4話 帰国してからの対処
※何度か読み返し、色々話がおかしくなっている所や誤字・脱字は不定期に修正・加筆をしております。(更新日が多々変更あり)
6月、日本に帰国した雪華が最初に行ったのは、日本の状況を調べること。また神崎雅彰叔父から知事より神崎家の所有する土地についての苦言がなされていると報告が入る。
要はお金やライフラインの問題である。
神崎家が所有している土地は多い、県の半分は神崎家の資産である、そこに住む住人は土地や家を借りて家賃を払って暮らすか、土地代だけ払って家は自分で建てるかしか出来ず、全てを個人の物には出来ない、ただ自分で建てた家は子孫に引き継げるし土地代も固定資産税の半分+20%と決められており、ほぼ不公平感はない。
個人で建てた建造物の固定資産分は個々で税を納めることとなっている。マンションやアパートでも同様の対応を行ってる。
今現在のライフラインに関しては県からの物であるが、私有地と言う扱いではフォローは出来かねると言ってきた。
実際雪華が籐華の後期生だった頃に大地震が起こり学校などが数年避難場所となった。その折に個人の所有する土地であり一件分として数えるのか、そこに住む住人も含めるのかで議会・議員の中で論議がされていたという。
結局当時はそこに住む住民も含めて緊急援助物資を届けたが、これだけの異常気象や異常現象が頻発する昨今、そこまで面倒を見れるのかという論議が再び再燃しているという事であった。
話を聞いた雪華は全国から大量の畜産業や食物・穀類や香辛料など人が生きていく上で必要な物資を早急に多く在庫をするよう指示を出す。そして積極的に農地改革を推進していった。 その間に夜中にこっそりと噴火真っ最中の榊島へ足を運んでいた。
島を買った当初は子どものお小遣いを数年貯めて買えるだけの小さな島とはいえない岩の塊だったのだが、雪華が買ってから何故か活発に噴火活動が始まった。
大学時代に少し噴火が下火になった頃に地理院の役員や大学の地学研究科や火山噴火研究の教授などと調査を行ったことがあった。その時に少ないながらも金を含め色んな鉱物資源が出土していることが解ったのだが、何せ噴火中で有毒ガスも含まれていることもあり、一般人は近づけない。
ただこれは私有地個人の物であるため、行政・役人が口を出す問題ではない。その為所有者である雪華は自由に行き来している、当然それは瞬間移動で誰かが見たら何だと言いかねない方法ではある。
雪華は岩石や鉱物などあらゆる物を適当に拾い出していた、今後のための資金源探しである。ただ何故か魔力を感じる鉱石が増えている気がする為、とりあえず、資金源になる鉱石と魔素を多く含んだ鉱石の二種類を大量に集めて持って帰ることにした。
ただ一人でもって帰るには多すぎる量であるが、曾おばあちゃんから血族限定に継承された空間魔法があるため、全部そこに押し込んだのだ、それで手ぶらで行き来が出きる。
「しかしいつまで噴火するつもりだろう?」
本来なら有毒ガスが出ている場所であり溶岩も流れで居るのだが、雪華は自身に結界を張っているためダメージを受けずに済んでいる。
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島から戻って一ヶ月、7月に神崎の叔父から県庁が中央政府に直訴したとの知らせがあった。土地問題及びライフラインに関することである。
その為今は当主代理として、神崎圭介、つまり分家である菊の末裔で現在の神崎グループの総裁であり、叔父の神崎雅彰の父親が中央政府との調整を行ってきていたのである。
「雪華、雅彰君がきておったぞ」
「雅彰おじさんが?」
雪華が会社に行っている間に会いに来ていたと祖父の榊(神崎)惣摩が伝言を伝えた。
「なるほどね、こっちの準備ができ次第って感じなんだけど」
「準備?」
「独立自治を認めさせようかと思って」
「はぁ! 独立自治っておまえ誰が治めるんだ」
「それは全ての準備が整ってから話すわよ」
孫娘のとんでもない話に驚いた祖父の惣摩は開いた口が塞がらない。確かに雪華は頭も良いし会社経営もしている、昔から子供らしかぬ所が多かったけど、神崎家当主と認定されてからは更に度し難いほど行動や言動から大人の行動に神経を張り巡らせている。
そんな娘を父親である海李も心配してはいたが、元々雪華には先祖返りのため容姿が外国人のような色白で、青い瞳に綺麗な金髪を持って生まれていた、そして不思議な所が多くあり、霊感が鋭く幽霊や怨霊・妖怪など普段人間には見ることが出来ない物が見えていたのだ。そのせいで母親からはネグレクトを受けたり、兄姉からは暴力を受けたりした為、祖父母に育てられてきた。
「神崎」という本名を隠し「榊」と名乗っていた頃よりも更に力が増しているのではないかと思うようになっていたのだ。
「じゃお爺ちゃん、私神崎家に行ってきます」
「えぇ今からか?」
「えぇ、今どういう状況なのか聞いておきたいし、今後のこともあるから」
「あまり無茶はするなよ」
「ほどほどにって事で」
そう笑いながら言った雪華は執事で護衛の小花衣とともに出かけていった。
神崎家に着いた雪華は小花衣の先導にて屋敷に入っていく。実質雪華が神崎家直系筋の末裔で当主となっているため、今まで自分たちの主達が神崎家当主と思っていた使用人達は渋々礼を尽くして迎えていると言った具合である。
通された部屋には総帥の他、叔父の雅彰と藤ノ宮市町に県知事までが揃っていた。雪華の登場に総帥初め神崎家と藤ノ宮市長は立ち上がり、深々と一礼をしたが県知事は座ったまま僅かに顔を上げて会釈をする程度である。
雪華が勧められた席は総帥が座っていた位置、つまり上座である、その為総帥は席を譲り隣の息子が座っている椅子に座った。
「でぇ、雅彰叔父さんが私に会いに来られたと聞いたので、伺ったのですが、これは何かの密談ですか?」
「密談という事ではない、今後神崎家の土地やライフラインについての話の説得をしているところだ」
小娘のくせに生意気なと表情に露わにして話したのは知事である。中央政府に直談判した当人で、総帥自身も中央に話をしに行っているとのこともあり、再度説得しに来たと言う事である。
「総帥が言うように、神崎家の土地は県にも国にも売却するつもりはありませんが、まだごねているんですか?」
「ごねているとは何事か、いいかね以前の震災の件の時は何とかそちらの言い分を飲んだのだ、今回はこちらの言い分もダナ」
「言い分くらいは聞きますよ、知事が直談判した人や総理に会ってもかまいませんが」
「雪華様! 中央に行くのは危険です」
「あら、どうしてですか、総帥。私は別に喧嘩をしたいわけじゃないんですよ、神崎家の資産を守りたいだけです」
雪華はそう言うと今度は知事が発言をした。
「それではライフラインに影響があっても良いのだな」
「水に関しては県からの物でしょ、けれど電気やガスは民間から購入できますしね、問題はないでしょう、それに国は国民に対してその権利を奪いますか?、税金を払っている国民に? とにかく私が直接話をしますよ、総帥も心配なさらずに」
雪華がはっきりと言った事で神崎家の者は何も言わず。藤ノ宮市長は不安で仕方ない様子で、知事に関しては怒りが収まらないという感じで、話し合いは平行線のまま終わり、雪華の中央行きの調整が始められた。
「雪華様、やはり危険ではありませんか?」
「大丈夫ですよ総帥、それに私は怒っているんです」
「……怒っている? あの何か私どもに落ち度でもありましたか?」
「えっ、違いますよ、神崎の人に怒りはありません、私が怒っているのは県知事や政府にです、だから直接話をするだけです」
「政府に対してお怒りですか?」
「そうです、色んな意味で……、落とし前をどう付けるのか聞いてみたいんです」
「落とし前……」
雪華の言葉に刺を感じて総帥はじめ神崎家の面々も、今後何が怒るのかと心配している、だがそれに反して雪華はスライムの対処は大丈夫かと聞いてきた、それは何とかなっていると総帥は返答した。
稚拙な文章をお読みになって頂きありがとう御座います。
ご感想に対する返信返しは超苦手なので、出来ないことが多いかもしれませんが、長い目で見ていただけると幸いです。