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23話 スキルマスターの人数と、先王からの手紙

※何度か読み返し、色々話がおかしくなっている所や誤字・脱字は不定期に修正・加筆をしております。(更新日が多々変更あり)

 国王から7人のスキルマスターがいると聞いて7人目に対して見つけて締め上げると物騒な宣言をした雪華は、国王の希望通りに強めの遮断結界を張った。


「ありがとう、助かる。では話を始める前に、君たち4人の冒険者ランクとレベルの確認をしたいんだが、良いか?」

「冒険者ギルドで確認をしてきたのでは?」

「それはこちらが確認できなかったからギルドで確認はしたが、詳しくは解らなかった、たださっきも言ったとおりスキルマスターが7人いる事だけしか確認できなかったのだ、君たちは当然Sランク以上であるのは承知しているが、知っておく必要がある」


 国王の言葉に4人はお互いの顔を見合わせてどうするかと思った、スキルマスターで有るのは間違いないが、冒険者ギルドでは名前の確認は出来ない、各迷宮はその印をもってスキルマスターを確認する以外に術はないとマルク・ベルフィント伯爵が追加説明をした。


「えっ名前表示されないの?」

「そうだ、名前ではなくその迷宮の印が表示されるだけだ」


 それを聞いた4人は驚いた、ゲーム時代と違っていたのだ、

 ゲーム時代では容易に知られるしGM権限を持っているのはバレバレだったのだ、それなのに解らないと言った。

 それを聞いて雪華は溜息を付いた。どうせいつまでも隠し通せるわけもないだろうと思ったのだ。


「はぁ、まぁ良いけど暫く他言無用に願いたいんですけど、約束して頂けますか国王陛下?」

「無論だ!」

「解りました、開示しましょう、ですが制限はします、ランクとレベルまでです、それでおおよその見当は付くでしょうから」

「それで良い」


 雪華が了承認め、他の3人も同様に開示はランクとレベルまでとした、その間国王はベルフィント伯爵にカード鑑定魔道具を用意させた。


「これは、ウィステリアにあるカード鑑定魔道具ですよね、ギルドにしか配布していないはずでは?」

「一台だけ王室に献上されていた、ウィステリア製の物だ、現状我が国ではウィステリア製のカード鑑定魔道具以外は認めていない」

「なるほど」


 国王の説明を受けて、4人は自分達の冒険者カードを一人ずつ提示していく。その結果を見て二人の驚きは驚愕を通り越していた。


「まさか本当にSランク、Lランク、SLランクがいるとは、冒険者ギルドではSLランクは男女各1名ずつと聞いている、その1人がウィステリア領主だったとは……」

「その男性の方のSLランクはそのうち紹介しますよ、もっとも私が締め上げた後でですが……」

「締め上げた後……、それは何故か聞いてもいいか?」

「それは秘密です」


 にっこり笑って国王と伯爵に言った雪華を見た他の3人の男達は疑いの目を持って睨んでいた。


「では、改めて話をしよう、そうだな、まず最初にウィステリア家の関係者が戻ったという話を聞いた30年前に遡るとしようか。当時の私はま3歳だったので詳しくは知らないのだが、85歳だった曾祖父がとても驚いていたと祖父と父が言っていた」

「驚いていた?」

「あぁ、祖父や父の話を聞いた所、300年前に行方不明になっていたウィステリア家の者が戻るとは思っていなかったのだと、それが神々の知らせの通りになったと言っていたと」

「神々ねぇ~」

「そして曾祖父はその話を聞いた後暫くして亡くなり、55歳だった祖父が国王となったのだが、その頃から祖父はある事を私に話し始めた」

「あること?」

「祖父は自分には前世の記憶があると……」

「前世……」

「そう前世の記憶があり、今回は3度目だと言っていた」

「3度目??」


 そこまで言った国王は、更に話を続けた、祖父は最初300年前に一度一般人として転生をした前世界の者だと、そして一般人として人生を終え、今生に再び生を受けた者だと言っていたと言うのだった。ただ前世の記憶を持っている等と話しても信じてくれないだろうと黙っていたと言っていた。


「それからもし、本当にウィステリア家の者の中で『雪華』と名乗る女性が戻ったら、絶対に敵対してはならない、粗相をしてはならない、絶対に何があっても怒らせてはならない。そう何度も年押しするように私に話していた」

「何それ……念押しまでしてたの?」

「最初は何を言っているのか解らなかったが、成長するにつれて、それは祖父が転生し、その記憶を持って生まれた事を理解した。当然父もそれを聞いていたが、あまり信じてはいなかった」

「そりゃ、そんな事信じろなんて言われてもねぇ~」

「そうだな、頭がオカシくなったか……って思われるな」


 雪華と兼吾が言うと夏椰と簾は肩をすくめ、目の前の王は苦笑していた。


「その通りだ、臣下達も信じる者は少なかった。だが唯一信じてくれたのが、このマルク・ベルフィント伯爵だったのだ」

「……この伯爵が信じたんだ……」

「私は先代王より転生の話を聞いて興味を持ったに過ぎない、だが先代王や今の王を信じてはいるが、本当に君たちが先代王のいう通りかどうかは確かめてみないことには納得はできないがね」


 伯爵が言うのがもっとも正しい、こんな事普通は簡単に信じる方が、どうかしているのだ。だが目の前の王は話を続けてきた。


「祖父が二度の転生を経て、同時に三回分の記憶を持っていた。前世界での記憶と、300年前の記憶だ、そして今生の記憶、その内容は一応聞いて知っている」

「ちょっと待って下さい。先王とはその転生した祖父ですよね、では陛下のお父上は如何なさったのですか?」

「私が陛下にお会いした時には、お姿が見えませんでしたね」


 祖父が先王で転生者なら、目の前にいる国王には父がいる筈、王位継承権等からならばその父が第一継承者で、息子である目の前の王は第二継承者という事になる筈だと、霧島簾と夏椰は思って口に出した。


「祖父が国王になって5年後、私が8歳の時に王太子だった父が事故死してしまった」

「事故死?」

「よくある話だ、表向きの事故死、本当は後継者派閥の者から暗殺された」

「マジ……ですか」

「あぁ、こちらの世界ではよくある事だと祖父が言っていたし、前の世界の歴史では中世ヨーロッパですか? その時代にはよくあったと事だと祖父は言っていました」

「あぁ~なるほど中世時代はよくある話だったわね」

「それで、私は14歳で王太子に据えられた」

「まぁ、当然だわね」

「他に姉弟はいないのですか?」

「いない」

「えっと王太子妃は? 母親ですよね」

「母は私を産んで直ぐに亡くなった」

「申し訳有りません……」

「いや、気にしなくていい」

「月宮が戻った頃に3歳だったって事は、今33歳ですか?」

「そうだ」

「即位したのは?」

「28歳の時だから5年前だな、丁度即位した時に夏椰氏が来られた」

「あんたもっと早くに会ってなかったの、夏椰?」

「まぁ~いろいろあって、月宮が代理で会っていた」


 そんな姉弟の話を聞いて若き国王は苦笑していたが、近くのベルフィント伯爵は憮然としていた。


「ウィステリア領主、あなたの事は祖父から重々礼を尽くせと言われている。あなたが何者かも聞かされている、ただ実際の所我々にはあなた方が本当に300年前に眠らされていて、前世界のことを知っているのかどうか確認する術がない。」

「そりゃぁ~そうですね」


 当然の事である、誰もがウィステリア家とスキルマスターが300年間も眠っていて、突然目覚めたなんて普通に信じるなんてあり得ないのだ。


「そのため、私は祖父に訊ねた、確認する方法はあるのかと」

「確認する方法……」

「そうだ、これが祖父から直筆で君たちへ宛てた手紙だった、祖父は私と伯爵を含め、我が王妃や主要な貴族の前で、その手紙を書いた、当然その内容は我々では理解できない文字と言葉で書かれていていた、我々と周りの貴族にはその手紙の内容を概要だけは祖父から聞かされているがよく解らない、ただ祖父は、この手紙を読み内容を理解できれば間違いなく300年前のウィステリア家の者、そして300年前の記憶を持っている者であると、そして当時の本当の名前はウィステリアではないことも書いたと話していた」

「手紙……」

「我々は読めない」

「それ以降祖父は『転生王』と呼ばれるようになった」


 そう言われて、手元に出されたその手紙の封筒の封蝋を見て驚いたのは、招かれた4人だった。


「おいっ、うそだろう……これって……」

「あぁ、でもしかし……なんで?」

「なぁ~姉貴これって菊花紋章だよな? しかも特別な」

「……そうね特別すぎるわ。ねぇ王様聞きたいことがあるんだけど」

「何だね?」

「この封蝋って誰の印?」

「祖父の印だ、祖父が自ら選んだと聞いている」

「そう、自ら……」

「君たちはこの紋章に見覚えがあるのかね?」


 国王に言われて4人は困った顔をした。当然である、300年前の災害は次元移動その物だったのだから、そしてこの特別な菊花紋章は「皇室紋」である。

 そのためそれらの事情をこの世界に住む者達にどう説明すればいいのか、正直困ったのだ。そんな彼らを見ながらレイモンド・フェスリアナ国王はもう一つの話を付け加えた。


「実はこの手紙を書いて直ぐに、祖父はウィステリア領で目を覚ましたと言う家令の月宮という人物を、急遽王都に呼び出してこれを見せたのだ」

「月宮に見せた?、そう先王が月宮に見せたんだ」

「そうだ、だが彼は手紙が誰宛であるかを見て、読まなかったのだ、そして言ったのだ」

「何て言ったんです?」

『これは、我が主宛の手紙です、使用人である私が読んで良いものではありません。本当に殿下であるなら理由はおわかりかと存じますが……』

「そう言ったのだ」

「なるほど……、月宮なら言うわね」

「っというか、月見さんは先王に会っていたんだな、そんな事一言も言ってなかった様な気がするんだけど」

「……私は聞いていたけどね、手紙を見せられたけど読まなかったって言っていたわ、だからただ必ず国王には会えるなら会うようにとだけ耳打ちされたけど、これが理由だったのね」

「姉貴、取りあえず手紙読んでみたら?」

「そうだな、この紋章だ中身はたぶん俺たちにしか読めないぜ」

「だな……」

「……そうねぇ~まさか転生していたとは……」


 4人の言葉を聞いて国王と伯爵は互いに顔を見合わせていた。ハッキリと自分たちしか読めないと断言している事にも驚いていた。


稚拙な文章をお読みになって頂きありがとう御座います。


ご感想に対する返信返しは超苦手なので、出来ないことが多いかもしれませんが、出来るだけ頑張りますので、長い目で見ていただけると幸いです。

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