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43話 300年前以前の不良のような低レベル冒険者

 翌日男三人はロドリアの店に行きどんな物が売っているのか先に見に行ってくると出かけていった。

 そして警護の者が二人付いた、また雪華もギルドに行くため警護が二人付いていた、一人は当然マイク・ゴラン隊長である。当然男三人よりも先に出かけていく。ギルドの開店は早い為でもある。


 時間にして4時半既に出勤しているスタッフがいた、昨日雪華と話をしていた受付嬢のマリンである、そして彼女が魔道具の担当であるため警護が二人付いていた。


「おはよう」

「おはようございます侯爵様」

「……まぁいいけどレティの方が助かる」

「申し訳有りません、親衛隊がいらっしゃいますので」

「そうねぇ、解った今は諦める、でも冒険者として仕事をするときはレティって呼んでね」

「はい、解りました」


 苦笑いをしながら答えたマリンに対して雪華も苦笑をして、ギルド長室に入っていった、昨日帰りに言い残して置いた通り、新しい依頼書は全てギルド長室に持ってくる様にと、その通りになっていた。雪華はお茶を自分で入れようとすると、ゴラン隊長が自分が入れますと言ってきた。


「いや、気にしなくて言い、あなたたちの仕事は警備でしょ、これくらいは自分で出来るから」

「しかし……あの失礼ながら侯爵は側付きはいらっしゃらないのですか?」

「あぁいるわよ、ウィステリアにね」

「何故今回同行されていないのですか?」

「スキルマスターが四人出てしまっては守りが減るからよ、私の執事もスキルマスターだからね」

「あぁいえ侍女はつれていないのかと」

「あぁ~~~侍女か、外に出したくないのよね危険だし。自分一人ならどうにでもなるから」

「危険ですか?」

「侍女は冒険者予備校には行っただろうけど、冒険者をしていないからからね、今回は私自身が色々動くことが多いし、迷宮にも行くことになるし、連れ回すわけにも行かないからね、相手の体力は私たちと同じではないでしょ」

「なるほど……」


 そんな事を言いながら、雪華はお茶を彼の分まで用意して自分は机に向かった。警護の者に対してはあまり気をわなくて良いと伝えてある、敵意有る気配は直ぐに分かるからと伝えたのだ。

 暫くして、マリンが一人の男を連れて来た、昨日雪華に質問をしたロジックと言う男である。


「どうしたの?」

「申し訳有りません、実は有る冒険者が怒っていまして、その例の件で」

「ははぁ~なるほど、解ったわ直ぐに行くから、関係のない周りの人間に影響が無いよう離れて貰うようにして」

「畏まりました」

「あの侯爵何ですか?」

「昨日話しておいたのよ、この時代の冒険者レベルが低いから、対応出来る魔物討伐の基準ってのをね、それに怒ったんでしょ」

「それはいったいどのようなものなのですか?」

「ビッグアンテカウ1頭に付きAランク冒険者複数パーティーで対応、ビッグベア1頭につきBランク冒険者複数パーティーで対応、共に単独討伐は禁止、それ以下のランクの者はスライム及びその他の仕事をするように、とね」

「それは、また……冒険者が怒りますね」

「百も承知よ、でも今現在のレベルだと妥当でしょう」

「まぁ確かに、ジャイアントベアはどうされるのですか?」

「今の冒険者は無理でしょ、軍も正直な所かなり犠牲を出しているんじゃないの?」

「仰る通りです」

「それを踏まえての采配よ、それに文句を言ってくるのは目に見えていたけどね、魔物のレベルって300年前から変わってないのよ、なのに冒険者レベルだけが下がっているの、そこを理解できないなら死ねって話よ、特にこの国は魔素を持つものが少なく魔法が使えない者ばかり、物理攻撃しかできないでしょ」

「魔法が使える者も多少はいますが」

「威力は小さいでしょ」

「はい、ですが物理攻撃でも倒せます」

「……本気で言ってる? 魔物のレベルが上がると魔法のレベルも上がるし物理攻撃も聞かなくなるのよ、それに軍は対応出来るの?」

「それは……はい出来ません」

「それじゃ困るのよ、せめて迷宮に挑む程度のレベルに上がってくれないと」


 雪華がゴラン隊長と話をしながら1階へと歩いていくと、下から冒険者の一人が怒鳴り込んでいた。


「まだかその代理って奴は!」

「もう少しお待ちを、ただいまお呼びしておりますので」


 その様子を見た雪華はヤレヤレと溜息を付いて、ゴラン隊長に言った、手を出さないでと、ゴラン隊長は了解したと言ってくれた。


「五月蠅いわね、いったい何を騒いでいるの?」

「お前か! ギルマス代理って奴は!」

「そうだけど?」

「あっ、コイツこの前憲兵につれて行かれてた女だ、偽装カード使ったとか何とかで」

「あれは冤罪なんだけど」

「お前がギルマス代理だと? じゃこの決まりを作ったのもお前か!」

「そうよ、何か不満でも?」

「大ありだ!! 何でビッグベア如きを討伐するのに複数相手なんだ? あぁ!!」


 まるで300年以上前の不良かよと思った雪華は、当然鑑定スキルで相手を解析鑑定をした。一応Bランクのようだがレベルは70に満たない、これでビッグベアを倒すのか?と疑問に思った。


「お前はビッグベアを一人で倒せると?」

「当たり前だ、俺はBランク冒険者だぞ」

「やれやれ無知だね」

「何を!!!」

「ビッグベアの魔物ランクは知っているんでしょ?」

「ランク1だ、ならば倒せる!」

「無理よ! 魔物ランク1は、レベル60~100の間よ、自分のレベルを理解してないの?」

「なにっ! お前俺のレベルが解るのか」

「解るから代理をしているんじゃないの!」


 男はジッと雪華を見て驚いた、鑑定できないランクもレベルも見えない事に驚いていた。


「どういう事だ? お前いったいなんだ?」

「何って、だからギルマス代理をしてるんだけど」

「違う! お前のランクもレベルも見えない」

「……えぇ~そこ……はぁ~もう何なのよ、今の冒険者は、こんな初歩の情報も知らないわけ??」

「初歩?」

「あのねぇ、自分よりも上のランクの冒険者情報は見えないの!特にランクとレベルは見えるわけ無いじゃない、よくそんな事も知らないでBランク冒険者って言ったわね」

「なっ、コイツ! 言わせておけば……表に出ろ!」

「……なんて在り来たりな台詞だ」


 そして雪華は相手の言うとおり外に出ようとしてゴラン隊長に止められた、しかしあの程度大丈夫だと言い返した。


「でぇ~何をするの?」

「お前を倒す!!」

「………はっ? うそぉ~~何言ってんのコイツバカか? っと言うか笑えるんですけど」


 雪華は盛大に笑ってしまった、手を出して良い相手かどうかの判断も付かない冒険者がBランクって事に笑った。とはいえ実際は相手を挑発していたのは雪華自身、実力の差を見せつける意味もあった。


「この野郎笑いやがって、これで思い知れ!!! ファイヤーボール」


 相手は手を出してファイヤーボールを放った、人族にしては魔素は多いのだろう、割と大きめのファイヤーボールが出せていた、周りの人間は驚いていた。

 魔物ではなく人間相手に火の魔法を放ったのだ、これにはゴラン隊長も叫んでいたが、この程度雪華には効かない、本来なら火が消えた時最低でも火傷をしている、もしくは死んだかと皆が思っていたが、雪華はそれを覆していた、傷一つ無いのだ。


「何? この程度のファイヤーボールで殺せると思ったの、レベルにしてはまぁまぁだったけど、そうねレベル3って所かしら? でも私には効かないわよ」

「なっ、何で……」

「熱耐性スキルを持っているし、炎を無効化できるからね、言っとくけど、他の魔法も私には通用しないわよ」

「あり得ん!! 何故だ!」

「教えてあげてもいいけど、お前他の者に八つ当たりしそうだしね、そうね、私に喧嘩を売った件は無かった事にしてやってもいいけど、ギルド内で騒いだ件は許さないわよ、それと規則は守って貰う、3桁レベルに満たない冒険者は私の相手にはならないからね」


 雪華はそう言いながら、召還魔法で猛禽類の鷲を呼び出した、そして雪華が良いと言うまで上空を飛んでなさいと命じた。

 決して落としたり食べたりしないようにと念を押していた。それを見た周りは雪華に対して恐怖した。


「侯爵様、あのあれ大丈夫ですか?」

「んっ、あぁ大丈夫よマリン。私が召還した召喚獣だから私の命令以外聞かないわ、あの男には少し怖い思いをして貰わないとね」

「助かりましたギルマス代理、あの冒険者は今までにも色々と問題を起こしていたんです」

「あらそうなんだ。にしても何で初歩の情報を知らないのよ、ここの冒険者予備校ってどうなってんの?」

「冒険者予備校も貴族の息がかかった者がおります」

「嘘でしょ、冒険者予備校はギルドの付属校のはずよ、今回の一件で予備校には何も出来なかったの?」

「申し訳有りません、その変は私どもでは解りかねます」

「マジかっ……」


 王都の冒険者予備校の実体が解らず溜息を付いた、これじゃ冒険者も育たないわけだと思ったのだ。


稚拙な文章をお読みになって頂きありがとう御座います。


ご感想に対する返信返しは超苦手なので、出来ないことが多いかもしれませんが、出来るだけ頑張りますので、長い目で見ていただけると幸いです。

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