表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/158

25話 国王への忠告と冒険者のレベルの差の違い

※何度か読み返し、色々話がおかしくなっている所や誤字・脱字は不定期に修正・加筆をしております。(更新日が多々変更あり)

 フェスリアナ王国のレイモンド国王と雪華の言葉のやり取りを聞いて、立場が一瞬変わったのに気づいた者は殆ど居なかった。

 だがスキルマスター達はこの王が何かを秘めていることだけは気がついていた。


「ねぇレイモンド国王、一つだけ忠告というか知らせておかなけれなならない事があるんだけど」

「何だね?」

「魔王のことは理解しているわよね?」

「歴史上の悪だな、人族にとっての汚点である」

「その魔王の名前って解る?」

「魔王ダミアスだな」

「そう、少し気になることがあるんだけど、その魔王ダミアスの痕跡が残る何か、建物や遺物とかあるかしら?」

「博物館などに行けば、展示されていたと思うが……」

「秘物とかは?」

「そういう物は神殿にあるはずだ」

「そっかぁ~、見られるのは博物館の方だけね、秘物の方は無理みたいね」


 雪華がそう言うと他の3人はどう言うことだと思った。こっちに転生している可能性があると言っていた事は覚えているが、そういう物を見ることとどういう関係があるのだろうと思ったのだ。


「何故魔王の関連物に興味がある?」

「私たちがこっちにいる事だけじゃなく、先王まで転生してたなんて事を考えるとねぇ~」

「魔王もいるかもと?」

「確証はないのだけど、あっちでその気配を持った者を見かけたから。もしやと思っただけ」

「魔王の気配!!」

「うん、本物の魔王ダミアスの気配は解らないから断言は出来ないんだけど、ただ人にしては割と強い魔術師だったし、でも自分が魔王だったという記憶は思い出していなかったと思うのね、会った当時は、でもその後は解らなくて……」

「魔王が転生……」

「人族として転生なのか、他の種族としての転生か解らないし、そもそも本当にうまく転生しているのかも解らないんだけど。遺物が残っているのなら何かしらの影響ってあるのかなって思っただけだから」


 雪華の言葉でレイモンド国王とベルフェイント伯爵は気色ばんだ、もし本当にそういう事が起これば危険であると、大昔の魔王が再び現れるなどあってはならない事だった。


「ウィステリア侯爵、出来るだけの強力はしよう、その魔王の遺物を見たいというのなら配慮しても良い、ただ何かしらの手がかりがあれば知らせて欲しいのだが」

「……それで魔王を倒せなんて言わないでしょうね?」

「そうだな、戦力は多い方が良いが、無理にとは言わない」

「なら、王の命令で冒険者のレベルアップを奨励して下さい」

「冒険者の?」

「そうです、正直私たちの迷宮攻略が出来ないようでは魔王討伐なんて無理ですからね」

「……ははは、確かにそうだな、解った約束しよう」

「なら魔王に関する事で何か解ればお知らせしましょう、それが交換条件です、スキルマスター頼みの魔王討伐なんてあり得ませんから、自分たちの身は自分で守るのが冒険者ですからね、そこの所お間違いなく」

「解った、ではこれから君たちはどうするね?」

「元々王都観光で出てきたので、このまま王都を目指します、王都がどんな所なのか見ておきたいですし」

「ならば王城に招こう」

「ご遠慮します、極秘で出てきているので、それに私たちには他領の尾行もついてますからね、それにそっちを探りたいですし……マーモント家の封蝋がある王都召喚来ちゃってますし……」

「あぁ~それもあったな、そう言えば」

「あれって期日は書いて無かったんだろう姉貴?」

「そう、だから返事を書かずに放置してこっちにきたんだけどねぇ~どうするかねぇ~」


 マーモント家の召喚状の事を聞いた国王は、事情の説明とその手紙を見たいと言ってきた、雪華はマーモント家が王妃の実家である事を思い出して、見せる事にした。


「なるほど……、あちらもウィステリア家を気にしていると言うことだな」

「陛下、マーモント家はなぜこのような手紙を……」

「さぁな、これは王妃に確認してみる必要があるが……ウィステリア公爵、この手紙に付いては無視をしても構わない、こちらで対処しよう」

「そう、それは助かるわ、じゃ私たちは先ほど話していた博物館にも行きます、そして正直他の迷宮を閉めにいくつつもりなんですけど」

「何故かね、冒険者レベルアップが必要というなら、冒険者に挑んでもらった方がいいだろう?」


 雪華の言葉にベルフェイント伯爵が迷宮を閉める理由が解らないといった具合で聞いてきた。それに答えたのは他の3人である。


「ベルフェイント伯爵は、迷宮がどんな所かご存じですか?」

「いや、詳しくは……」

「全ての迷宮は冒険者レベル100以上なければ一階層も攻略できませんよ」

「レベル100以上!」

「それに、迷宮に辿りつく前に魔物に倒されるでしょ。魔物を倒せないようでは意味ないんですよ」

「今姉貴がウィステリア領内で冒険者レベルアップ対策をしています、冒険者予備校を卒業したら、初心者の塔の迷宮に挑んでレベルアップをしてもらう計画を立てているんです」

「ただ元々魔素の無い人族ですから、そうとうの努力も必要ですが、この世界に300年も過ごしている間に、少なからず生活魔法が仕える程度の魔素を持つ人族が生まれているのも事実なので、そういう人が冒険者となってくれれば、将来に備えられるかもと考えているんですよ」

「とはいえ、魔素過壊病との戦いもあるしねぇ」


 雪華が言った魔素過壊病についてはレイモンド自身も報告を受けて知っていた。対処方法が無いのが実際の報告で知っている。


「その魔素過病に対応できるのか?」

「まだ出来ていませんが、魔素を減らすために魔法を使えば魔素が減り悪化は防げますが、そう言う子は子供が多いため難しいのが現実です、ただウィステリア領内は多種族共生ですので、魔素コントロールを知るものがいるので、彼らの力も借りてます」

「魔素のコントロールとな?」

「魔力の持つ多種族の子供は親からコントロール方法を教わるそうですよ、でも人族は過去の罪から魔素を持たず魔法も使えないですからね、突然大量の魔素が体内にもって生まれた者はコントロールする方法を教えて貰えないため、知らない間に命を落としてしまい、魔素過壊病の事を知りません、ウィステリアの場合は多種族が居るため対処方法を知っているだけです」


 ウィステリア領内には確かに多種族が共存・共生して生活している、そのため他領からは蛮族領等と言われていることも事実である。

 元々多種族では受け入れられないはみ出し者が集まった様な者達と思われているからだ、始めの頃はそうでも今は違う、時々はみ出したことで逃げてくる者も居るが、ウィステリア領に始めからいる多種族が色々と後から来る仲間に、ルール等を教えて共生していったのだ。


「そのコントロール方法は我々に教えてもらうことは可能か?」

「……それは難しいんじゃ無いですか?」

「難しい?」

「元々多種族が教えているんですよ、人族はウィステリア領の事を蛮族領と言っているし、受け入れないでしょ。ウィステリアでは初等教育からコントロール方法を教えていますし」

「初等教育?」

「ウィステリア領の子供は全員が、毎日学校に行くのが義務です」

「なんとそれは平民もか?」

「平民とか貴族とか多種族とか関係ありません、入学年齢が来たら全員強制的に学校に行きます、そして自分のお小遣いは自分で稼ぐ方法として週末のみ冒険者予備校に通い生きる術を学んでいきます、親は子供にお小遣いは渡しません」

「お金の大切さと稼ぐことの大事さと大変さは冒険者予備校で学びます。同時に命の大切さも教えます」

「普段の学校では読み・書き・算術を基本に歴史・芸術等も学んでいますよ」


 ウィステリア組の話を聞いて、レイモンド・フェスリアナ国王とベルフェイント伯爵は懐かしそうに先王を思い出していた。


「なるほど、祖父が驚いていたのはそう言うことか……」

「そうですね、先王は懐かしそうに驚いていました」

「どう言うことですか?」

「その全ての者が学校に行く、平民も貴族も種族間の隔たりもなく学ぶ……それは前の世界のやり方か?」

「あぁ~そうですよ、皇太子殿下、あなたの祖父も経験しているはずですね、一般市民と同じ机を並べて学んだ記憶を思い出したんじゃないですか?」

「それに、ある迷宮を攻略するには前の世界で普通にあったゲームを覚えないと攻略できませんからねぇ~、それも学校で教えています」

「迷宮攻略の為のゲーム?」

「えぇスポーツジムという迷宮があるのはご存じ?」

「あぁ名前だけは……」

「あそこの攻略にはゲームのルールを知ってなければ攻略できないんですよ。でもこの時代には全てない。知っている者すら存在しない、これでは攻略できないんです、まぁゲームですから普通に遊びの中で覚えるようなものです、迷宮に行かなければ普通に遊んで楽しいゲームですよ」

「君たちは知っていると?」

「えぇ私たち眠らされ目覚めた者は皆が知っている子供の頃に遊んでいたし、大人でも楽しめるゲームですよ」

「普通に私たちでも出来ると?」

「えぇ出来ますよ、普段の遊びですから」

「では何故迷宮では危険なのだ?」

「迷宮でのゲームの対戦相手が魔物だからです」

「……魔物……」

「そう、魔物とゲームをして勝てば次に進める、負ければそのまま戦闘となる、それがスポーツジムの迷宮です」

「普段は人同士の遊びなんですけどね」

「ただ魔物と言っても1階で魔物のランクが1~2、レベルで言えば100~300未満です」

「……なるほど、今の冒険者では迷宮に挑んでも死亡率が高いと言うわけか」

「高いと言うより100%死にますよ、3桁レベルのいない冒険者なんてあり得ないですよ、だから今は閉めてきます」

「あり得ないか……」

「魔王がもし居れば3桁でも倒せないかもと思った方が無難じゃ無いですか?」


 4人の話を聞いて疑問に思ったことがあった、何故冒険者レベルが3桁なのかと言うことだ。


「それは300年前は3桁レベルの冒険者の方が多かったんですよ」

「多かった?」

「冒険者予備校を卒業時点でランクF、レベル100程度にはなる。ランクE以上でそれから強い魔物や迷宮にダンジョンなんかを攻略していたら当然レベルは上がっていくでしょ、ランクDでだいたいレベル150~300越えあたりの冒険者はゴロゴロ居ましたよ」

「ランクEやFでレベル100、ランクDで150~300越えとは……」

「300年でだいぶ魔法のレベルが変わりましたね」

「それは人族の話か?」

「まぁ人族も結構居ましたね、多種族も居ますけど」


 この辺りは正直ゲームの話であるが、リアルとゲームが混在している状況では適当に話しておくに限る。


稚拙な文章をお読みになって頂きありがとう御座います。


ご感想に対する返信返しは超苦手なので、出来ないことが多いかもしれませんが、長い目で見ていただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ