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次元移動を越えて…(物理世界から魔法世界へコールドスリープ?)  作者: 混沌の夢
第2章 次元移動後のエリシェント世界編
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12話 続・視察とスキルランク

 冒険者ギルド予備校の見学を終え、その後数日は、各学校の見学や冒険者ギルド以外の医療ギルド、教育研究ギルド、商人ギルド、職人ギルド、魔術師ギルド、召還ギルドなども見学、冒険者予備校を卒業をした者が、就職を決める一つの指標ともなり、一般校を卒業した後の進路ともいえる。


 特に職人ギルドの種類は多岐にわたる、大工、土木、建築、木工、美術、音楽、畜産、農業、林業、調理師など技術的な物作りが主なギルドである。


 教師になるには高等教育課の学校を卒業しなければならない、また同じように高等教育課程を卒業をしてギルド入試を合格しなければギルドに登録すら出来ないものもある。

 その代表格が医療ギルドと教育研究ギルドである。ギルド入試とは前世界で言えば、医師・看護・歯科・獣医師・初等・中等・高等教師等の国家試験である。


「なんか元プレイヤーがたくさん居るような感じの仕組みよね」

「そうですね、私も正直驚いています」

「今まで見学したこと無かったの?」

「私程度では無理でした、雪華様がいらっしゃるから見学できたようなものです」

「なるほど、でも小花衣もスキルマスターでしょうに、それでもダメだったの?」

「当時は公にしておりませんでしたから、まず状況を整理し何が起こっているのかを知る方が先でしたから」

「そっか、にしても召還ギルドは名ばかりね、召還魔法を使える者がいないなんて驚きだわよ」

「そもそも魔力が少ないから召還も出来ないものと思われます」

「そうよねぇ~~ ギルドマスターは召還魔術は仕えるけど……レベルが低すぎる、いっそ廃止にする?」

「召還ギルドをですか?」

「だって今のままじゃ収益にもならないし、ギルマス一人じゃない」

「それは止めておいた方がよいかと」

「どうして?」

「さっき召還ギルドマスターが言っておりましたとおり、冒険者達の昇格テストにも利用しているようなのです、確かに召還ギルドマスターはそれほどの召喚獣を召還できませんしランクも低いですが、無いと困ると思う者達も少なからず居るようですから」

「………あの程度で昇格テストをしているのか、どうりで冒険者のLVが上がらないわけだ」

「召還に使う魔力量にもよりますからね、それは致し方ないかと」

「そうかぁ~、じゃもう少し様子を見るしかないわね」


 今回雪華がすんなり全ての関係機関を見学できたのは、事前に各それぞれの代表者が領主家に呼ばれていた為である。

 各ギルドの本部は全てウィステリア領にあるからで、その各ギルドを全て纏めて管理しているギルド総本部の最高責任者はウィステリア領主であるからだ。


 そして冒険者ギルドマスターの松永から、領主が戻った事を知らされたこと、そして冒険者として屋敷外に出たり公でない場合は偽名のレティシアを名乗ることが知らされた為である、つまり面通しを先に済ませておいたのだ。


 自分の領土の詳細が解らない状況で王都に知らせるのは愚策と考えた為であると理由も付け加えていた。そのためそれぞれの代表者は了承を得た、但し、領主の雪華の目を誤魔化すことは出来ない、その見学の都度不正を見抜き正すよう指導していった為、彼らもある意味戦々恐々である。

 何せレジェンド級、規格外級の冒険者であり迷宮管理者でもある事も知らせておいた為だ。


 今回は急であった為、不正があった各関係機関に対しての処罰は免れた、但し次は無いと付け加えておいた。そのため一ヶ月ないし二ヶ月後までに不正を正し、解決策を提出するよう命じた。


 後日月宮より王都から召還命令が届いたと報告があった。どうやらどっかからバレたらしい、恐らく王都の誰かと癒着でもしている者かスパイから報告があったのだろうと見当をつけていた。


「こっちがまだ全て対処が終わったわけではないわよ、直ぐには行けないわね。あっちは期日を指定しているの?」

「指定はされてませんが、なるべく早めにとあります」

「そう、ならばそうね、小花衣だけを連れて行くとしましょう、期日指定は後ほど連絡を入れると伝えて」

「畏まりました」


 報告を受けた後、雪華は弟の電波塔に向かった、王都の情報が知りたかったためである。


「こんにちわ、夏椰いる?」

「姉貴、どうしたんだ?」

「あんた最近家に帰ってこないから、お婆ちゃん達が心配しているわよ」

「連絡は入れてあるだろう!」

「まぁ、聞いてるけどね」

「よぉ、雪華ここの所忙しそうにしてるな」

「あっちこっちに顔を出してるようじゃん」

「街では噂になっているなぁ」

「噂? 何の?」

「『領主様がお目覚めになっている様だ、でもまだ理由があって公表できないらしい』みたいな事」

「……やっぱり漏れてるわね」


 姉弟の話の途中に割り込んできたのは、天球の城迷宮管理者であり宇宙飛行士のあだ名を持つ浅井兼吾と、研究の塔迷宮管理者で、初期ゲームプログラミングをした元クラスメイトの霧島廉である。


「それより、何で二人がここにいるの?」

「夏椰を手伝ってるんだよ、こっちの迷宮は守護者が何とかしてくれているからな」

「情報は俺たちにとっても大事だし、今後この事もあるからな」

「今後のことかぁ~」

「なんだよ、何かあったのか?」


 雪華の溜息は珍しいと思い、廉が聞いてきた。それで雪華は王都からの召喚状が届いたことを打ち明けた。


「召喚状?」

「王都から?」

「その相手は誰だ?」

「……誰だっけ?」

「おい、知らねぇのかよ」

「王都には貴族が居るからな、一応ウィステリア家も貴族の枠組みらしいけど、本当かどうかは知らねぇけど」

「まぁ~誰であろうと敵と見なせば容赦しないけど」


 そう言った雪華の顔を見た三人は、溜息を付いた。夏椰などはこっちが本当の地の姉貴だと確信した。榊の家に居たときは、あれでも大人しくしていた方だったのだろうと確信を持って言える、ただ夏椰には時々その地を榊の家に居た時にも見せるときがあったが、元クラスメートの方は、これが元々の雪華であると認識している、ゲーム時代の雪華とクラスメートの雪華との区別は全くない。


「姉貴、その召還に俺も同行させてくれ」

「えっ? あんたも、何で?」

「いつもは召喚獣なんかをあっちこっちにとばして情報を取ってるんだけど、丁度霧島先輩が作った魔導具を試したいと思ったんだ」

「何かできたの?」

「カメラもどきって言えば良いかな? 今まで色々試作は作っていたんだけど、納得できる材料がな見つからなくてな、そこで前にお前から魔鉱石と魔晶石を貰っただろう、あれを使って情報収集に役立つ何かをって夏椰に頼まれていたんだ、それで再度試作を作っていた」

「そうそう、それがあれば俺の天球の城からもカメラで下を監視できる」

「なるほど……偵察衛星に迷宮を使うのか、おもしろい」


 元SAクラスの四人は試作品を見て、実際ここで使えるか等も検証し始めた。それと同時に王都の情報を雪華は三人から受けるのだった。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 雪華が領内の視察に明け暮れていた時、王都では一部の貴族が集まり密偵からの報告内容に対して議論していた。

 300年前の襲撃や災害以降不在のウィステリア領主家や迷宮管理者達の事をずっと探していたのは王族だけではなく、王都に住む貴族達も同様だった。


 300年前の襲撃後神々の使者が現れ、ウィステリア家の者は魔力を多く使いすぎたため眠りについていると言い残していた。

 実際にそれを見て聞いた当時の者達は信じていたが、時代が進むに連れて伝承となっていった様である。


 それでも一部の王族と一部の貴族は違う、もし本当に眠りについて目覚めて戻って来たならば、対応を謝れば再び大惨事になるとか自身の利権等がが損なわれるのではないかなど考える者が多かった。その為定期的に密偵を送りウィステリア領を監視していたのだ。


 ただ王族の中でも国王は他の貴族とは違っていた、神々の使者が20年前に再び直接王の前に姿を見せていたからだ、そして領主家や迷宮管理者が近々戻るだろうと予言をしていた為だ。

 特にウィステリア領主については神々の加護のもとにあると告げていた為でもある。

 加護を受けている相手を召喚してもよいものかと悩んだ末、一応ウィステリア領主という立場であり、フェスリアナ王国所属である為、召喚をしても良いのではという宰相の意見も聞いた。


「失礼に当たりはしないだろうか?」

「陛下がそこまでお気遣いになる必要はないのではありませんか?」

「しかし、怒らせてはならぬお方であると300年前からの口伝もある」

「ですが、ウィステリア領主も我が国の国民に属しております、他の貴族の目もありますし、ここはどうか、それか密かに会うという方法も視野に入れてはいかがでしょうか?」

「密かに? それはどうやって? 他の貴族も密偵を送って彼方を監視していると聞いているが」

「領主が本物であれば密偵など見破っているでしょうし、恐らくこちらの内偵にも気づいていると思われます、それを考えて現時点で何も言ってこないのですからあまり気を回さなくとも良いと考えます」


 貴族達が密偵から話を聞いていた頃、王と宰相が雪華に関してどう対応しようかと話していた、ただ他の貴族には知られないよう密かに領主に対して召喚状を出すことを決めたのだった。


稚拙な文章をお読みになって頂きありがとう御座います。


ご感想に対する返信返しは超苦手なので、出来ないことが多いかもしれませんが、長い目で見ていただけると幸いです。

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