないわよ、私と三橋だけで行くから」

「しかし、護衛は私の任務なので」

「うん、そうなんだけどね、たぶん他の貴族の目を気にしての事だと思うのよ。だから三橋と二人でメモの指定場所にいくわ、それに襲ってきてもこっちが勝つし、三橋だったらギルマスが出来る程の力量のある人物だから、心配ないわ」

「しかし……」

「相手への配慮って事も忘れないでね、私たちが誰と会おうとしているか。解るでしょ」


 そう言われてゴラン隊長は思い出した、国王陛下と極秘会談となると、他の貴族の動向には注意が必要だったからだ、陛下の置かれている状況や派閥のことを知るゴラン隊長はそれを思い出した。


「承知いたしました、配慮が足りませんでした、ですがどうぞお気をつけください、ハルシェット辺境泊あたりには特に……」

「解っているわよ、動物園で初めて会ってどんな人物かおおよそ見当がついているから、心配入らないわ」


 雪華の言葉で納得したゴラン隊長は、これ以上追求してこなかった。その後昼食に例の店に入り警護をしているゴラン隊長も一緒に摂るよう命じて、それぞれに食事を注文して摂った。

 食後にギルドに戻ってから少しゲームの対戦を願ってきた三橋に雪華は苦笑をした。


「対戦ゲームは何? っと言うか持ってきたの?」

「はい、将棋を」

「将棋! それって月宮から教わった???」

「はい、それと惣摩様にも」

「……マジか」

「領主様もかなりの腕前であると、お二人からお墨付きを頂いていましたが、如何ですか? ちょうどゴラン隊長もいらっしゃいますし、ゲームというものをお見せする絶好の機会かと……」

「そうねぇ、機会としては良いけど……私がやったのってもう300年前だからなぁ~腕は落ちている思うし、相手になるのか?」

「大丈夫だとお二人は仰っていました、戻ってから何度か対戦したことがあった伺いましたけど」

「あぁそうだった、忘れてた、でも負けたけどねぇ~あの二人強いのよ、それに私は将棋も囲碁も専門じゃないし」

「でも直ぐに感を取り戻されるでしょうと仰っておりましたよ? このゲームだけではなく、今領主様が仰った囲碁も教わっており、松永本部長と休憩時間などにやっていました」

「囲碁もやってるの?」

「はい、この二つのゲームは、現在領内で人気のゲームの一つになりつつあります」

「えっ何で?」

「我々が率先して、冒険者達に教えて参りました。そして予備校でも教えています、戦術や戦略を考える上でも役に立ちますから」

「はははっ、なるほどねぇ~、では職人ギルドは大忙しね」

「そうですね、現在色んなゲームの量産を頑張っているそうです」

「そうなの、でも懐かしいわね、昔中等教育学校で囲碁部や将棋部っていうのがあったのよ、クラブ活動って言ってね授業が終わってからの何かのクラブに入るのが必須だったのよ」

「領主様はどこに所属を?」


 そう聞いてきた三橋の顔を見た雪華は、周りを見回して遮断結界を張った、それに驚いた三橋とゴラン隊長に雪華は少し聞かれるにはまだ早い話かもと思った為と話した。


「私は野球部よ、それも男子野球部に所属していたわ、初等教育時代から甲子園という所で、中等教育課程の野球部員が夢の舞台で野球をするのが目標でねぇ、全国の中等教育課程の野球部員選手が地区予選などを勝ち抜いて、その地の代表になったチームが甲子園という野球の聖地で戦って優勝を目指していた。ただ、その球場に立てるのは男子だけで、女子は立てなかったのよ、女子は女子で別のリーグ戦があって、その決勝戦だけ甲子園に立てる権利を得る。私が在籍していた頃は校内に女子野球部が無かったからねぇ」

「どうして女子野球部が無かったのですか? リーグ戦をするくらなら有るのでは?」

「どのスポーツでも怪我は必須、女子は怪我をするのを嫌がる事や親が危険なスポーツをさせたくないとかの理由もあり、野球をする女子が少なかったのもある、でも女子も野球をしたい子はソフトボールっていう少し危険が少ない方に行くことが多かったんだけど、何よりもプロチームが無かったのよ、男子はあったのに、女子には無かったといより男子ほどの協賛する人が少なかった、つまりプロで野球の仕事が出来ないってのが最大の理由かな。私が中等教育学校時代あたりには、女子チームは有ったけどプロが少なくて諦める子もいたわね」

「野球を仕事に出来るんですか?」

「えぇ当時は男性のみで12チームのプロ野球チームが東西でリーグ戦をして国内一番を目指すの、プロ入り出来る選手は甲子園で活躍した選手や高等教育課程の大学リーグで優勝したり活躍した選手、または社会人野球で活躍した選手が、年末にドラフトといってどのプロに入れるかどうか、プロの監督などが抽選で選手を取り合うのよ。そしてプロに入れたら一日中、野球の練習をして対戦チームに勝ってお給料を貰う、そうね今のお金で言えば、年間で小金貨貨1枚~2枚くらい貰っていたんじゃないかな、メルリアという野球発祥の国に行った場合メジャーリーグに入れたら、年間中金貨1枚~2、3枚くらいになる選手もいたわね」

「そんなに稼げるのですか?」

「勿論、成績が振るわなければ減棒で給料は減るけどね、それでも、球児はみなそこを目指して練習に励んでいたわ、これ男子の話だけどね、女子にはそこまでの夢自体なかったから」


 雪華の話を聞いた三橋やゴラン隊長は驚いていた、ゲームをしてそんな大金を稼げるとは思っていなかったからだ。


「どこから出るんですか? そんなお金」

「チームを作った会社とそのスポンサー、つまりそのチームを応援していますと言う会社、今でいうギルドね、そして選手を応援するファンかな」

「ファン?」

「そう、ファンと言うのはチームを応援する一般人、球場で選手を応援する人、色んな会社がチームの許可を得て人気のある選手にまつわるグッズとっいって名前を刻んだ鞄とか帽子、洋服なんかを作って、売ってファンがそれを買う、そして収益を得ていた。そこから得られる資金から選手にお給料として渡される」


 懐かしそうに言う雪華を見て二人は驚いている、普段は怒らせると怖いとか言われる相手が、優しい雰囲気で笑っているのだ。


「あの、冒険者はいなかったのですか?」

「……300年前は……そうねいなかったわね」

「いない?」


 雪華の少し暗い表情を見て驚くゴラン隊長と、それを察した三橋は言葉を続けた。


「ウィステリアの領民は薄々気づいている者が多いです」

「気づいている?」

「はい、300年前のあれは歴史で残っているあの言葉、魔素の無い世界にというあの言葉が原因ではないかと」

「……あぁ~そう気づき始めたのね」

「はい、ですから領主様から本当の事を聞きたいと言う者も大勢います」

「そうね、真実の所は、私もまだ半信半疑って所で確信をもてないのよ、だからある人物を見つけだして締め上げる必要がある」

「どなたですか?」


 そこまで言って雪華は二人の顔を見た、話しても良いかどうか、悩んだが、同行しているウィステリア組は気づいているからなぁ~と、そしてピートはもう1人の限界突破者でもある。


「スキルマスターNo.1のピートよ」

「スキルマスターNo.1のピート様」

「あいつがたぶん色々知ってそうなのよね、それにあいつが私と同じ、もう1人の限界突破者の冒険者ランクSLよ、言っとくけどまだピートの事は内密にね、陛下にも誰かは言ってないんだから、私が見つけたら陛下に言っても良いわ」

「わ、解りました」


 一応念押しをしておいた、あいつはただのSLランクじゃないと雪華は思っているからである。


稚拙な文章をお読みになって頂きありがとう御座います。


ご感想に対する返信返しは超苦手なので、出来ないことが多いかもしれませんが、出来るだけ頑張りますので、長い目で見ていただけると幸いです。

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