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27話 王都到着、そして濡れ衣

 ロドリア商隊との半月の旅を、何もなくとは行かなかった、途中魔物に襲われるは、尾行者の襲撃もあるわで忙しすぎる。

 とはいえ相手はスキルマスター4人、内3人は限界突破で更に1名は規格外だ、一発で締め上げられる人間に、一発で討伐される魔物達で大賑わい、魔物は町などで換金できるので丁寧に扱い、ドロップ品は当然討伐した者の物、冒険者のルールに従って行動した。そして漸く王都に到着したのだ。

 検問では一度止められたが王の許可が出ているとの事でウィステリア組は難なく入ることができた。


「ん~~やっぱり王都は大きいわね」

「町並みは綺麗だし」

「整備されているね」

「ではみなさんはどうされますか?先に品物を納品したいのですが……」

「あぁ~そうね、私たちも冒険者ギルドで獲物を換金したいし」

「ならば、後で宿屋をご紹介します、ギルドで待っていて下さい」

「解りました」


 そういって分かれて冒険者ギルドに向かった、しかし何故か大きいのだ、本部はウィステリアにあるはずなのに、何故本部よりも大きいのか不思議でならなかった。


「あぁ、それ聞いたことあるわ」

「何?」

「本部の松永さん覚えてる?」

「えぇ覚えているけど?」

「こっちは貴族が少し絡んでるそうだって言っていた。だから建物が大きいんだと、それに今回少し頼まれ事をしたんだよ」

「ギルド長に?」

「あぁこっちの支部長は本部長の言うことをあまり聞かないらしくてさ、恐らく貴族よりなんじゃねぇかって」

「ほぉ~」

「だからどうなってるのか調べて欲しいって頼まれた」

「えぇ~~ギルド長が領主家の人に頼むのか?」

「まぁ王都は遠いし簡単に調べられないだろうし、ウィステリアは世間から蛮族領とも言われているらしいしねぇ~」


 そんな事を言いながら一行は冒険者ギルドについた。中に入れば代わり映えもしない冒険者ではあるが、さすがは王都と言った所か割と荒くれ者だけではなく品の良い者もいるが、少し違和感を感じる。


 そんな彼らの視線をよそに4人は受付に向かって戦利品を一人ずつ出して換金していく予定だった、彼らの戦利品は合わせてビックベア6体、ビッグアンテカウ6体、ジャイアントベア6体の合計しても魔物18体である。これには受付嬢も驚き、当然周りの冒険者達も驚いた、ジャイアントベアなんぞレベル300は越えるのだ、普通は何組かのパーティーで討伐するものだからだ。しかし彼らはスキルマスターである、ジャイアントベアなんぞ雑魚に過ぎない。


「あっあのぉ~これを全部、あなた方で?」

「そうだけど、何か問題ある?」

「い、いえ、その、ジャイアントベアは基本的に軍が討伐することになっていますので、その冒険者の方が討伐をした等とは聞いた事がありません」

「へぇ~王都ではジャイアントベアは冒険者が討伐してはだめなのか?」

「いえ、絶対にダメとい訳ではなく、討伐できないため軍に依頼しているっと言うことが、暗黙の了解となっておりまして、その……」


 しどろもどろに言う受付嬢に対して夏椰が喰ってかかっていた、それを後ろで3人も見守っていた、がここで雪華が口を挟む。


「悪いけど、こっちも暇じゃないのよ、さっさと換金してくれない?」

「……あの済みませんが冒険者カードを提示して頂けますか?」

「はぁ? 依頼されたわけではない獲物を換金するのに冒険者カードの提示が必要なの?」

「いっ、一応確認をさせて頂きたいのです、普通の冒険者では討伐が無理な魔物なので……」

「はぁ、じゃ仕方ないわね」


 そう言った受付嬢に対して4人は顔を見合わせて、溜息を着きながら見せた。そして顔色を変え、疑いの目を向けて来る受付嬢は質問をしてくる。


「あの……、みなさんのこれは本物ですか?」

「はぁ? あんた何を言ってんの? 本物に決まっているでしょ」

「ですが、このランクは……あり得ません」

「……いや、間違いじゃないから」

「何であり得ないのか、こっちが聞きたいんだけど?」

「……では、ギルドマスターに報告をして参ります、少々お待ちいただけますか? もし偽物ならば軍に差し出します」

「軍って……」


 呆れて開いた口がふさがらない面々は、どうしたものかと思った、何でここで軍がなんたらと出しゃばってくるのか、解らなかったのだ。


「これは直ぐに帰れそうにないわね」

「ギルマスのお出ましって事か?」

「なぁあの受付嬢、鑑定スキルでももってんのかね?」

「持ってる程のレベルじゃないよな」

「じゃ何でだ?」

「その魔導具にでも通したんじゃないの?」


 雪華の言葉で皆の視線が受付嬢がいた場所をみる。すると水晶の様な板張りでカードが置ける窪みがあり、そこに乗せるとカード内容が読みとれるようになっているようだ。


「なるほど……、これ冒険者ギルドにあった奴だな」

「……本来その魔導具はウィステリア製のはずなんだけどねぇ~、でも王都はちょっと違うみたいね、どこ製なんだろう」

「えっ、そうなの?」


 雪華の言葉で皆がその魔導具を見ていた、すると近くの冒険者達が何やら話しかけてくる。


「おいあのジャイアントベア本当にお前等が倒したのかよ」

「そうだけど」

「嘘付け、ジャイアントベアなんて大物は、そう簡単にしとめられねぇんだよ」

「なぁ~だれと一緒にやったんだ? 軍の獲物を奪ったのか?」

「はぁ~~何で軍の獲物なんだよ?」

「だってなぁ~」

「あぁ、ビッグベアは冒険者で何とかなるけど、ジャイアントベアは冒険者では倒せないからって、軍が対応しているんだぜ」

「お前等そんな事も知らねぇ~のか、どこの田舎者だぁ」


 さんざんな言われ方をしたが、雪華は目を細めて彼らを見ていった、何でそんな獲物を分けなきゃならんのかと、元々冒険者の仕事だろうと言ったのだ。


「確かにそうだけどよ、ジャイアントベアなんて大物は冒険者には倒せないんだよ、強すぎて」

「………強すぎて倒せない……、おまえ達の方が弱いだけだろうが、本来冒険者が倒す獲物なのに軍に頼むなんて冒険者の風上にも置けない者達だね」

「何だとぉ~~生意気いいやがって!」

「雪華、止めておけ」

「ここで騒ぎは起こすな」


 突っかかってきた冒険者達に対して剣呑な目つきで言い返していた雪華に対して他の3人はこれ以上雪華を怒らせるのは不味いと思ったのだ。そんな時にギルマスが出てきた。


「一体何の騒ぎだね」

「ギルマス! コイツらジャイアントベアを自分たちで倒したなんて言いやがったんだぜ」

「そうだ、ジャイアントベアを倒せる冒険者なんか居るわけ無いのに嘘をつきやがった、絶対軍のジャイアントベアを奪ったんだ」


 そんなヤジに対して更に雪華が威圧が周囲をまき散らした、それを他の3人は平気で見守るが、周りの者達は畏怖してしまって言葉に詰まる者が出てきた。

 当然それはギルマスにも及ぶ。階段の途中から声をかけてきたその男は、冒険者に相応しくない貴族が着るような服を着ていた。


「その辺にして頂けないでしょうか」

「……あなたがギルマスなの、ここの支部の」

「……えぇそうです、この冒険者ギルド本部長のヘイゼル・ロイズと言います」

「おかしいわね、私の勘違いじゃなければ冒険者ギルドの本部はウィステリア領にあるはずよ、ここは王都支部のはずだけど」

「あぁはい、ここは一応支部にはなります、ですが王都にあるので本部と名乗ることもあります」

「ほぉ~、ギルド本部長松永さんが聞いたら怒りそうな話だわね」

「松永本部長とお知り合いで?」

「えぇ親しくさせて貰っているのだけど」

「そうですか……」


 そこに軍の者達がやってきた。10人ほどいるだろうか、しかしレベルの低いと4人は思った。


「ロイズ、一体誰だジャイアントベアを討伐したと嘘を言っている冒険者というのは?」

「これは隊長、実はこの4人です。みなウィステリア領の者らしいのですが……」

「ウィステリア領、あの蛮族領の者か!」


 そう言って隊長といわれた者は雪華達4人を睨みつけて捕らえようとする。それを振り払った4人は反対に睨み返して雪華が代表して隊長と向き合った。


「ねぇ、隊長さんとやら、ジャイアントベアを討伐したくらいで何で捕まらなきゃならないの?そんな決まりは無いはずだけど?」

「お前等蛮族領の者には解らんだろうな、ジャイアントベアはレベル300以上の大物だ、冒険者如きが倒せる魔物ではない」

「じゃ軍は倒せるんだ? 300レベル程度を」

「何? 倒せるから軍が対応している」

「どれだけの犠牲を払って倒してるのかしらねぇ。それに私から言わせれば、この冒険者ギルドのカード鑑定魔導具は、ウィステリア製ではないわよ、冒険者ギルドはウィステリア領が本部だから、魔導具は本部から送られているはずだけど、それはどう説明するの?」

「何を訳の分からん事を言っている、さっさと捕まえろ」


 そう部下に命じると、溜息を着きながら雪華は他の3人に取りあえずは言うとおりにしましょうと合図を送った。その様子をヘイゼル・ロイズは笑って見送っている。


稚拙な文章をお読みになって頂きありがとう御座います。


ご感想に対する返信返しは超苦手なので、出来ないことが多いかもしれませんが、長い目で見ていただけると幸いです。

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